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バレーボールマガジン>インタビュー>越川優「次のリーダーに、経験もさせてあげたい、そして自分が支える立場になろうと」  

インタビュー

2017-02-11 16:55 追加

越川優「次のリーダーに、経験もさせてあげたい、そして自分が支える立場になろうと」  

V1リーグ 男子

チームメイトたちと

チームメイトたちと

——(東福岡高校から入社した)金子聖輝選手について、同じ高卒Vリーガーとして可愛がっている?

越川:うちの末っ子ね。一番若いですからね。でも高卒だからといって、特別扱いはしていないです。

——高卒Vリーガーは少ないので、先輩として何かアドバイスはされたりするんでしょうか。

越川:そういう準備はしています。いつでもなんでも、僕はアドバイスできる準備はしてあります。求められれば。あとは彼次第じゃないですか? 最低限のことは言ったりしていますけど。

高校を卒業してからの4年間ってすごく貴重だと思っていて、「高卒だから」という視点で見ると、大学に入っている人と比べたら、早くからレベルの高いものを見れるわけです。だからこそ、大学生と同じような生活を送っていたら、(高卒で入ってくる)意味がない。それなら、大学へ入っていい企業へ入って、バレーやれるだけやって、社業っていう方がいいかもしれない。「なんの為に高卒でJTに入ったか」というのを、もっと考えて行動した方がいいんじゃないかな?と、高卒の先輩としては思います。

でもそれは、僕が直接言うべきことじゃないと思うんですよ。彼が「東京五輪に出たい」って言うけど、じゃあ、残りの3年半で代表になって東京五輪でプレーしたいなら、今JTの3番手(のセッター)にいて叶うのか?という問題がありますよね。「来季はスタメンで」というくらいの強い思いで練習してないと、五輪を目指すというのも現実的じゃない。そこは周りが教えることなのか、自分でやることなのか分からないですけど、でも、五輪に出たいなら、やっていかないと。(セッターとしての)経験値が少ないなら、なおさらですよね。人と同じことやっていてもダメだと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA——石川選手がイタリアへいきましたが、どう見ていますか?

越川:応援してます!! 個人的にすごく応援しています。大ファンです、僕(笑)。結果とかはチェックしていないですけどね。

——セリエAを経験された先輩として、何かアドバイスをしましたか?

越川:前回行く前に、イタリア語をちょっと教えました。教えるといっても行く前だったから、そんなに言っても分かんないですよね。だから、挨拶程度のものです。

でも、学生時代からセリエに行くことは、すごい経験になりますよね。中央大学さんが素晴らしいと思う。あれほどの能力を持っているからかもしれないですけど、ちゃんと出してあげられるところが。世界的にも注目されていますしね。本当に彼にとってはプラスですし、間違いなく日本バレー界にとってもプラスです。

加えて、JVAが海外に出る選手に対して変わってきたなと思います。海外に行く選手に、「勝手に行ってこい」じゃなくて、周りがフォローしたりとか、活躍をファンの人たちにも伝えようとしている姿勢が、変わって来ているなと思います。選手が海外に行くということに、中大やJVAをはじめとする周囲が理解を示していますよね。祐希が行かないとそれはなかったでしょう。大学1年の時に行って、3年になってもう一回行って、やっぱり1回目に行った時と2回目では彼の想いも違うと思いますし、中大としても、JVAとしても違ったと思います。

祐希は、その経験がプラスになっていると思っているから行っているわけです。よく日本人が海外へ行くと“挑戦”っていうじゃないですか。でも行った選手からすると、“挑戦”じゃないんです。勝負しに行っているから。“挑戦”って、日本のニュアンスだと、「下の人間が上のところへ行く」感じじゃないですか。そんなつもりで行ってないですから。向こうで勝負して、自分を売りに行っている訳ですから。

彼の、「海外でプレーしたい」っていう気持ちに対しては、すごく羨ましいですよ。若いからやれることですしね。もちろん僕も、今も行こうと思えば行けるんですよ。でも年齢と経済的なことを考えると、現実的にはないですよね。

祐希が、日本の代表として、日の丸を背負ってエースとしてやっていくためには必要だと感じて挑んでいっているというのは、僕は嬉しいし、応援しています。

リベロで出場したことも、間違いなく彼にとってプラスになっているはず。

 

後編(ビーチバレー転向について)に続く

聞き手:中西美雁
写真:JTサンダーズ提供
編集補助:横幕祐美

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