全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>コラム>リオ五輪金の実力はこんなものではないはず! 久々日本でプレーのフェリペは復活途上

コラム

2020-12-22 11:48 追加

リオ五輪金の実力はこんなものではないはず! 久々日本でプレーのフェリペは復活途上

V1リーグ 男子

期待ほどではないリーグ前半戦のプレー

12月5日の試合でスパイクを打つフェリペ

 

そして、リーグ前半戦が終わったフェリペのプレーについてだが、正直なところ、期待していたほどではない。241打数で決定率が43.2%とフェリペの持っている実力からしたら低い。

12月4、5日にジェイテクトのホームである愛知県刈谷市でウルフドッグス名古屋との試合を取材したが、名古屋に徹底的にサーブで狙われ、サーブレシーブが乱れることも多く、サーブレシーブでは一度、コート上にあるモニターにぶつけてしまったり(そもそも低い位置に吊り下げられていたが…)。また、フェリペの持ち味であるスパイクも名古屋のブロックに捕まることが多かった。

理由ははっきりしている。明らかにフィットネスが万全でない。新型コロナウイルスの影響でチームの合流が遅れ、リーグ戦には10月23日、24日のVC長野戦からの参戦となった。年齢の影響も考えたが、前年度のプレーの動画を見る限り、十分跳べているし、キレがあった。やはりコロナの影響で十分なトレーニングが積めていなかったのだろう。

12月5日の試合で、強烈なジャンプサーブを打つフェリペ。サービスエースも取っていた

 

12月5日の試合後会見で、フェリペに自身の状態やプレーについて質問した。

「昨日(12月4日)の試合から狙われているのはわかっていて、イージーなサーブ、緩いサーブ(ジャンプフローターサーブ)にも苦戦してしまい、本間に助けを求めた。相手のサーブの意図は、私を疲れさせる意図があったと思う。ただ、藤中や本間が助けてくれた。フィジカルな面では良いトレーニングをしているし、監督は練習の調整がうまいので問題無い」
(※会見では流ちょうなイタリア語で答えていた)

フェリペ得意のパイプも、まだセッター小林光輝や久保山尚と合いきっていないからか、ここまで、バックアタックの決定率は35.3%だ。セッターとのコンビについても聞いてみた。

「特に大きな問題ではないけども、セッターとのコンビがまだ取れていないのはある。これはどうしても練習ではなく、試合で詰めていくこと。セッターとのコンビを合わせるには時間はかかる。コロナで、チーム合流に遅れてしまい、トスを合わせる時間がなかったのはある。ただ、1カ月前に比べたら良くなってきていると思う。終盤に向けてもっと良くなるだろう」

サーブで狙われていたフェリペは、本間(写真左)や藤中に助けてもらった

 

一方、前日12月4日の試合後会見で、小林が出席したので、フェリペへのトスについて聞いてみた。

「(フェリペの)トスに対する要求は、とりあえず速いですし、どんな時もアグレッシブに入ってきてくれる。要求というよりは、毎回(助走して攻撃に)入ってきてくれるので、僕もどんどん使っています。(トスの高さや速さは?)速さは本当に速い(トスを求める)。僕がクイック(と見せかけて相手ブロッカーを)引っかけて、(トスの際に)溜めてしまうと、(既に動き出しているフェリペが空中で)ぶら下がったりするので、先に置く(手放す)というか、出す感じです。あまり持たないようにします。向こうからも僕からもコミュニケーションするようにしています」

やはり、フェリペの求めるトスにはある程度時間が必要そうだ。

ただ、優勝した天皇杯でも試合を重ねて、試合ごとにフェリペのプレーの質は上がっているようには見える。

天皇杯に続き、リーグでもジェイテクトが優勝候補の一角であるが、フェリペが本来持っている実力を発揮できるようになれば、今シーズン2冠となる可能性も上がっていくのは間違いない。

(取材、写真:大塚淳史)

>> コラムのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック