2021-02-11 19:16 追加
埼玉上尾・マルコス監督「山崎のの花は、例を挙げるならリカルドのような戦術理解力がある」 V1女子会見
SV女子
■2月7日(日立戦)
とても良い試合ができたと思っています。戦略的にも練習でやった通り、上手くゲームプランをこなすことができました。サーブが走ったので、自チームのブレイク、特にカウンターアタックの本数を多く生み出せました。
カウンターアタックだけでなく、(サーブレシーブからの)アタックも決めていくというのがチームの課題でしたが、そこもできたと思います。
日立さんはスタメンの平均身長が高いチームなので、そこに対してこちらがどうやって決めていくのかということがポイントでした。逆に日立さんのアタッカーも抑えることができたので、非常に良かったと思っています。
――日立の攻撃を抑えることができたのは、サーブで相手に負荷をかけられたからでしょうか? それともブロックが効果的に機能したのでしょうか?
マルコス:サーブというものを単体で考えてはいません。サーブでどこを狙っていくのかによってブロックがどういう動きをするか、(フロア)ディフェンスはどうするかと考えています。サーブでは特定の選手をターゲットにする場合、ゾーンをターゲットにする場合がありますが、これに対してブロックとディフェンスが連携しています。サーブをここに打ったらブロックはこういう動きをする、それによってディフェンスはこういう動きをするというところまで詰めています。
――埼玉上尾の攻撃が機能した理由として、セッターの配球も良かったのではないかと思います。
マルコス:山崎(のの花)は日々成長が見られるセッターです。去年まではサードセッターだったのですが、今シーズンはスタメンで出ざるを得ない状況になってしまいました。開幕までのプレシーズンは技術面を育てるように進めていきましたが、ここ数か月は戦略戦術面を成長させる練習に変えています。山崎はそれに対していい形で応えてくれています。彼女はとても視野が広い選手です。練習の中でも相手のブロッカーを見ながらトスを回していくことが上手くできています。非常に頭がいい。
技術面、ボールの下に速く入るとか、ポジショニングというのはまだまだ成長しなくてはいけないところではありますが、戦略戦術面ではVリーグの中でもトップのセッターに入ると評価しています。
埼玉上尾にとって彼女は戦略面で欠かせない選手になっています。我々がこういうゲームプランで進めていくということを決めれば、彼女は集中して練習から臨んでくれています。とてもセッターとして成長してくれています。チームの成長もセッターが成長したからこそだと思っています。
――セッターについてはトスの技術力を中心に見てしまがちです。戦術眼が高いセッターを他に挙げるとすれば誰でしょうか?
マルコス:ブラジル元代表のリカルド(ガルシア)。私が長年育ててきた、クラブチームでもそうですし、代表でもずっと見てきた選手です。実は彼は若手の頃は技術よりも戦略的な能力が素晴らしかった。相手のブロックの動きを素早く見て、常にアタッカーを良い状態で打たせることに優れていた選手でした。山崎もそれに似た感じのある選手で、彼女を技術的に育てる時間が今季あまりとれなかったというのもあり、戦術理解の方向に育成プランを変えました。そこに彼女はよく応えてくれています。試合の状況判断など、そういったところがすごく良い。見てすぐ反応できる。もちろん今後は技術面で成長しなくてはならないところはたくさんありますが、判断力に優れているという意味ではリカルドと似たタイプの選手といえるでしょう。
もう一つ彼女の特徴を挙げれば、日本の中では比較的高身長のセッターだといえます。ブロックの能力が育ってきているので、ブロック力とトスワークの技術がもう少し上がっていけば、今後代表も目指せる選手だと思っています。
若い選手なのでまだまだ先の話かもしれませんが、メディアの皆さんを始めとして、少しずつ彼女のことを注目していただける機会が増えてきたのかなと思います。
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