全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>コラム>リオ五輪こぼれ話  旗手やベルナルド監督の去就など

コラム

2016-08-23 09:12 追加

リオ五輪こぼれ話  旗手やベルナルド監督の去就など

リオ五輪コート外でのエピソード

Others

 

ブラジル男子が3度目の金メダルを獲得したリオ五輪、コート外の話題をいくつか紹介したい。

 

■旗手は誰に

1.シドニー五輪のビーチバレー、サンドラ・リバス以来のバレー界からの旗手ならず/FIVB

1. シドニー五輪のビーチバレー、サンドラ・リバス以来のバレー界からの旗手ならず/FIVB

ジカ熱や治安の不安など前評判が異常なほど悪かったリオ五輪。しかし開会式が始まると、派手さはないがブラジルらしく自然や音楽のリズムにあふれ、思いのほか好評だったようだ。

開会式で注目されるのは各国の旗手。ブラジルでは過去にメダルをとって開会式に出席する選手の中から国民投票で選ぶという形がとられた。最終選考に残ったのは、男子バレーボールのアテネ五輪金メダリストのリベロ、セルジオ・サントス、ヨットで5大会連続メダル獲得のロベルト・シェイジ、そしてロンドン五輪で銅メダルを獲得した近代五種のヤナ・マルケスに絞られた。シェイジは北京五輪で既に旗手を務めており、マルケスは近代五種がマイナーすぎると言われ、国民的人気競技のバレーボールのセルジオが圧倒的有利とみられていた。しかし、結果はマルケスが総投票数の49%、セルジオ41%、シェイジ10%で、2度目の女性旗手ヤナ・マルケスが決定した。開会式で笑顔で旗を大きく振る姿がかわいかったと称賛をうけた。

2.首都ブラジリアで聖火リレーは始まった。広報写真Rio2016/Celio Messias

2. 首都ブラジリアで聖火リレーは始まった。広報写真Rio2016/Celio Messias

惜しくもバレーボールから旗手はならなかったが、ギリシャで聖火点火式後の一番走者はバルセロナ、アテネ五輪金メダルのガビオ・ジオバンニ、聖火がブラジルに到着してからの一番走者は五輪2連覇のファビアーナ・クラウジノが選ばれた。

 

■なんでキャップがないの

3.いくつかの競技でうるさすぎると他国から苦情も出るブラジル応援団。選手にとっては最高に幸せ。広報写真FIVB

3. いくつかの競技でうるさすぎると他国から苦情も出るブラジル応援団。選手にとっては最高に幸せ。広報写真FIVB

リオ五輪では競技場に飲み物の持ち込みが一切禁止で、館内の売店で買うしかないわけだが、ペットボトルの飲み物を買うと、「セキュリティー上の理由によりキャップは取ってお渡しします」と言われる。試合中、ずっと手に持って観戦しなくてはいけないし、不衛生、そもそも何がセキュリティー上の問題なの? ということになる。

ブラジルではサッカーの試合終了後に観客から選手に物が投げられることが多く、それを懸念し、すべての競技で選手の安全を考えてということだそうだ。キャップの閉まったペットボトルはふたなしよりも飛距離が出て、ぶつかった際の衝撃も大きいということで、ふたを取れば投げても中身がこぼれて飛距離がでないからという説明だ。サッカーのみならず各競技で熱い応援を繰り広げるブラジルのお国柄ゆえということだろうか。

 

■ベルナルド監督の去就は

4.監督に対して対等に言い合えること。これもチーム・ベルナルドに必要な要素だ。広報写真FIVB

4. 監督に対して対等に言い合えること。これもチーム・ベルナルドに必要な要素だ。広報写真FIVB

7月半ばに、「日本男子が東京五輪に向けベルナルド・レゼンデ監督にオファー」という見出しが躍った。監督は「今はリオ五輪に集中したい」とコメントをさけている。ベルナルド監督に海外からオファーがくるのはいつものことだ。例えば、北京五輪前には中国男子から声がかかった。「内容をプロとして慎重に検討した結果」として断わっているが、当時はまだブラジル代表を率いたいという気持ちと、遠方なので家族と過ごす時間をこれ以上削られるのは自分にとっても家族にとってもいいものではないからというのが、大きな理由だったようだ。

既にブラジル男子を率いて16年。その前に女子の監督を1994年から6年勤めている。リオ五輪後の去就については何も言及していないが、国内ではそろそろ男子監督を交代する時期では? という声も多い。ここ数年、金メダルに届かないからというより、監督としての手腕やひらめきに限界がきていると指摘されている。

そして、海外で監督をする場合、何よりも難しいのが「チーム・ベルナルド」の維持である。監督はじめコーチ、トレーナー、ドクター、アナリストなどほぼ同じメンバーでブラジル代表とクラブチームを戦っている。監督一人の力だけでなく、他の支えとなるメンバーが強くなるために何をどうするべきという監督の考えを完全に理解しているからこそできることである。ポルトガル語、スペイン語、イタリア語、英語に堪能なベルナルド監督であっても、日本で通訳を介してスタッフや選手とやっていくのは、自身の力を100%発揮できないのではないか。

唐木田真里子:サンパウロ在住のフリージャーナリスト

 

>> コラムのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック