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バレーボールマガジン>インタビュー>ファイナル3のキーマン山本将平(後編)初代表で世界と戦って得た自信「高いと思ってた壁は思ったより高くなかった」DAZN裏話

インタビュー

2018-03-03 11:00 追加

ファイナル3のキーマン山本将平(後編)初代表で世界と戦って得た自信「高いと思ってた壁は思ったより高くなかった」DAZN裏話

V1リーグ 男子

JTはレギュラーラウンド4位でファイナル6に進出。ファイナル6では苦しい戦いが続き、最終戦2月25日のジェイテクト戦では、ポイント数の関係で3−0か3−1の勝利でしかファイナル3へ勝ち上がれない状況という中、30-28、28-26、18-25、36-34と大接戦を演じ勝利し、東レを抜いてファイナル3へ滑り込んだ。山本は攻守の要としてチームを引っ張っていた。

また、3レグ以降に加わった内定選手の武智が、レセプションの良さを買われて山本の対角に入り、それまで2枚だったレセプションが、武智を含めた3枚に増やしたことで山本の負担が減少。「スパイクにより集中できるようになった」(山本)ことで決定率が上がっていった。一方で、彼の最大の魅力ともいえるストロングジャンプサーブは封印気味だ。2レグ以降は徐々に感覚を取り戻してきたのか、高確率で決まりだしていたが、その後はまた不安定に。今はベンチの指示もあり、ジャンプサーブではあるが位置を狙った緩めの戦略的なサーブが中心だ。

もう一つ山本のプレーで気になったのが、今シーズン、コート上での表情が常に険しかった。リーグが進めば進むほど、何か自分一人で背負い込んだ印象が強まっていた。インタビュー直後(11月23日)のリーグ戦で、ヴコヴィッチ監督に、山本に越川の後釜という期待があるかもしれないが、不調が続くなら2番に戻さないのかと聞いてみると、「彼には期待しているし、ポテンシャルのある選手。彼は成長したいという気持ちが強く出ている。ただ、そこで気持ちが先走ってしまうのが彼の課題です」と信頼をよせていた。

厳しい表情を見せることが多かった山本も、逆転でのファイナル3を決めた試合後には、憑き物がとれたような表情に。気負いすぎだったのでは無いかと尋ねると、「自分が決めなくてもトム(エドガー)が決めてくれるので気負いはない。こういう苦しい試合を勝てたというのは、ファイナル3以降でもこういった局面はあると思うので、そういった意味でいきる」と前向きだった。

ファイナル3の相手は豊田合成。イゴールの剛打を中心にしてくる相手に、エドガーにトスを集めるJTと割と似たチーム同士の戦いだ。しかし、現状では豊田合成が上といっていいだろう。特にサーブ力の差は大きい。そこでやはり山本のサーブ力は、難敵を打ち破る上で欠かせないはず。果たして、黒鷲旗やグラチャンで見せた、高確率で決まるあのストロングサーブが戻ってくるのか。もし少しでも戻ってくれれば、JTのファイナル進出も見えてくる。

 

プロフィール

山本将平(やまもと・しょうへい)

1991年3月21日、東京都出身。187cm、75kg。ポジションはウィングスパイカー。安田学園中学、安田学園高校、日本体育大学でバレー部。卒業後にFC東京入り。2016年にJTサンダーズ入りも、移籍同意書が得られず16・17年シーズンのVプレミアリーグは出場できなかった。リーグ終了後の17年5月の黒鷲旗で大活躍し、チームの優勝に貢献し、自身もベスト6賞を受賞。活躍が認められ、8月に急遽、初の全日本入りを果たした。姉の山本友里恵さんも元バレーボール選手。

 

聞き手:大塚淳史
写真:FIVB、DAZN、黒羽白

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