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会見・コメント

2019-03-25 08:58 追加

岡山・宮下遥、補完計画完了。「二人の遥」に決着。河本昭義監督「勝てるセッターがいいセッター」

SV女子

チームの象徴的存在。吉田みなみ選手。第3セットに登場し健在な姿を見せた

――河本監督に。9位という結果をどう受け止めていますか?

河本:うちらしい結果といえばうちらしい結果なんでね。他のチームの監督さんもおっしゃっていましたが「まとまっているときは非常にやりにくい」と。そこのところを目指しているわけですが、なにせ上背がない。
金田選手と佐々木選手、この2人はある程度いいトスが上がったときはパンチ力があります。あとは高さがないわけですよね。上手さで相手を翻弄して勝ち切るしかない。ブロックとディグの組織だったり、ディフェンスの部分をすごく問われる。これは判断力というか、知能にウェイトが置かれるわけですね。自分の知能を動かすためには、やっぱりメンタルの部分、ハートが集中していい状態でなければなかなかだめなんですね。
それからいくと…今日のゲームは良くはないですね。相手はさらに(よくなかったと思う)。メンバーチェンジしなければ、もっとスッと勝てたとも思いますが、そこは自チームの事情で。使いながら選手を育てていく。育てていかないと(先々他のチームの)相手にならないというところがあるので。

(第3セットの混乱を含めて今日の試合は)良くも悪くも正直に出た結果で、やはり紙一重というのはそこですよね。一番になるためには何を武器とするか。その一番大事なチームの武器は揺るがないっていうところにまでレベルが上がらないと、やっぱり駄目なわけで。
その点、今日、佐々木選手なんかは良かったですね。一人だけよかった。ずっと見ててね。(佐々木選手にピースを送る)
やりにくい相手になった時にも、今日のようなメンタルの強さと安定性を出してくるようになった時は一番になれる時なんですね。相性がいい相手には誰でも(メンタルの強さ)が出るわけで、相性が悪い相手に当たった時に、たとえ点が取れなくても、安定したモチベーションでできるようになった時が…やっぱり優勝できるチームなんですね。
…ということを方向性としては目指しています。結果は正直に出る。紙一重の中でも。一重まぶたじゃなくてね(笑)

佐々木選手にピースマークを送る河本監督

――シーズン中は宮下選手をレフトで打たせるなど、変則2セッターも試されました。「全日本の宮下遥、シーガルズの宮下遥、宮下選手の中に二人の遥がいて、その迷いを払しょくさせる狙いもあった」と。現在は通常のセッターシステムに戻されましたが、宮下選手の調整は完了したとお考えでしょうか。あるいは一段高いステージに上がったと。

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河本:おそらく。本人の顔を見たら(笑)。人間っていうのは難しいんですよね。絶対勝たなあかん、絶対頑張らなあかん、こういう時に普通の人は力が出にくいんですよね。でも彼女は力が出やすいタイプ。
ところが、一山超えて、余裕が出た時に、やや疲れもあると思うんですけどね…(笑)。まあ、超えたところは越えましたよね。でも今日は、本人もずっと自問自答しながらだったんじゃないかな。

チャレンジマッチの2試合は…これは全員そうだと思うんですけど、物足りない。これは正直なところだと思うんですね。もっと切迫した攻防になったら、みんな火が付くのではないか。火がつくくらいでないと、やっぱり上への挑戦はできないし、まあその辺ですね。今日の出来を見ていいとか悪いとか、なかなか判断がしにくいですよね。
真価はこの試合に勝たなくてはならない時に、上げられるか上げられないか。誰が上げても勝てる時に(トスが)上手いセッターがいいセッターかというと、いいセッターではない。勝てるセッターがいいんですよ。これは絶対に間違いない。

正確なトスが上がるとか、打ちやすいトスが上げられるというのは…お互いセンスがあるもの同士では(球筋が)読めるんですよね。(他のチームが)うちとやりにくいのは、うちは読めないスパイクを打つんですね。読めないレシーブをする。よそのチームが落とすボールを上げる。相手が「これは決まらんなぁ」と思うボールを落としてあれれとなる(笑)。この辺のところが、うちの不可思議なところで。
だからそのマイナスの部分(イージーボールを落とす)が上がってきた時にはどのチームもやりにくかったはずですね。底の部分の力は安定してきたと思うんですね。(追い詰められた時に)真価が問われるわけです。

(第3セット終盤に追撃を受けて)ああいう場面で普通はタイムをとるじゃないですか。でも僕はとらない。それはどこに目標を置いているかということです。
遥は伸びています。普通の時にはね。20点を過ぎて、本当にふれるセッターかどうか。全日本の試合に例えると、日本はよっぼどのことがない限り(どんな相手に対しても)17、18点は取るんですよ。課題はそこら辺からのゲームメイク。ライトに上げたほうがいいのか、センターか。サイドに振ったほうがいいのか。ゲームの中でセッターが判断できる。あるいはエースがセッターとコミュニケーションをとれる。それができるチームになっていかないと。だからそういう意味ではいいんじゃないですかね。
年が明けて一番しんどい時に(宮下選手は)一番頑張った。そのことはよかった、と。

この2試合を前にしての緊張感は、年明けのしんどい時ともまた違います。一般のバレーファンはのびのびして楽しいバレーをいいなって思うんだろうけど、こういったチャレンジステージのような試合にお客さんが増えてくるのは、つまりは真剣みが高いんですよ。だからもうちょっとそういう部分を増やしていこうと。バレーを仕事として選んでいる人間ですから。積み上げていこう、と。

――2セッターなども経験し、宮下選手の手ごたえとしてはいかがですか?

宮下:前半と後半で確実にいい意味で変化は感じていますし、自分がここはどうなのかなと思っているところを監督が根気強くアドバイスをくれて。その(アドバイスで)掴みかけているところがあるので。でもまだ完全に掴めてはいないと思っているので、このいい感覚をさらにちゃんと自分のものにできるようにしたいなと思います。

――また全日本に声がかかったら挑戦したいですか?

宮下:まずはチームで(リーグの)一番になりたいですし、その思いはあるんですけど…。挑戦できる立場にあれば頑張りたいと思います。

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