2019-06-10 18:40 追加
プリンセスメグ・栗原恵引退会見全文後編「ロンドン五輪落選のときはとてもつらかったが、そこで一度背負っていたものが落ちて、改めてバレーが好きだと感じた」
栗原恵引退会見後編
SV女子
長らく日本バレー界に貢献した、プリンセスメグこと栗原恵さんの引退会見全文の後編をお届けする。将来のこと、辛かったロンドン五輪落選をきっかに、改めてバレーが好きだと感じたことなど。
――まだ将来はわからないとのことだが。例えばビーチバレーをやってみようとか。指導者をどう考えているか。高校生の頃は大学の進学も希望していたが、これから大学に行って多治見さんのように指導者になるとか。
今時点で指導者というのは、自分には荷が重い。選手としてバレーボールをやることが大好きで、ここまでやってきて、それを終えてすぐ指導者にというのはいま時点ではなんともいえないです。
ビーチバレーは、やることは、今の時点ではない。応援することはあっても。
――1年余前に引退を決めていたということですが、引退を決める一番の要因は。限界を感じたのか、違うことがあったのか。
ここ数年というのは、本当に怪我との戦いで、そこからの復帰で、非常にコンディションはよかったです。今シーズンもリーグ戦でもなかなかコートに立つ機会はなかったが、どんなときでもベストなプレーをするために、ハードなトレーニングと練習は積んできました。手を抜くことなくやりきれた。
もう一年頑張ろうと思えばやれるだろうという自信はあります。
でもここ数年、私は「趣味がバレーボールなんじゃないかな」と思うことがすごくあって。もちろん試合に負けて悔しいという思いなどもあったんですが、そこまで思えたのは、きっとコートの中に置いてきたことがもうないのかなと自分の中で感じることができた。一緒にやろうと言って下さる方がいる中で、自分でピリオドを打てる選手であることを幸せだと感じています。
「バレーボール大好き」というのは、バレーボールが自分を表現するなかで一番のものだとここ17年はずっと思っていましたし、やめてもトレーニングはしたいなと。練習も。
つらいこともありましたけど、バレーボールをやってて楽しいなって感じることが多いので、それを職業にできている自分が幸せだなと思ったときに、趣味がバレーボールなのかなって感じました。
――「趣味がバレーボール」とありましたが、あらためてバレーボールの魅力は。
バレーボールがすごく難しくて、今もなおうまくなりたいという気持ちをなくさずにやってこれた。追求していて全く飽きが来ない。見ている側にはボールが落ちれば得点というシンプルな競技だけど、突き詰めれば突き詰めるほど奥行きがある。そういうスポーツなので最後まで大好きでいられて最大の魅力です。
――怪我とかもあり、苦しかった時期もあると思うが、どんなことを目指してコートに戻ろうと思ったか。
過去の自分と比べてしまうというのが、怪我明けの自分としてはすごく辛くて、この動きができてたのに、その角度まで膝が曲がらないとかたくさんそういう思いはしました。
発想の転換で、じゃあ今の新しい体でなにができるかと。
ただ高くとんで打つだけよりも楽しかさを見つけることができたのが大きなモチベーションになりました。
――バレーボールを続けてきて、得られた財産は。
私の今の周りにいるご縁は、すべてバレーボールがつないでくれたもの、それがすべての財産です。
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