2018-03-18 16:22 追加
久光製薬・石井優希「個人賞はこのチームだからこそもらえたもの」 JT・奥村麻依「ファイナルを経験できたのは何より貴重なこと」
SV女子
・酒井新悟監督
先週いい形で勝った中で、相手がどう戦術を変えてくるかを想定してこの1週間準備し、先手先手でやれるだけのことをやっておこうと言って、今日の試合に入った。それと、自分たちの持ち味であるオフェンス力とサーブで主導権を握ること、そこからのトータルディフェンスで点数を取ることを主眼に置いて戦った。1セット目、サーブレシーブで乱される場面もあったが、いい形で逆にサーブで主導権を取ってくれたと思うし、2セット目も大事な競った場面でもブレイクを取るところできっちり取れたことが非常によかったのではないかと思う。
ファイナル6でJT戦をひとつ落としたことが、このファイナルの2戦に非常に生きたと振り返って感じている。負けた直後は選手もメンタル的にもつらいものがあり、本当にファイナル3、ファイナルと勝っていけるんだろうかと思いを持ちながら練習していたと思う。チームのムードもよくなかったが、そういう中でもベテラン選手を含め、選手たちとしっかりミーティングしながら乗り越え、ファイナル3でトヨタ車体にいい形で勝ったことがこのファイナル2戦につながったと思う。
レギュラーラウンドは昨シーズン、フルセット2つで負け、悔しい思いをしながら始まったシーズンだが、全日本組は国際大会を経験して帰ってきてくれたし、残っていた選手もアジアクラブや国体などいろいろな強化を進め、いい形で入ったということ。また、そこにアキンラデウォという戦力が加わり、スタートした。
自分たちのスタイルを作りながらやっていくという形で始まり、そこに結果はついてきたが、2レグに入って今度はトータルディフェンスに目を移してシステム化をはかり、また3レグでオフェンスの方に戻ってというふうに、レグごとに目標を持ちながらやってきたシーズンだった。結果、25連勝という形でファイナル6に進出したが、毎日の練習の中では連勝するという意識はなく、勝っても勝ってもまだやるべきことがたくさんあるのではないかというような雰囲気を選手の方から出してくれていた。私たちスタッフが見ていても、本当にこれが連勝しているチームなのかなと感じたことも多々あった。常に向上心を持ってやってくれた選手たち、これが今年の久光の強さであったと思う。
出ている選手以外にも、控えで途中出場の選手や内定、新人含め、それぞれがいい仕事をしてくれた。今回優勝できたことはよかったが、これからさらに強化をはかって、次に進めたらと思う。
――男子の堺ブレイザーズで優勝され、女子の久光製薬監督ではトータルディフェンス、リードブロックなど、女子にはなかなかなかったものを注入されての優勝だったと思うが、それを選手に伝えることの難しさや、女子チームの難しさや良さなどについて。
酒井:このチームで2度目のシーズンとなり、ブロックを強化することはある程度想定しながらやってきた。正直、強化にあたり、それが本当に女子に合うのかどうかわからないまま進めてきたが、選手たちが意識高く取り組んでくれたということと、アメリカでリードブロックをやっているアキンラデウォが入ってきたことにより、より意識が高まった。
今までならブロックに触って弾かれたボールがブロックの責任になっていたところが、現在のチームの中では「ナイスタッチ」という。どんなボールに対してもしつこくブロックに付き、タッチを取りに行く。そこでブロックが決まらなくてもブロックの責任ではなく、タッチを取ったんだから、それをレシーブしてからの展開を作るという意識にどんどん変わってきて、練習の中でも「ナイスタッチ」という声がたくさん出ているのは確か。なので、現段階ではやったきたことが女子にも通じるというか、こうしたスタイルもひとつ新たにできたのではないかと思う。
男子から女子という意味では正直、まだ何がいいのか、これでいいのかわからない。ただ、今回こうやって女子の方でも優勝させてもらい、またこれからやるべきこと、継続すべきことを見極めて、またやっていきたい。
――試合後ではなく、表彰式後に涙を浮かべていたが、どのようなことを感じていたか?
酒井:オフシーズンも含め、この1年、いろいろなことがあった。今シーズンに入っても、男子に比べると女子はバレーボール以外の面でも大変なことが多く、選手同士もいろいろな思いの中でやってくれている。前にいたチームは大所帯ではなかったが、今回、こうやって女子の大所帯の、しかもいい選手ばかり揃っているチームなので、いろいろな思いを持った選手がいたと思う。そういった中で終わってみて、さまざまな思いを持ちながら、みんなよく仕事してくれたなと感じていたように思う。
――昨年ファイナルで敗れたところから、長岡選手のケガなど、いろいろなことがあったと思うが、どのような思いでチーム作りを進めたのか?
酒井:前回のリーグでは中田監督の全日本監督就任に伴い、直前で監督に就任し、結果を出せずに終わってしまい、今シーズン、外からも中田前監督や長岡の不在、中大路(絢野)というセッターもチームを辞めてしまった中で勝っていけるのかという声が私のところにも聞こえてきた。しかし、チームを持つ以上は若手の選手をしっかりと強化していく。主力になる選手は全日本に選ばれていたので、そこでキャリアを積んでくると思っていたが、それプラス長岡がどれくらいの状態で帰ってくるのかというのを頭に入れながら強化を進めていった。
アキンラデウォの加入が決まり、攻撃型ではあるが、それをどう活かすためにどうするのかという中で、今回の新鍋をライトに持ってきて、しっかりレシーブさせる。石井をパサーにしてしっかりレセプションを返すというバレーにシフトしていった。長岡の回復具合によっては、今シーズンでの復帰を考えたが、結果、一度も使わず、現状のシステムが今の久光にとってはいちばん強いのではないかという形で強化していた。
――長岡選手はもう戻れる状態まで回復しているのか?
酒井:シーズンの途中でゲーム練習に参加できるまでになっていた。ファイナル6くらいのタイミングで出場は可能だったが、そこで長岡を入れてしまうと、サーブレシーブする人間やシステムが変わってしまうので、途中で変えるのは難しく、そのまま現状でいくことにした。長岡は順調に回復しているので、代表の方でも頑張ってもらいたいと思っている。
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