2021-01-12 17:11 追加
東福岡・柳北悠李「自分が決めてやろうとずっとトスを呼んでいた」、藤元聡一監督「試合に出ていない3年生が柳北を支えた」 春高優勝会見男子
高校バレー 男子
――柳北選手に。最後のポイントをとった時の気持ちは?
柳北: 最後はサーブで崩して、チャンスをもらって、 自分のバックアタックを決めようと思っていたのですが、サーブミスをしてしまいました。でも、24点がとれていたので、次こそ最後に自分が絶対に決めてやろうと思って、蘭丸(近藤)に「絶対にバックアタックのトスを持ってこい」と言いました。とにかく「自分が絶対に決めてやろう」とずっと思っていました。
――昨日の夜の準決勝が激戦で、今日は午前中から試合ということで、さすがに途中で疲れているように見えましたが、苦しい状況の中、どのような心境でコートに立っていましたか?
柳北:昨日の準決勝が遅い時間になり、 接戦の試合展開でしたが、今日も絶対に接戦になると思っていました。体力的にはきつかった部分もありますが、 最後は練習をやり込んだチームにしかできないことがある、そこでは東福岡は絶対に負けないと信じていました。疲れもありましたが、最後は意地で打つしかないと思い、ずっとトスを呼んでいました。
――藤元監督に。コロナ禍の大会でウォームアップなど例年とは変更を余儀なくされることがあったと思いますが、その中でどのような工夫をされてきましたか? また、前回の優勝とは状況が違いますが、他校の戦力状況の変化で感じたことや、前回とは違う喜びを感じたことがあれば教えてください。
藤元:この情勢の中で大会を運営するにあたり、入場の際も移動の際も隅々細かいところまでスタッフの皆さんが気を遣ってくださっていました。例えば準決勝からは検温の方法も変わり、体温計できちんと測るとか。それを選手18名プラススタッフ3名の21名となると、この検温をチェックしていく先生方の人数もさらに必要で、本当に大変なんだなというのが伝わりました。大変な中、出場チームのことを思って時間を早めていただいたりとか、出場チームのことを考えつつ、対策も万全にしていこうという姿勢がひしひしと 伝わりました。ですから冒頭に申し上げたような感謝の気持ちしかありません。ストレスのない環境を与えていただいたので、アップなどもしっかりできたと思います。
2点目の質問について、5年ぶりのセンターコートでしたが、 ベスト4の中には5年前には対戦したことのなかった、私より年下の監督さんたちもいらっしゃいました。非常にチームを鍛えているという印象と、緻密なバレーをする、流れを捉えて的確に指示のできる監督さんたちだなと思いました。試合中はこちらも頭をフル回転で対応していかないと、ひとつでも気が抜けたり、後手に回ると、一気に流れを持っていかれてしまうなという思いで戦っていました。
――近藤選手に。最後はどんな気持ちで柳北選手にボールを託しましたか?
近藤:試合の流れの中でここは絶対に得点しなければならないという時に悠李さんは「絶対自分に持ってこい」と声をかけてくださって、その声かけがあって自分は「最後は絶対に悠李さんに決めてもらいたい」、「悠李さんの得点で日本一になりたい」と思いました。だから、「どんなパスが来ても悠李さんに上げよう」と思って託しました。
――藤元監督に。最後に決めきったエースの姿を見て、どのようにその成長を感じましたか?
藤元:この3年間の中で生活面なども含め、柳北がなかなか「自分が日本一のエースになりたい」という願望が見られない時期がありました。その中で今私の左にいる川波など、試合に出ていない3年生が付きっきりで柳北がだらしない体をつくってくるたびに一緒に走ってくれました。恐らく彼らは100kmくらい走っていると思います。当然、フィーチャーされるのが柳北というのはわかりますが、見えないところで彼を支えた3年生が本当に親身になって付きっきりでやってくれたので、彼らがいなかったら頑張れなかったのではないかというくらい頑張ってくれていました。
そうしていくうちに柳北が少しずつ変わって自覚を持つようになって、エースらしくなってきました。それが最終的に間に合っているのかどうか、この東京体育館の中で自覚を持つのが遅かったと思い知らされるのか、 彼らの支えがあってここまで来れてよかったなと言ってもらえるのか、それはバレーの神様にしかわからなかったことだと思います。 最後の1点に関しては近藤と同じように、「最後は悠李が行け」と私も思いました。それを言おうと思ったら、悠李が「持ってこい」と言っていたので、「私が言うまでもないな」と。そういう1点でした。
写真:堀江丈
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