奇しくも昨季と同じカードとなった決勝戦、Sir Safety Conad Perugia (ペルージャ)対LUBE Civitanova(LUBE)。

ペルージャから11本のブロックを奪ったLUBE

第1第2セットはソコロフ、ユアントレーナの攻撃が止まらず、2～3点の差を保ちながら終始LUBE優勢で試合を展開。ペルージャの攻撃を簡単に決めさせず、このまま勝負がつくかに思えました。

しかし、運命が動いたのは第3セット。後がなくなったペルージャは序盤からサービスエースを量産します。ポドラスチャニン、アタナシエビッチ、ランザ、デセッコと次々にサーブで得点を挙げ、LUBEは守備固めでレアルからコバルに交代。ペルージャのリッチによるダイレクトスパイクミスに関し、一時コート間で揉めアタナシエビッチにイエローカードが出されますが、直後その問題のもとになったリッチに、デセッコは立て続けにクイックを託し連続得点、17-10と引き離すことに成功。

が、そこで留まることのないLUBE、反撃に出ます。レオンのブロックタッチに判定に対し、怒りをあらわにするブルーノにもイエローカードが出されると、直後、その怒りを爆発させるかのように自身のサーブでエース。さらにシモンのサーブや、ソコロフ、再びコートに戻ったレアルの攻撃で24-24と同点に持ち込みデュースに突入させます。

2セットを奪われこのセットを獲らなければ試合終了となるペルージャは、背水の陣からそこでついにドラマを展開。レギュラーラウンドで圧倒的なサービスエース数をマークするレオン、ここまでサーブミスが続いていましたが、このタイミングで本来のサーブ力を発揮。第3セット最後はレオンのサービスエースでセットカウント1-2とし、ペルージャは敗退の危機を逃れました。

絶えず声援を送り続けたペルージャサポーター

第4セット序盤は、変わらず高い決定力を保つユアントレーナ、ソコロフの攻撃で、2点差から徐々に差を広げながらLUBE優勢で進んでいきます。ポドラスチャニンのサーブで一時は点差を縮めたペルージャですが、ソコロフ、レアルのサービスエースで再び点差が開き劣勢に。16-19と3点差を追いかけるペルージャに再び転機をもたらしたのは、第3セット同様レオンのサーブでした。強打で崩し攻撃が決まり連続得点で逆転。22-19と引き離し、ペルージャ優勢に流れを変えました。

しかしそれでも簡単に流れを渡さないLUBE。ここでもブルーノのサーブからの攻撃が効き23-23と再び同点に戻します。連続得点を許したブルーノのサーブをなんとかランザで切りセットポイントを迎えたペルージャは、効果率の高いデセッコのサーブで崩し、アタナシエビッチの攻撃へ。この日アタック決定率の振るわないアタナシエビッチもここはデュースに持ち込ませることなく25-23で切り、セットカウント2-2で第5セットへ繋ぎました。

第5セット、一進一退の攻防が続き、点差は広がることなく12-12と終盤へ持ち込まれます。レオンのパイプ攻撃で13-12、さらにユアントレーナのスパイクをランザがブロックし14-12と引き離すペルージャ。LUBEはソコロフのスパイクで14-13と一点を取り返しますが、マッチポイントを迎えたペルージャに、LUBEはサーブミスの少ない第2セッターのデフルストをピンチサーバーで投入。サーブはランザのレセプションからセッターのデセッコへきれいに返り、レオンのスパイクとなってLUBEコートへ。これがマッチポイントとなりペルージャの勝利が決定しました。

優勝を喜ぶペルージャの選手たち

2セットを奪われたところから逆転勝利を収めたペルージャは、昨年に続きコッパイタリア2連覇を達成。昨シーズンのザイツェフのポジションにレオンが替わり、劣勢からペルージャを力強く優勝へ導きました。ロシアリーグのスーパースターは、イタリアリーグ移籍1年目で期待通りの活躍を示しMVPを獲得。一方、昨年のコッパイタリア、リーグと2位に留まるLUBEは、ブラジルリーグで異彩を放っていたレアルやかつてデセッコとともにピアチェンツァをコッパイタリア優勝に導いたシモンを獲得するも、奪還できない結果となりました。

世界各国のトップ選手が揃うセリエA1、大会が変われば流れも変わり、また別のドラマが生まれます。次は5月のリーグ制覇、最後に笑うのはどのチームか…。上位4チームだけでなく、流れに乗れば上位をも食う勢いがあるセリエ各チーム。総得点ランキング11位、アタック決定率12位、サービスエースランキング19位(2月11日現在)に位置しているシエナの石川選手も、このセリエA1で活躍。世界のトップの中で戦い続けています。

文：宮崎治美
写真：セリエA公式提供

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