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インタビュー

2018-02-15 08:00 追加

新主将に聞く・浅野博亮(後編)リベロ選出も試合出れず 苦しかった全日本

V1リーグ 男子

——今シーズン、上位陣について、パナが頭一つ抜けていて、豊田合成、東レ、サントリー、JTの4チームとの争いという風に見えますが、どう見られていますか。

浅野:東レはこの力がものすごいあります。勝ちたいとは思っていますが。サントリーには(2ndレグの時点では)負けていないので、JTに関してはエドガー選手がいる中で勝てたのには自信にはなりました。

 

——豊田合成はどうですか。イゴール(・オムルチェン)選手がいない中で、あそこまでやるのかと衝撃を受けたのですが。

浅野:豊田合成は相性が悪いんですよね(苦笑)

 

——バレーにおける相性というのはどういうところなのでしょうか。精神的なものなのか、この選手のサーブが苦手なのかとか。

浅野:わかんないですね。ただ何か(豊田合成が)勝つというのはあるんですよね。

 

——でも昨シーズンは何度か勝っていますよね。

浅野:はい。ファイナル6で1回勝って、ファイナル3で1回勝って、1回負けました。

 

——相性の悪さを感じるのは今シーズンからなのか、以前からなのでしょうか。

浅野:以前からですね。もう最初からですね。豊田合成さんには練習試合では勝てるのに試合では勝てないというのがある。難しいですね。

 

——昨シーズンと同様ファイナル3進出に向けて、おそらく、パナは頭一つ抜けていますが、それ以下、豊田合成含めて勝っていかないといけません。

浅野:そうですね。まずはファイナル6にいったら、順位差はありますが今みたいな大幅なポイント差はリセットされるので、まずはファイナル6に入ることを考えてやって、入ったら昨シーズンのファイナル6での戦い方を思い出してやっていきたい。

 

——ご自身としてはスパイクの決定率を上げたい。

浅野:そうですね。ディグとレセプションに関しては自信を持っていけてるんですが、スパイクに関しては、決定率を上げたいというわけではないんですが、リバウンドとかを。ちょっとシャットされるのが多いし、相手にAパスで攻撃のできるところに上げられることが多いので、決定率以上に効果率を上げたい。そうすれば自分が守りに徹して打ち屋の2人に攻撃を任せていきたいというのはあります。

 

——ちなみに、聞いてみたかったのですが、会社ではどんな仕事をされているのですか。

浅野:3年前かな?(ジェイテクトの)刈谷工場から名古屋本社の人事部採用グループに異動して、学生相手に説明会をしています。まだ1回だけですが。

 

——Vプレミアのチームで、現役選手がそこまでガッツリ仕事しているところってなかなかないのかな、と思ったりもしていたので、聞いてみたかったんです。

浅野:自分もバリバリで、今採用向けのパンフレットとか資料を作ったりしています。業者の人とレイアウトとか打ち合わせしたりしています。若手選手はまだなかなか仕事の量は増えないですけど、自分の1個下、本間(隆太)とかからはバリバリやっていますよ。朝残業している人もいますよ。

 

——そうなんですね。謎が解けました(笑)。ありがとうございます。

 

初めて浅野を取材して3年が経過するが、自身でも語った様に、自由奔放なプレーが魅力の一つと感じていた。しかし、今シーズンはキャプテンとして責任を担い、顔の表情がどこか厳しく感じた。特に、天皇杯準決勝の豊田合成に敗戦し、年明けから連敗が続いた3レグでの試合では、チームが空中分解するんじゃないかという雰囲気の中、どうまとめていくのか悩んでいるのかが見ていて伝わった。1月13日のFC東京に負けた後は、会見で思わず「雰囲気があまり良くない」とも漏らしていた。練習中に一悶着もあった。しかし、そこで浅野はキャプテンとして「話し合いをしていくつもりです」と語り、実際話し合いが行われたそうだ。そして、翌週1月20日、21日の試合でファイナル6入りを争うサントリー、東レを相手に見事に2連勝し、一気にファイナル6入りを決めた。浅野自身も20日の試合では、変幻自在のスパイク技術を見せて得点を多く決め、高いスパイク決定率を残していた。

ファイナル6が始まり、パナソニックと豊田合成に連敗し、ファイナル3入りへ非常に厳しい状況だが、キャプテンとして苦悩しながらもまとめている浅野が、チームをさらに前に進めてくれるはずだ。

 

浅野博亮(あさの・ひろあき)

1990年10月6日、長野県安曇野市出身。身長178cm。最高到達点335cm。ウィングスパイカー。長野日本大学高校、愛知大学と進み、2012年よりジェイテクトSTINGSに所属。高校2年時に国体準優勝、春高ベスト16。大学3年時に西日本インカレ優勝。2017・18年シーズンより、キャプテンに就任。全日本は2015年から選出。

 

文責:大塚淳史

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