全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>越境バレーボーラー・梅野聡【後編】日本のバレー界のために僕は頑張るよ

インタビュー

2018-02-02 18:11 追加

越境バレーボーラー・梅野聡【後編】日本のバレー界のために僕は頑張るよ

Others

試合中指示を出す梅野選手

――昨季今村さんにインタビューしたとき、辞めてきたことは自分自身でもぞっとするとおっしゃっていましたが。

今村さんそう言われてましたね、僕それ聞いて、なんでネガティブなんだろうなって思ってましたけど。ま、海外は厳しいとは思います。でもどうですかね、僕レベルでできてるんだから、正直セッターとかは日本の方が技術的に上手いと思うし、リベロはもう数段巧いと思いますね。なので、日本のプレミアリーグのレベルにある人は、スウェーデンリーグで活躍できますね。もう断言できます。活躍できます。他の国は分かんないですけど。僕は4,5年あんまり試合に出るチャンスを勝ち取ることができなかったんですが、今までの空白の時間を取りもどす時間為に、ここで今、すごく有意義な時間を過ごせているなと思います。

――今後はどうしていきたいですか?

一年一年が勝負だなと思っているんで、ステップアップできればステップアップしていきたいし、やっぱりバレーボール選手である以上は、行けるレベルまでは行きたい。常に日々、ステップアップしていきたいと思っているので、その中でいいお話がいただけるのであれば、チャレンジしたい。今すごくポジティブな感情を抱けているので、そういうとこにも突っ込んでいきたいなと、そういう風に思ってます。

――目標はありますか?

目標ですか…まぁ、じゃあ、オリンピックとでも言っておきましょうか(笑)。バレーボールやっている以上は誰しもが目指せる場所だと思うので、辞めちゃったらもう絶対目指せない場所なので、目指していいのであれば目指そうかなと。あと2年ですかね、上手くこうステップアップしていければ、僕も自信がついてくるだろうし、自信がついた中でいろんな人にプレーを見ていただければ、可能性はゼロじゃないと思うんで、僕はそういう風に自分で動いて可能性が開けたので、不可能なことはないと今は感じています。

――今のところ海外でステップアップしていくつもりですか?

もう日本に帰れないです、この状態では。日本の選手は詰まっちゃってるんで。どのチームも詰まっちゃってるんで、日本に帰るのは難しいんじゃないかなと思ってますね。古賀太一郎君にも話を聞いたりして、あいつがああやって一生懸命頑張ってて、ポーランドで成功してるのを見ると、日本人の持っている技術というのは相当高くて評価されているので、僕も一海外で頑張ってる身として、日本人の評価を少しでも上げて、いろんなところで日本人がプレーできるような環境ができれば、いいんじゃないかと思っています。自分のステップアップと、これから続いてくるであろうみんなのために…。

――日本のバレー界のためにもですね。

日本のバレー界のために僕は頑張るよと(笑)。でも一番は僕の為なんで。でも僕は悩んだ5年間があるから今があると思っていて、それがなかったら僕は海外に出てきてないし、いろんな違った経験もできてないんです。僕は5年間も後悔はしてなくて、やることは一応やってきたんで、東レにはものすごく感謝してます。篠田さんは凄く良くしてくれて、東レが苦しい時期チームが上手く回らなくて、篠田さんが梅野を使いましょうと押してくれて、そういう風に期待してくれてる人がいたんで、僕5年間頑張れたんですけど…。でもその期待に応えられない自分がものすごく嫌になって。なのでいろいろ葛藤があって、それがあるから今があると。東レも今、(リーグで)いい位置にいるんで、Win-Winなんじゃないですかね?(笑)。冗談です。

――最後に伝えたいことがあればお願いします。

今まで苦労しましたけど、自分が動いた結果によっていい方向に僕はいったんで、もしそういう風に躊躇してたり、どうしようかなって思ってる人がいたら、ぜひ僕の記事を読んでください!と(笑)。一歩踏み出すことで人生が変わりますよ。ま、そういって僕は日本を逃げ出した身なんで(笑)。言い方によっては何言われるか分からないですけど、でも他人がいってることなんで、気にしないです、僕は。そういうのも気にしなくなったんですよ!もう昔は人が言っていることが凄く嫌だったんですけど、こっちきたら全然気にならなくなましたね。まず怒られても英語なんでわかんないんですよ。ずっとネガティブな人間なんだろうなって思ってたんですけど、ホントに衝撃的なくらい変わりました。最後になんですが、僕が今この環境に身を置けているのは、家族、恩師、チーム関係者、移籍に携わってくださった方々によってのものなので、恩返しできるように頑張ります。

 

取材後記

生き生きと饒舌にインタビューに答えて下さった梅野選手。この日は上位チームに3-0とストレートで勝利。自らもサービスエースを記録しMVPに選ばれました。試合後、コート上でのインタビューの途中には、チームメイトやスタッフからも頻繁に声を掛けられ慕われている様子も確認。インタビューでお話された人との関り方をここでもしっかり目にすることができました。

自らの一歩でキャリアを切り開き、予想もしていなかった道を歩き始めた梅野選手、それは同時に物事の固定観念を覆し思考をも変え、これまでの生活、性格にも多大な影響を与えていました。言葉の端々に溢れるエネルギーと説得力、苦楽を経験した梅野選手にしか語れない言葉がここにありました。

 

聞き手:宮崎治美

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック