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コラム

2019-01-16 16:48 追加

カーテンコール 追悼・ロス五輪代表 奥野浩昭さん(サントリー)

Others / SV男子 / 全日本代表 男子

カーテンコール(Vマガジン2000年11月号収録)

元サントリー・サンバーズ エース
奥野浩昭

元全日本男子バレーの一匹狼、奥野。サントリーの営業マンとして、第一線で汗を流す日々の合間を縫って、カーテンコールに登場してもらった。

「バレーと地域をうまく関係づけて、会社のメリットにもなるような方法を考えてるんだ」

福岡発の36便で羽田に降り立った奥野は、9番ゲートをくぐり抜けて、待ち合わせの場所に颯爽と現れた。大きなスーツケースを押して、「どうも」と静かに頭を下げる。会社の研修で、明日はコペンハーゲンに飛ぶのだという。取材のために入った店で、ビールを勧めると笑って首を振った。「明日から毎日ビール漬けの研修が続きますから」。なるほど、サントリーの研修ならばそういうことになるのか。
「デンマークのビールは美味しいですよ。うちは以前からカールスバーグとは提携を結んでますしね」とトマトジュースをすすりながら営業マンの顔になった。

近況

平成元年に引退。現在は大分支店で小売店・飲食店向け営業担当として勤務している。引退は体力的な限界を感じてのことだという。故障はいつものことだったので、しまいには自分で鍼を打って回復に努めていたそうだ。引退後は、クラブチームにも何度か出場。
「最近では、実業団大会にぶっつけ本番で出場しましたよ。1セット目はだめでしたけど、2セット目はけっこうイケました」

最初に訊ねたときには「もうプレーはしてませんね」とつれない返事だったが、「杉本(公雄)さんは2年前の国体でバンバン打ってたそうですよ」と告げると「あの人はねえ、好きだから、身体動かすのが」と苦笑しつつも、ぽろぽろと自身のプレー経験も出てきた。指導についても、「いえ、特に」とそっけなかったが、よくよく訊いてみると「小学生に時たま教えたりしている」そうで、最終的には「子ども達に、バレーを楽しくプレーするためのヒントをあげたい」のだと熱っぽく語ってくれた。照れ屋なのだ。これはそつのない人あしらいが板に付いた今も、以前と変わらない。

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