2017-04-22 09:50 追加
海外女子バレーのすゝめ 第7回 なぜ世界のスターは、トルコを選ぶのか
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3月23日、ヨーロッパ・チャンピオンズリーグは、勝ち進んだ6チームによるプレーオフ・フェーズに突入。開催国枠として既にファイナル4の出場権を持つイタリアのイモコ・コネリアーノを除いた6チームのうち、なんと3つをトルコのチームが占めた。昨年の世界クラブ選手権で優勝したエジザージュバシュ、ここ4年で3度トルコリーグを制覇したワクフバンク、王座奪還に燃えるフェネルバフチェ。
この日行われたのは、エジザージュバシュとフェネルバフチェのイスタンブル・ダービー。アジア側ウスキュダル地区にある、ブルハン・フェレク・ヴォレイボル・サロヌ(Burhan Felek Voleybol Salonu)が会場となった。当コラム第1回で紹介した首都アンカラのバシュケント・ヴォレイボル・サロヌ同様、トルコ・バレーボール連盟が所有する施設だ。非常に坂道の多いイスタンブルだが、ここもまた坂道の途中にねじ込んだような印象だった。
会場に到着すると、すでに多くの来場者が列をなしている。中には家族連れもいるが、大勢の友達同士で来ている小・中学生が特に多かったように思う。
チケットは会場で買えるとのことだったが、チケットブースで尋ねると「売り切れ」を告げられた。これには試合観戦を心待ちにしている現地のファンも不満げな様子。しかし売り切れと聞いても帰る人はおらず、何かを待っている。すると、ホームであるエジザージュバシュのスタッフの男性が、チケットの束を抱えて戻ってきた。救いの神が降臨した。
大争奪戦が始まる。タイムセールに押し寄せる客のように、男性に詰め寄るトルコ人たち。もみくちゃになりながらも、なんとかチケットを入手した。誰も支払いをすることなく「ありがとう」とだけ残して会場へ入っていくのを不思議に思いながら、「どこで支払いをすればいい?」と尋ねると、「無料だよ!」と一言。
ヨーロッパの大会ではホーム・アンド・アウェイ(ホーム、アウェイで一度ずつ対戦)の形をとることが多い。今回は双方がイスタンブルを本拠地とするチームだったため、イスタンブルで二度、試合が行われることになる。
このためチケットの事前販売を少なくし、残りの大部分をホームであるエジザージュバシュのファンに配布するという形で、ホーム・アンド・アウェイを確保しようとする意図だったのではないかと思われる。それでも、無料配布という利益度外視の大盤振る舞いには仰天した。
無料で観戦したことを申し訳ないと思ってしまうほどの熱戦となったこの試合。サーブで攻め続け、じわじわとエジザージュバシュを崩していったフェネルバフチェがフルセットで勝利した。キム・ヨンギョンとトムコム・ヌットサラのアジアンコンビも大活躍。
4月4日に行われた第2戦ではエジザージュバシュが勝利し、ヨーロッパ・チャンピオンズリーグのベスト4進出を決めた。
2日後の3月25日、トルコリーグも終盤にさしかかっていた。首位をひた走るワクフバンクと5位ブルサの試合を観戦するため、再びアジア側のウスキュダル地区へとやってきた。チケットの価格は5トルコリラ(日本円で150円ほど)と、やはり破格の値段。営利目的ではないのだろうか?
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