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コラム

2019-02-01 21:27 追加

豊田合成が戦術変更でサントリーから逆転勝利 ファンも「ヤバい!」と興奮の好ゲーム

SV男子

スタッフ、選手全員でムセルスキー封じ

試合後、ムセルスキーを2度ブロックした高松は、サントリーの攻撃に対応できた要因をスタッフやチームメイトのおかげとした。
「(試合中に)データを見ながら、こういうところに打っている傾向があるというのがしっかりデータが出ている。僕の技量というよりも、スタッフであったりとか、他の選手のアドバイスであったりとか周りの支えというのがたまたまあの場面で出た。僕ははっきりいってブロックが上手い選手じゃないんで。(ベンチなど)後ろのところから見てくれている仲間が『いや。もうちょっと内側(にブロックを跳んだ方)がいい』とか『もうちょっと(ブロックの)タイミングを遅くした方がいい』とか、スタッフの深津(貴之)くんだったりとかが『今ここらへんに打たれているから、跳びにいってほしい』とアドバイスを受けて、それを出せたのがブロックのタッチとかシャットに繋がった」

トミー・ティリカイネン監督は、試合後の会見で、詳細を明かさなかったものの「(試合途中で)コーチングスタッフたちが私にいくつかの考えを与えてくれた。また、ゲームプランを選手たちが実行してくれた。皆一緒になって協力しあえた」と讃えた。また、白岩も、ムセルスキーを始めとしたサントリーの攻撃を拾って繋げられるようになった要因について「1、2セット目を取られて、3セット目以降、チーム戦術をどんどん変えて、それがうまくハマったのが大きかった。しっかりディグで反応できて、サイドプレーヤーが決めるというのができた。あのチーム戦術の変更は大きかった」と振り返った。

他にもトミー監督の積極的な采配が光った。特に、第5セット14−12からサントリーに得点が入り、サントリーが大宅真樹に代えて小川猛を投入して仕掛けると、トミー監督はすかさずタイムアウトを取った。ジャンプサーブが打てる、サーバーの塩田達也に間を与えることでプレッシャーを仕掛けた。タイムアウト後、塩田はミスを恐れたのか、攻めのセーブを打てずあっさりと上げられ、高松に試合を決められた。トミー監督の念押しのタイムアウトが効いたのは間違いない。また、交代で入った岡本秀明は、毎回確実にレセプション(サーブレシーブ)を返し、役割を果たしていた。

今シーズンの豊田合成は、順位こそ4位につけているが、勝ち切れない試合、ストレートであっさり負けるという淡白な試合も少なくなかった。試合後の会場内インタビューでは、高松がファンに謝る場面もあった。全員でつかんだ劇的な逆転劇は、チームを好転させる大きな原動力になるかもしれない。

文・写真:大塚淳史

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