2013-05-17 23:53 追加
既成概念を捨て、世界一を目指す(眞鍋政義監督)
5月13日に開催された全日本女子記者会見から眞鍋監督のコメント
全日本代表 女子
次のキャプテンは間違いなく木村だと思っていた
―木村選手が最初はキャプテンを断わってきたそうですが…。
トルコに行って打診した時は断られ、その後、帰国してからメールでやり取りをしていて。2月後半か3月頃だったと思いますが、「よろしくお願いします」と言ってきました。1か月半くらいかかりましたね、やっぱり。
―眞鍋監督の言葉に熱いものを感じたと本人は言ってましたが…。
自分の気持ちを全部は言いませんが、世界最高峰のトルコリーグで所属チームが優勝しましたが試合に出られないことも多く、ずっとレギュラーで活躍してきた木村としては、悔しい思いもしていたと思います。そんな中で色々考えたこともあったと思います。
―監督から見て、木村選手の変化は?
日本のバレーとは全く違いますからね。15歳であれ、40歳であれ、とにかく勝てる選手が起用されますから、非常に厳しい世界だと思います。その世界を経験し、成長したのではないでしょうか。
―キャプテンをお願いする際に、何か殺し文句のようなことは言ったのですか?
僕自身もバレーボール協会から監督続投をオファーされ、1か月半くらい悩みました。これ以上続けるのは無理なんじゃないかと思ったことも…。でも、ロンドンで金メダルをとれなかった悔しさがある。それで、木村にも言ったのは、「このまま世界一になれないのは悔しいだろう?」と。「誰もが挑戦できることではないし、やるからには世界一を目指してやろうよ」と言ったわけです。
―トルコへはキャプテン任命のために行かれたのですか?
私は木村にキャプテンを任命しに行ったのに、その前に木村はバレーをやめたいと言ってきました(笑) 銅メダルを獲得して、世界にも挑戦して、燃え尽き症候群のようなものでしょうか? 全日本歴が長いだけに、その状態がすごかったようですね。「眞鍋さん、私、色々経験したし、やることすべて終わったので、もういいです」というのが第一声でした(笑) その後、10日間話をして、帰ってからもメールして、2か月弱かかりましたね。彼女の考えていることすべてはわかりませんが、木村なしでは金メダルは目指せませんからね。金メダルを目指すチームのキャプテンは誰もがなれるわけではない。間違いなく、次は木村だと私は思っていました。
6月後半にメダリストも合流
―ヨーロッパ遠征には銅メダリストは連れて行かないということですが、いつの時点で合流するのですか?
6月21日から始まる鹿児島合宿から合流します。メダリスト数名とヨーロッパ遠征で活躍した選手の混合でワールドグランプリ、アジア選手権、グラチャンを戦う予定です。
―今回選ばれていないベテラン選手などの追加招集は?
最終的には年齢を問わず、勝てる12名がオリンピックに選ばれるべきだと思っています。ただし、2013年は少しでもいろいろな選手に経験を積ませたいと考えています。特に、セッター、ミドルですね。誰もがチャンスあると思います。宮下も言ってましたが、ブロック力のあるセッターもほしいですし。それぞれ長所があるので、まずは自分のアピールポイントを試合で出してほしいと思っています。
―コーチの追加招集は?
できれば早いうちにもう1人呼びたいですね。
―「世界一を知る」という今年のテーマについて、具体的にやってみたいことは?
私自身、世界一の経験がないので、経験者に話を聞かせてもらうこともありますし、選手やスタッフにもいろんな経験をしてほしいと思っています。世界一の観光名所や美術作品を見に行くとか…(笑)
同じことをやっていては、世界で勝てない
―高校生の古賀選手、辺野喜選手について。
2人ともすばらしい選手だと思います。でも、まだ高校バレーのネットの高さでしかプレーを見ていないので、世界にどの程度通用するのかはわからない。ヨーロッパ遠征には古賀を連れて行きますから、それを見極めたいですね。もしかしたら、日本であまり通用しなくても、世界で通用する選手もいるかもしれない。スタッフはそれを探しに行くわけです。
―関選手と宮下選手がヨーロッパ遠征不参加に変更になった理由は?
少し故障があるので、それをしっかり治してもらいたいため、今回は見送りとなりました。
―バレースタイルについて。V・プレミアリーグを見て思ったことは?
高さがない分、速さを追求していくのはこれまでと同じ。速いバレーをしているチームは期待したいと思う。全日本を目指すというスタンスはあるほど嬉しいですね。
―目指すバレーに対応できる12名を選ぶということになりますか?
はい、それと一人ひとり個性が違いますから。私自身、何十年もバレーしてますけど、世界一に挑戦するために既成概念というものを取り外そうと思っています。同じことをしていては勝てないので、例えば、セッターは1人、ミドルは2人って誰が決めたのかな? 人数にこだわらなくてもいいのでは?とか、コートの全員がサイドプレーヤーならどうか?とかね(笑) 色んなことをやっていきたいなと思います。
ヨーロッパ遠征で世界の変化をつかむ
―データバレーについて。
我々日本が持っている細かいデータは数多くあります。それも生かしながら、特にこの2013年は世界各国のほとんどがメンバーが変わります。監督が変わるチームも多い。ですから、世界のバレーの変化をスタッフとアンテナを張り巡らせながら、見極めないと次の五輪は勝てないなと思っています。
―既成概念を覆すようなことは、データから見つかりましたか?
やはり、バレーボールはセットスポーツですから、そのセットを取るためには、どういったプレーをすれば相手に勝るのかがはっきりするんですよね。そこがわかるから、データというのは大きいと思います。
―今回、大学やチャレンジリーグの選手も選ばれていますが、そういった選手の発掘は監督自身とスタッフのどちらが行うのですか?
当然、スタッフも視察に行きます。我々はプレミアリーグは会場に行かなくても全試合見れますから、私も自宅で見たりしていました。
―セッターについて。
田代はトスが安定している。藤田は身長が低いけれど、スピードがあるので、速い攻撃ができる。細川はジュニアのセッターでもあり、身長が高い。森田本部長も言っていましたが、今回44名選考したのは10月のU-23の選考も踏まえてなので、若い選手も多く選んでいます。
―既成概念を外すということについて、ヨーロッパ遠征で具体的に何か考えていることは?
今回のメンバーでは、長岡と中村という2人のサウスポーがいますので、2人ともコートに入れたら、どうなるだろう?とかね(笑) スイスにも強いチームがいっぱい来ますので、監督が変わり、戦略がガラッと変わるチームもあるでしょうから、色々見てきたいですね。
―リベロについて。起用する選手の基準などは?
サーブレシーブが安定していること、なおかつサーブレシーブの守備範囲が広いこと。それに、スパイクレシーブの安定と守備範囲の広さ。これが最低条件ですね。
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