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インタビュー

2015-08-27 08:09 追加

福澤達哉 離日直前インタビュー 

V1リーグ 男子

――渡航を決めてから、周りから…ご家族、監督、チームメイトに相談したと思いますが何と言われましたか? 一人で行かれるんですか?

福澤 そうです、単身で行きます。家族に関しては子供たちも置いていく事になるので、一番最初に妻に「海外に行きたいんだけど」という話をしました。最初は少し戸惑っていましたけど、彼女にはずっと「海外に行きたい」という話をしていたので、どこかでそういう覚悟はしていたみたいで、最終的に「家のことは心配しなくていいから、挑戦しておいで」と背中を押してくれました。妻がそういう風に言ってくれたことで決心がついたので、非常に感謝しています。会社に関しても、有り難いことに、最初から「そういう事だったら全面的にバックアップするよ」と言って頂いていたので、やはりとても感謝しています。今回の挑戦にあたって、いろんな方に協力や理解で成り立ってるなと思うし、期待してくださって「よし、行って来い」って言ってもらえてるので、すごくありがたいです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA――移籍先にブラジルを選んだ理由は?

福澤 ひとつは、ブラジルバレーは一番日本人が馴染み易い、フィットしやすいバレースタイルかなっていうのが、僕個人としてイメージがあって。海外移籍という経験を積むときに、全く別のスタイルに飛び込むっていうのもひとつの大きな手だとは思うんですけど、今回に関しては、挑戦が(五輪の)1年前っていう事もあるので、極力フィットし易い、自分のプレイスタイルが馴染み易い所のリーグに行くのがベストかなと。あとはチームを紹介してくれたエージェントが、ブラジル事情に詳しい方で。他の海外リーグでポーランド、イタリア、フランスなどトータルして相談したんですけど、今の福澤だったら来年のリオ五輪という事も考えて、現地に慣れるという意味も込めてブラジルがベストなんじゃないかと言ってくれたので、僕自身もいろいろ考えて、やはりブラジルがよいだろうということで決めました。

――移籍されるマリンガというのは? 確かブラジル黄金期の代表セッターであるリカルド・ガルシアがオーナーでキャプテンというチームですよね。

福澤 エージェントと相談して、何チームかピックアップして、交渉する中で、もちろんとってくれる所が大前提で、あとは極力出て活躍出来そうな所というのを探してくれたのです。2、3チームの中のひとつで、レベル的にも頑張れば試合に出られるという事で選びました。

――リカルドのトスを打てるというのは、アタッカーとしては魅力的ではないですか?

福澤 そこは僕にとっても非常に楽しみであることのひとつです。リカルドも、歳はもう40歳で全盛期は過ぎて、体力的には劣るのかなとは思いますけど、去年のシーズンのプレイを見ていてもマチェラータですか? ファイナルだけ出場して、まだまだちゃんと動けていましたし。経験がものを言うポジションだと思いますので、ワンハンドトスとか、映像で見ている分にはそんなに衰えてないなという印象を受けるので、楽しみにしています。僕自身は、代表に選ばれた時に一番最初に見たプレイヤーは、彼(リカルド)がいるチームでジバっていう憧れのサイドアタッカーがいました。二人のコンビはすごく憧れだった。だから、ジバを良く知っている選手というのも含めて、なにか僕にヒントを与えてくれるんではないかと期待しています。

――ところで、インスタグラムを始めたそうですが、記事の中で紹介してもよいですか?

福澤 はい、是非紹介してください。海外に移籍するというせっかくの機会ですし、オリンピックの1年前ということもあって、ブラジルの様子だったりとか、僕の海外生活・活動の様子っていうのを少しでも発信して、オリンピックでバレーを見たいとか、ブラジルという国に興味を持って頂いたりとか、もしくは今後出るであろう後輩たちが僕も海外挑戦してみたいなと思えるようなきっかけに少しでもなるといいかなと思っているので。日本は少し閉鎖的なところもあるので、なかなか情報が入ってこないじゃないですか。だから、海外リーグの実情や雰囲気が伝われば。そういう発信ツールとして何か1個やりたいなと思ってインスタグラムを選びました。是非読者の方にもフォローしていただきたいです。

*福澤選手のインスタグラムのアカウントは「1tatsu5」。全体公開で誰でもフォローすることができます。

――清水選手から聞いたのですが、全日本を外れたことで涙を落としたと……。そういう思いの上にリオにかける気持ちを教えてください。

福澤 僕自身は、北京に出させて頂いてから、気がつけば4年サイクルで物事を考えるようになっていて。オリンピックというものがバレーをやっている上で自分にとって一番大きな目標なんですね。そこに出場するチャンスというのは、1年1年積み重ねて掴んでいかないといけないものなので、今回外れたというのは、すごく悔しいですし残念ではあるのですが、僕自身ある程度仕方ないなというのはありました。怪我をしていたのもありますし、パフォーマンスも納得いくものではなかったので、納得できる部分と悔しいと思う部分も両方あります。ただ今回こういう風に外れてみて、より一層リオになんとしても出てやるという強い気持ち、この経験をプラスに変えてまた来年挑戦できるように頑張りたいと思います。

――ブラジルに行って、具体的に何をつかみたいですか?

福澤 「自分はどこで勝負しないといけない選手なのか」ということは、見つけて帰ってきたい。今はある程度、自分で「こういうタイプの選手なんだ」と解ってはいても、「俺はこれで行くんだ」という言い切る所まで出来ていたかというとそうではないので。プロフェッショナルの選手って、ダンチなどに接してみて思うのは、「僕はこれを生業にしてこれで世界と繋がって行くんだ」というのが、目に見えて解る選手でした。そういう超一流選手と触れてみて、自分とはどこが違うのかなと思ったときに、そこの覚悟がないのかなと思ったので、それを探す為に行きたいと思います。

――頑張って行ってきてください。

福澤 ありがとうございます。行ってきます!

出発口にて

出発口にて

 

聞き手:中西美雁
写真:FIVB、中西美雁
編集補助:横幕祐美

 

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コメント

山田太郎 [Website] 2012.04.20 13:00

福澤選手、ぜひリオオリンピック代表の座を勝ち取ってください!応援しています。今の全日本男子は強いです。オリンピック出場も、メダルさえも十分可能性があると思います。福澤選手はその一翼を担う

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