2015-04-10 12:11 追加
プレミア女子ファイナルレポート NECvs久光
V1リーグ 女子
NECの戦いぶりで印象に残ったのはサーブ戦術でした。
1)基本的には石井選手を狙った。(45/85)(石井選手への本数/全体の本数)
2)ローテーション毎にサーブ戦術を決めており、かつ一試合貫き通していた。
1例として久光製薬がS6(セッターが後衛センターにいるローテーション)でのサーブの狙い目を図1に示します。
このローテーションでは前衛センターの長岡選手がライトへ開くためコートの右寄りにおり、かつレセプション(サーブレシーブ)を行いません。このため石井選手がカバーする範囲が広くなります。NECはこのローテーションでは図に示すネット際のセンター付近を狙い、石井選手を前におびき出しAパスを返されても助走に開けなくさせ、攻撃を岩坂選手、長岡選手の2人に減らすようにしていました。これによりブロッカーの選択肢が少なくなりブロックにつける可能性が高くなります。
従来から言われているブロックとフロアディフェンスの関係によるトータルディフェンスに加え、サーブにより相手の攻撃を誘導しブロックをつける可能性を高くする意味では一歩進んだトータルディフェンスと言えます。この戦術はファイナル6で上尾メディックスも行っていました。しかしながらこの狙いの成功率が高かったかは別の話で、長岡選手の攻撃力が上回ったケースが多く見られました。1試合を通して相手にプレッシャーをかけ続けた結果、ジワジワ効果がでてきたといったところでしょうか。
久光製薬は上述したとおりS1から開始するローテーション、いつもの先発メンバーなどファイナルだからといって特別なことはせず普段着の戦いをしていたと思います。ただ歯車がかみ合わず力を出し切れていない印象でした。一点目はつなぎのプレーで記録に残らないミスが多かったことです。ボールの追いかけ方のコースが悪く拾えなかった、リバウンドをワンハンドで弾いてしまいフォローした選手が予測しなかったところにボールが行き拾えなかったなどです。このプレーが中終盤の競り合ったところで出ていました。流れをつかむという意味では痛かったと思います。またセッター古藤選手のセットがレフト側で伸びず、特に石井選手が伸び伸びとスパイクを打てなかった印象です。NECが石井選手を押さえ込めたのは石井選手自身が力を発揮できていなかった面もあるかもしれません。
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