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インタビュー

2017-09-11 19:06 追加

グラチャンでまさかのリベロ登録の浅野博亮 最大の不安はレシーブよりもトス

浅野博亮インタビュー

全日本代表 男子

「ワールドグランドチャンピオンズカップ2017」男子大会が9月12日に日本で開幕する。14人の大会登録メンバーに選出された浅野博亮(26歳、ジェイテクトスティングス所属)は、直前の国際大会までサイドアタッカーとして起用されていたが、今回はリベロとして選出された。
浅野は178センチという小柄ながら、抜群のジャンプ力と卓越したアタック技術でアタッカーとして活躍している。全日本でも常時出場とまではいかなくても、試合に出場した際には躍動感あふれるプレーで流れを引き寄せるなど活躍してきた。また、レシーブ能力も高く評価され、ジェイテクトではレセプション(サーブカット)とディグ(アタックなどのレシーブ)と守備の要としても活躍している。守備能力の高さに目をつけての今回の登録ということだが、それでも他のリベロ候補メンバーを差し置いての選出は、本人はもちろん、周囲も意外だったに違いない。
リベロは初めてという浅野に、6日の大会メンバー発表会見後に話を聞いた。

——今回、リベロで登録されました。今はどういった心境でしょうか?

浅野博亮(以下、浅野):ポジションが入れ替わって、リベロで選ばれて、今までにないくらい緊張しています。サイド(アタッカー)だと何十年もやってきたので、それなりに自信を持ててやれますが、リベロは(ポジションが)変わって3週間。今年のアジア男子選手権大会(7月24日~8月1日)まではサイドだったので、3週間でリベロ、いきなりグラチャンという大舞台、実際は不安なことしかないです。3週間やれることをやってきたので、試合出る時はやろうとは思います。

——全日本で浅野選手がリベロ登録されていたこと自体は以前からされていましたが、実際に大会でリベロに登録されて試合出ることはなかったと思います。今まで全日本の練習でも公式戦でも一切リベロはしたことなかったのでしょうか?

浅野:一切なにも。今年5月の最初のNTC(ナショナルトレーニングセンター)合宿はリベロ登録だったのですが、全然やってなかった。その後の本格的な合宿では、サイドアタッカー(でいく)って言われていたので、まさか最後でそうくるとは思わなかった。

——言われたのは、ブランコーチ、中垣内監督から直接?

浅野:二人で話し合ってと聞いています。それで中垣内監督から伝えられました。

——正直な気持ち、不安があるということですが、心の中ではスパイカーでまたどっかのタイミングで勝負したいという気持ちもあるのでは?

浅野:それは常にあります。もともとはサイドアタッカーなので。サイドで出られるなら出たいですね。

——今大会であたるブラジルといった世界の強豪にあたるのは初めてだと思います。

浅野:そうですね。フランスは2年前に当たったことありますが。

——そう行った意味で、強豪と当たるのは楽しみな部分がありますか?

浅野:そうですね。まぁアタッカーとしても、確かにやってみたいというのはありましたけど、(ブラジルとか)どんなブロックしてくるのかなとかやってみたいのはありますが、サーブもものすごいのがくると思うので、怖いっちゃ怖いですけど、どのくらい通用するのか楽しみでもあります。通用しなきゃいけないんですけど。

——求められているのはレセプションとはっきり言われてるのですか?

浅野:どっちかというと元々サイドアタッカーなので、レセプションでいうと本職リベロに比べたらそこまで完璧でないですし、動きも違います。そこで求められるのはディグではないかなと思っています。

——私自身は、浅野選手の今回のリベロ登録が意外だったのですが、その理由として、世界の潮流ではリベロにトス能力も求められています。そこに対しての取り組みは?

浅野:それがですよ、、、、、それがです(笑)。実際、自分はトスが苦手なので、、、。そこがリベロになって一番悩んでいました。ここ3週間毎日練習していました。実際、リベロやっている中での不安の6割、7割はそっちです。

——トスはアンダーハンドで?

浅野:オーバーハンドであげることを求められています。レフトにもライトにも。レフト(ウィングスパイカー)だったら、ライトに向かって真正面にあげればよかったんですが、あと、そんな質を求められなかった。そこらへんにトスを持っていけばいいかなというのはあったんですが。リベロのトスでは、セッターが一つ目を触った時、チャンスボールをリベロがトスでうまく分けなければいけないというのがあったので、そこに最初苦戦しまして、ボロボロでした。

——ひたすらレフト側にトスをあげる練習ですか?バックアタックとかも?

浅野:そこは両方です。深津(英臣、セッター)と練習前にやってもらって教えてもらいながら、ちょっとずつ、ちょっとずつです。最初のころよりはマシにはなりましたが、3週間なのでそこまではまだ。今はまず丁寧に体が向いた方に上げればいいよと、深津にもアドバイスされました。アタッカーの方に向いて丁寧にあげることを心がけます。井手(智)ならトリッキーなことができると思いますが、僕はまずは丁寧に心がけます。

——大会での活躍を期待しています。

浅野:ありがとうございます。

上記にあるように、浅野自身はリベロ変更に戸惑っていた。6月のワールドリーグでは、強豪国がいない中堅国が集まった下位グループとはいえ、浅野が要所要所で”小さな大エース“として活躍していただけに、記者個人としてはグラチャンで世界のトップレベルにどこまで通用するのか見てみたい気持ちはあった。また、候補メンバーにいる本職リベロの古賀太一郎や鶴田大樹を差し置いてまで、浅野をリベロ登録した中垣内監督の判断が吉とでるのか。
ただ、浅野は持ち前のひょうひょうとした明るさは、試合に出なくともチーム内にプラス効果をもたらすはず。またVリーグ等で見せるディグ能力は、出場すれば必ず貢献するにちがいない。

聞き手、写真:大塚淳史

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