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インタビュー

2020-06-10 08:29 追加

ジェイテクト初V支えたイタリア人コーチが見た日本バレー「細部にこだわるところが良い」

V1リーグ 男子

大学から指導者としてスタート

――あなたの、これまでのバレーボール歴を教えてください。

フェデリココーチ:5歳のときにバレーボールを始めました。子供向けのバレーボールであるミニバレーから始めました。父はバレーボールのコーチですので、いつもこの美しい世界で練習し、生活してきました。 20歳から21歳まで、ウィングスパイカーとセッターとしてさまざまなユースリーグ、地域リーグ、全国リーグでプレーしてきました。同時に、ローマの大学で勉強しつつ、ユースチームを指導していました。U-19、U-17のイタリア男子代表チームの仕事をオファーされた時、コーチとして完全に専念するため、選手としてのキャリアを諦めました。世界選手権や、ヨーロッパ選手権のおかげで、いろんな国に行くことができました。その後、スペインの女子1部のチーム(UCAM Voley Murcia)で働きました。イタリアに戻り、才能のあるイタリア人選手をまとめるチームであるクラブ・イタリア(Club Italia Roma)で仕事を始めました。それからデンマーク男子の1部リーグのチーム(Middelfart VK)で指導し2位でリーグを終え、日本に来ました。

――バレーの指導者として、どこで学びましたか?

フェデリココーチ:この数年間、多くのイタリア人や外国人コーチからたくさんのことを学びました。そして、日本でも同僚や選手と常に意見交換をしながら多くのことを学び続けています。意見交換は非常に重要なことです。大学ではスポーツ科学を学びました。大学がトレーニング拠点を持っていて、イタリア代表ユースチームで、国内外での経験を持つコーチたちと共に働くことができました。

――今後、将来、どういったバレーボールにおいてキャリアプランを描いてますか?

フェデリココーチ:日本にできるだけ長く滞在したいです。本当にこの国が好きです。

欧州にはなぜ優れた指導者が出てくる?

――2018・2019年シーズンまで、FC東京に同じイタリア出身のロディ・アレッサンドロ氏が、監督やコーチをしていました。個人的な感想ですが、ロディ氏が監督になり、FC東京が良い意味で変化をしていくのに当時驚きました。共通点があるかわかりませんが、イタリア人のバレーボール指導者が、指導する際に心がけている事はありますか?

フェデリココーチ:彼(ロディ)は素晴らしい仕事をしたと思います。イタリア人またはあらゆる国籍のコーチは、チームを上手く機能させ、あらゆる面でチームを改善させることを考えています。指導をする上で細かい技術や戦術を伝えるだけではなく、情熱、犠牲、謙虚さを心に留めておくべきキーワードだと思います。

――2018年のイタリアとブルガリアでの世界選手権、2019年のフランスでの欧州選手権をそれぞれ少しだけ現地で取材しました。現地で取材して驚いたのが、イタリア、ポーランド、ロシア、フランス、セルビアといった世界大会常連国だけでなく、それ以外の国にも質の高いチームを多く見ました。ウクライナ、ギリシャ、スロベニア、ベルギー、エストニアなどはオリンピックに出られなくても、日本と競るのではないかと思わされました。そういったチームを作り上げている監督たちの能力の高さが一番新鮮でした。欧州において、多くのハイレベルな指導者がいるのはなぜでしょうか?何か具体的なシステムがあるのでしょうか、偶然なだけなのでしょうか?

フェデリココーチ:ヨーロッパには世界で最高のバレーボールリーグが集まっていますし、世界最高のコーチが、世界最高のチームに集まります。とはいえ、南米、アメリカ、ロシアなどにも素晴らしいコーチがいます。良い指導者が集まるのは、レベルが高いリーグがヨーロッパに集中しているからだと思います。

――多くの質問に答えてくれてありがとうございました。今後の活躍を期待しています。

フェデリココーチ:ありがとうございます!

プロフィール
フェデリコ・ファジャーニ(FEDERICO FAGIANI)
1991年8月19日、イタリア出身。5歳からバレーボールを始める。指導者として、ローマで大学に通いながら指導者としてのキャリアをスタートさせる。イタリア男子ユース代表、スペイン、デンマーク、イタリアのクラブチームでコーチを経験し、2018年よりジェイテクトSTINGSでコーチとして指導する。

取材・文・写真:大塚淳史

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