2017-04-08 14:52 追加
木村沙織囲み全文「『今日の相手は強いから難しいね』といわれるほど、絶対奇跡を起こそうと強く常に思った」
引退報告会
SV女子 / 全日本代表 女子
日本を長らく支えてきたエース、木村沙織の引退報告会。記者会見のあとの囲み全文の後編である。「悔しい気持ちが薄れてきた」わけや、サーブレシーブについての葛藤、滋賀でのお気に入りの場所、ファンへの言葉など。
――報道陣に配っていただいた、あれはお水ですか? 嬉しい心遣いでした。
木村 この報告会をやるのが滋賀で、大体みんな東京から来られるじゃないですか。ホテルとかでやるのが普通なのかなと思うんですけど、東レの方も使っていいよっていってもらえて。やっぱり遠くからきていただくので。
あとは引退すると言っておいて、なかなか取材も受けられなかったので、できるだけなにかおもてなしをしたくて、ああいう形でさせていただきました。
――先ほど「今は緊張してます」と仰っていましたが、試合とも全然違う緊張ですか?
木村 当たり前ですけど、みんなが私をみてるし、一言一言に対して、みんな鋭いじゃないですか(笑)。ちゃんとやらなきゃと思って。若いときはこのままでいいと思うんですけど、代表のキャプテンになって年齢が上がっていって、ずっとインタビューが苦手とも言えないじゃないですか。内容のないインタビューでも、皆さんいつもあたたかく記事にしてくださって。もうなんか泣きそうなんですけど。アスリートっぽくそれっぽくかいてもらってありがとうございました(笑泣)。内容がなくて大変だったと思うんですけど。
コートに立つときは楽しんでずっとやってきた
――コートにたつとき楽しみは不安と楽しみとどちらが大きかったですか?
木村 楽しんでずっとやっていた。不安はずっとなくて。試合を戦うまでにできる限り準備して毎回臨んだし、毎試合いつも楽しみでした。いつも周りから、「今日の相手は強いから難しいだろう」といわれればいわれるほど、絶対奇跡を起こそうという気持ちは強く常にあったと思います。
――「負けたらどうしよう」という発想にはなりませんでしたか?
木村 今シーズンのリーグに関しては、「最後」と宣言してやったので、なかなか勝てなかったときは、入れ替え戦が頭をよぎったときに、万が一、東レを下に落としてしまったら、私はそこではやめれないなというのはすごくあった。
でも、日々みんなが下を向くことは絶対になくて、どういう状況にあっても、常に目標は優勝にあった。そのためにみんなが何回もミーティングをして、いい形にもっていけるようにやってきたし、本当に菅野さんの言葉で、何回も折れそうなところを戦う気持ちにさせてくれた。東レアローズの強さをまた一つ勉強させてもらったと思います。
――引退の理由は「悔しい気持ちが薄れてきたから」と。悔しい気持ちがなくなってきたのはなぜだと思いますか?
木村 うーん、その原因は考えたことがなかったです。自然と……。なんだろう……目標を少しずつ達成していって、また次の目標をみつけて、また達成して海外も行かせてもらって、いろんな経験もさせてもらって、満足しちゃった部分もあったかもしれませんね。
――東京五輪にはどう関わりたいと思っていますか?
木村 全然考えていないです。でもすごく期待していて、監督さんも選手もまたチームががらっと変わるので、また強い日本女子バレーになるんじゃないかなと楽しみにしています。
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