――スパイクとブロックどちらが得意ですか？

僕、どっちに見えます？　どっちもそつなくこなしてますかね？

――そのようにみえます。

どっちも器用にこなしちゃうのでアレなんですけど……いやここはツッコんでくださいよ（笑）

――すみません（笑）

ツッコミいれれないとJTに入れないですよ（笑）。何かボケれば誰かしら３人くらいツッコミいれてきますからね（笑）

スパイクは、ある程度良いトス上がれば決めれれる自信はあります。決めて当たり前なところはあります。ブロックの方が得意ですかね。スパイク打つ選手いっぱいいるけど、国内のMBでブロックうまいなぁていう人あまりいないですね。頭使ってないなぁって。富松・白澤くらいですかね、賢く頭使ってやってるのは。近とかはガチガチにシステムでやらされてるなぁと思いますけど。

――じゃあその二人がライバル？

ライバルとかじゃないです、勝手にやってくださいと思ってます。僕全然個人で勝たなくてもいいと思ってるんで。チームで勝てれば。あまりそんな欲はありませんね。個人的には。

――入社してすぐにインタビューしたときに「同じポジションの奴は嫌いだ」と言っていました。同じチーム内ではライバルだからと。それが印象に残ってるのですが。

根本は変わってないです。できれば試合に出たいし、年をとって丸くなったのか、もう余生が見えたのか、後輩に指導しようかと思ったかどうかしらないですけど今はそんなんでもないですよ。でも絶対出るんだっていう意気込みも自信もあるし、普通にやれば後輩たちに負けないっていう余裕があるから、後輩に教えられるのかもしれない。その頃は余裕がないから、実力もないし今思えば強がってたんじゃないですか？

――昨シーズンは安永くんでスタートが、途中から町野くんに定着しましたね。

そうですね。監督のやりたいことわかりますよ。同じ実力あれば若いのを使いたいですし、それは当たり前のことで、文句はないですけど。自分が出されたときに、求められた仕事がいかにできるかと何を求められているかというのを理解するのがすごい大事で、そこが頭が悪いと理解できないだろうし、やることが分からないとできないという所で。それは年齢を重ねた利点ですかね。そういう面では歳とるのも悪くないかなと思います。でも結局出てるし、それでいいかなと思います。

開幕出れないのは納得いかないですよ。でも長い目でリーグをみたら結局でれてたし全然いいです。

――チーム最年長、同期の酒井選手がいなくなって、何かやらなきゃとか思う所はありますか？

ないっす。うん。ないっすね。一人になったのは寂しいです。１１年一緒にやっていたので別に仲良しこよしではないですけど、ずっと同期でやってきたので。最年長がガツガツでてるチームって、あんまり良くないと思うんですよね。僕はそんなに前に出るタイプでもないし、下に優もいるし、優がやった所のこぼした所を、サポートしたりケアしたり。タイプ的には副委員長タイプなのでトップを影で支えたいタイプ。トップを支えるような立ち位置ポジションになっていかないといけないと思う。そういうのを気にして後輩に接している部分はある。

でも結局自分が出ないと話にならないので、まずは自分の事から一生懸命にやって、それを見て同じ所のポジションが育てばいいなと思う。やっぱり出来るやつは自分で感じてやろうとする。言われてやっているようじゃ伸びない。もちろん僕も後輩にいろいろ言ってるんですけど、後は見て学べというスタンスで。責任感ないのかな？　無責任かもしれないけど、僕なりのアプローチの仕方なので、監督には文句言われてないので大丈夫だと思います。

――黒鷲では悔しい思いもしましたが、今季は？

一昨年の決勝で負けた事が昨年の優勝の糧となったように、昨シーズン最後の黒鷲で負けて３冠とれなかったのを、今年３冠に手がかかる、それがあったから今年勝てたと言いたい。去年負けたけど、それがあったから、去年の負けが無駄じゃなかったと言えるように勝ちたい。去年のチームもそうだったんだけど、優勝優勝と言う人はいなかった。目の前の１試合１点と思って練習して戦っている。監督も口をすっぱくしてそう言ってくるし。そういう意味では３冠とか黒鷲優勝とか目標のひとつではあるんですけど、それは最終目標としながら、目の前の事を地道にやっていく事の方がこのチームはうまくいくと思う。

目標聞かれたら３冠ですとかリーグ連覇ですとか言わないと格好つかないので、言ってくれみたいな質問の仕方するじゃないですか（笑）。それは僕も馬鹿じゃないので、察するし言いますよと思いますけど。もっと細かい所を、目標を立てて今週の目標でも今日1日の目標でもいいし、もっと細かくいえば対人練習での目標とか。そういう事をやっていかないと優勝できないなと去年つくづく思ったし、そういう細かい所の質を追求する事で勝てた。去年やってきたことというのは間違ってなかったので、一番強かった。去年とは基本的には変わらないスタンスでいきたいなとは思ってます。同じ事やってても勝てるかもしれないけど、確実に３冠連覇するために、更に去年を土台にしてステップアップしていけばもっと可能性上がってくるししていかないといけないと思う。

そういう考えのもとにリーグに向けていきたいと思います。昨季黒鷲で負けたのもなにか理由あったのかもしれないし、モチベーションになったと言えるような状況にまずはしていきたいと思うんですけど。まぁやってみないとわかんないっす（笑）

最後まで独特の「町野節」で語ってくれた町野選手。現在（12月5日）JTは6位と苦戦しているが、こんな時こそコート内外でのベテランのサポートが必要となってくるだろう。

町野 仁志
Hitoshi MACHINO
JTサンダーズ  No.2
生年月日       1981年8月25日（34歳）
出身地          東京都渋谷区
身長   193cm／体重   85kg
愛称   マチ
ポジション   MB/WS
指高   247cm
スパイク       343cm

聞き手：中西美雁
写真：黒羽白
編集補助：横幕祐美

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