2018-09-04 19:04 追加
「メンタルを強くするには」ブラジル研修で見つけたもの 堺・坂梨朋彦コーチインタビュー
V1リーグ 男子
■思ったことはその場で言う、後に引かない大切さ
――日本で様々な競技で監督と選手の問題が取りざたされています。どう思われますか。
坂梨 悲しいですよね。だって同じチームメイトだし。何の競技でも監督もコーチも誰だって勝つためにやっている。選手も目的は同じ。それなのにお互いで傷つけあってしまう、悲しいですね。
――それはコミュニケーション不足から生じるのですか。
坂梨 それはあると思います。小さいころから監督、先生が絶対で、ハイハイハイと聞いてしまう。それを引きずって社会人になっても自分の意見が言えない。日本人はシャイですよね。でもそれは周りじゃなくて自分の中の問題。勇気をもって一歩踏み出せば、みんな助けてくれる。言った後に、ああやっぱり言って良かったって思うことがあります。
――言うにしても、こんなこと言っていいのかな、後でなんて思われるかなというためらいもありますね。その点ブラジルは何を言っても後腐れがないというか、その場で終わりですね。
坂梨 言いたいことやイエスノーをはっきり言わないっていう方がイライラするっていうか、どっちなんだよっていう感じです。プレーが上手い下手ではなく、選手自身がどこまで自分を高めるかの問題。日本でもコートの上では、こう言ったら何て思われるかな、っていうのは失くしたいです。シンクロの井村さんが「現行犯じゃなきゃだめ」と言っていましたが、その場で言う、後で持ちだすなら言わない方がまし。ダイレクトに伝える。そこでお互いに話すのが大事ですね。
――3カ月の滞在もあと残り1週間ですが、何かやりたいことはありますか。
坂梨 「お前はもう家族だよ」ってみんなに言ってもらえて、人のつながりが増えました。今思うことは、体育館でバレーボールをすることだけが研修ではないということ。ブラジル研修に来た本当の意味は、多くの人と信頼関係を築くことだったのかもしれません。その思いに答えるというか、やっぱり傍らで見ているだけじゃなくて、選手にボールを打って直に反応を感じたいです。このボールは取れた、次はどうだって。堺でも暑い中みんな頑張っていると思うので、こちらも最後までくらいついていきたいです。
(8月24日インタビュー)
取材:ブラジル在住 唐木田 真里子
写真:坂梨コーチ提供・唐木田真里子
同じカテゴリの最近の記事
- ブラジルのスーパーリーグ、松井珠己のマリンガ、上位8位のプレーオフ進出ならず [Others,全日本代表 女子] / 2024.03.26
- 韓国Vリーグ「安山OK金融グループ・ウッメン」を率いる荻野正二監督「選手たちは伸びしろがあり、性格も素直。成長の手応えを感じて、毎日が充実しています」 [Others] / 2024.03.21
- NEC・中川つかさ「エネルギーを与えるということが私の仕事だったので、そこをしっかり後押ししようと思ってコートに立った」インタビュー [V1リーグ 女子] / 2024.03.10
- 埼玉上尾・岩澤実育「昨シーズンより良い結果を出せ、そこにしっかり自分で貢献できたというのが凄い嬉しい」 インタビュー [V1リーグ 女子] / 2024.03.10
- トヨタ車体・藪田美穂子「一緒に戦ってくれていた仲間の成長を見られ負けて悔しい気持ちもあるが誇らしい気持ちもある」インタビュー [V1リーグ 女子] / 2024.03.09
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.