2015-10-28 08:02 追加
世界のバレー会場から 欧州五輪予選事情
海外バレーエッセイ。今回は欧州選手権の結果と五輪出場権について
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超満員の国立代々木第一体育館の観客が見守る中、2016年リオ・デ・ジャネイロ五輪の出場権を一番乗りで獲得したアメリカ、イタリア。残念なからワールドカップにおいて日本は2位までに届かず、五輪出場権は5月に行われるアジア予選兼世界最終予選に持ち越されることになりました。しかし、世界各地域ではワールドカップ直後からすぐに、次の挑戦へ。五輪行きの切符をかけ休む間もなく戦いがもう、始まっていました。
10月9日~11日、W杯終了2週間後にはベネズエラで五輪南米予選が行われ、首位に与えられる出場権をFIVB世界ランキング6位のアルゼンチンが順当に獲得。同じ頃10月5日~10日、メキシコでは北中米選手権が開催。ここでは出場権獲得の前段階、五輪北中米予選進出を巡って戦いが繰り広げられ、1位のカナダを筆頭に、キューバ、プエルトリコ、メキシコが予選出場権を獲得し、1月の大会に向け駒が揃ったところです。
一方、激戦区であるヨーロッパでは10月9日から欧州選手権が開催され、先週末18日に幕を閉じたばかり。年明け開催の五輪欧州予選で出場権獲得1枠を何としてもものにしたいと切望する各国にとって、前哨戦となるこの大会は力試しに最適。そんなヨーロッパの各チーム、近年は勢力図に変化が見られ安易に順位の想像ができなくなりましたが、ここへきてまたも予想外の結果が生まれたのです。
2014世界選手権以降低迷中のロシアはW杯終了後、24歳のセッター、コバレフを招集し、ミハイロフ(OP)、ムセルスキー(MB)を本来のポジションに戻して再調整。しかし予選プールDでは順調にセルビアを破って1位で通過したものの、準々決勝ではチームとして更に精度を高めたイタリアに完敗。修正及ばずここで敗退しました。
そのイタリアはW杯後コンビの精度を上げ、レセプションに関しても、後衛に回ったウイングスパイカーに替えリベロのロッシーニをレシーバーで投入するなど、守備固めを徹底。ザイツェフ(OP)、ユアントレーナ(WS)のスパイクも冴え順調に準決勝へと駒を進めます。しかし、そんなイタリアを待っていたのは、思いがけない勝ち上がりを見せたスロベニアでした。
世界ランク39位のスロベニアは予選プールで格上のポーランド、ベルギーにそれぞれ3-1で敗れ3位通過でプレーオフへ。そこでオランダをストレートで破ると準々決勝では再び、ポーランドと対戦。修正を加えたスロベニアはここでフルセットの末、見事準決勝進出を成し遂げます。準決勝ではイタリアを相手に3-1で勝利を挙げ、この勝ち上がりが決して運だけではなく実力の伴ったものだということを証明したのでした。
スロベニアは今季イタリア人監督ジャーニを招き、チームを始動。ヨーロッパ各国リーグで活躍する実力ある選手が揃うスロベニア、中でもガスパリーニ(OP)は昨シーズン(12014/15季)ジャーニ監督と共にイタリア・ベローナでプレーし、サーブランキングでは堂々の1位。同じくウルナウト(WS:昨ラティーナ、今トレント)はサーブランキング2位、得点ランキングでも4位をマークし、5位にはチェブリ(WS:昨ラベンナ、今ルーベ)もランクイン。スロベニアの選手の実力は強豪国チームの選手に引けを取らない、むしろそれ以上の力があることがこのように記録に残っています。
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