2013-11-19 14:23 追加
全日本男子記者会見 グラチャンを迎えて
グラチャンを控えての全日本男子会見
全日本代表 男子
ゲーリー監督
今のところ怪我なく来ています。状態はとてもいいです。
――アジア選手権を終えて、あまり雰囲気はよくなかったと思いますが、監督の中でそれをかえることに努めたりはしましたか。
今回アジア選手権が終わってから一ヶ月近くあったので、その間にいろんな事を検証して、問題をフォーカスして練習してきました。
サイドアウトについては欧米に引けを取らないくらい上手くできていると思うので、やはりトランジションの時にサーブだったりブロックだったりのと頃でどうやって点を獲るかを意識しながら練習しています。
今までのサーブでもそれなりに自分たちにチャンスを作ることはできたと思うのですが、それをなかなか自分たちの得点につなげることができなかったというのが今までの反省。残念ながら今大会来るのは身長も大きいしトップのチーム。難しいと思うけど頑張ります。
我々に関しては、試合に全力でぶつかっていきたい。
――今までで苦労されているのは。
コミュニケーション全般。あとは、できるだけ選手達に責任を持ってもらうこと。実際にコートに立って戦うのは選手達ですから。その時その時に正しい判断をすることができるように話しています。
――出耒田選手を呼ばなかったのは。
学業の方を優先した。学業も大切なことだ。これがオリンピック予選のような試合だったらまた別だったかも知れない。
――サーブとブロックを重視してきたということですが。
サーブエラーがかなり多かったのでそれをなくすということ。それと、力と力ではなかなか叶わない相手だと思うのでもう少し戦略的にコースを狙うだとかスピードを変えるとか、変化をつける練習をしてきた。ブロックについては、やってきたのは目の動きというか、視野を広げるということ。できるだけいろんな所を見て視野を広げて判断するように言ってきた。
あとは日本がずっと培ってきた強いディフェンスを強化してやっていきたい。
米山
――今年控えながらもだんだん出番も増えてきて、ご自分の今の役割をどうとらえていますか。
やっぱり年齢も上がってきていますし、若手じゃないんでチーム全体を見る役割があると思いますし、プレイの面では計算できるプレイを求められていると思うので、それを果たしたいですね。
――今までと違っていることは。
自主性をかなり尊重してくれることですね。選手の意見をとても尊重してくれる。また、練習のスタイルも今まで日本でやってきたことと全く違いますね。
――米山さん自身もビックって打たれますよね?
はい、打ちます。
――今年になってビックという言葉が急に注目を浴びるようになりましたが、それは上手く回っていると思われますか。
パスが上手く帰っているときは上手く使えていると思いますけど、乱れたときはちゃんと使えていない。パスがしっかり返れば、というところですね。
――サーブレシーブに関してだいぶ変わったと他の選手にも聞いたのですが、フォーメーションも変わったのですか?
フォーメーションは特に変わらないですね。
――体を動かすのではなくて、腕を出す?
そうです。
――それは日本の従来のやり方とは全く違いますよね。
違いますね。
――だんだん慣れてきたところですか?
いや、まだ慣れてはいないです。でも一応サーブレシーブの要のつもりなんで(笑)、そこは頑張ります。
筧本
――代表としてはまだ日が浅いと思いますが。
率直に嬉しかったですね、選ばれて。目標だったので、一歩近づくことができたと言うことで嬉しかったです。
――自分の持ち味は。
僕の持ち味はブロックです。そこをしっかり見て欲しいです。
――JTからは越川くんと筧本くんだけですが。
そうです。ここで培った物をしっかりチームに持って帰って、リーグにも生かしたいと思います。
清水
――世界バレー予選でかなり辛い思いをされたと思いますが、どう切り替えました?
そうですね、やっぱりあんときっていうのは、チームとしてもしっくり来ていなかった。もう一度一人一人がしっかり意識してプレイしていったら結果もついてくると思います。
――ゲーリーの求めている攻撃というのはどんなものなのですか。
え? 攻撃? 安定してミスを連発しない、つなぐときにはしっかりつなぐプレイですかね。それでなおかつ勝負所ではしっかり勝負していく。
――先日隆弘君に取材したときに、あえてトスを短くしていると聞いたのですが。
そうですね……そうなんす。スタッフが求めているトスと、自分がしたいトスって違っているんです。それにあわせようとしてずっとやっていたら自分の調子やフォームが崩れてしまったり、自分のいいスパイクがだんだん打てなくなってしまって。だから、もう一回自分が欲しいトスを、自分がしっかりと力を発揮できるトスを要求しています。もちろんスタッフのリクエストもいいところは採り入れて。
――スタッフが要求しているトスってどんな?
なんていうんですかね、自分はスピードがあって、アンテナまで伸ばして、そういう感じ。スタッフのリクエストとしては、前衛でも結構離して、バックラインまでは行かないですけど、イメージとしてはそれくらいの感じで短めなんですね。だからその調整が難しくて。自分も多少短めには入っているんですけど。あとは、そこまで割らずに、いつも通りのトスを上げてもらってついてもらえば、自分は勝負できると思うんで。大会では相手のブロッカーとしっかり戦えるように、セッター以前の問題の所をしっかりレベルアップしていきたいですね。
千々木
――ゲーリーの特長は。
「リセットしろ」ってよく言われますね。ミスをしたあとすぐに次のプレイに切り替えること。基本的に午前ボールで午後トレーニングなんですけど、ゲーム練習が多いので、怪我につながらないようにというケアはしっかりしています。
――世界バレー予選のときは結構凹んでましたよね。どう切り替えました?
ああ…凹んでいましたね。僕そのあとユニバで東アジア競技会に行ったので、そこで切り替えられたかな。今年はシニアとユニバを行ったり来たりの年でした。グラチャンは今年最後の試合なんで気合いはみんな入っていますよ。全員、あんな、韓国戦みたいな試合はもう絶対!やらないって。僕らもしたくないですし、見ている人も気持ちはよくないと思うんですけど。やっている僕らが一番それは痛感していますから。練習からもっとムードを上げてやっていこうという感じになっていますね、今は。個人的にも、チームとしての思いも。
――グラチャンに向けて、どの選手に注目していますか?
国内で?海外で?
――海外で。
どこも注目したいです。ロシアのオポジットは2年前に中国でユニバーシアードで戦ったんですよね。ブラジルも中国で練習試合で対戦したメンバーとかがいるので、そういうメンバーには絶対負けたくないんですね。
――東京五輪が決まったことで新たな目標になりました?
遠すぎてちょっとわからないんですけど、東京五輪が決まったことで、逆に次のリオに絶対でなくちゃいけないなという気持ちが強くなった。東京にただの「開催国枠」じゃなくて、「リオに出たチーム」として出場しなくちゃ意味がない。そう思います。
ちょっと話が変わるんですけど、よく「世界と同じことをやっていちゃ勝てない」っていうじゃないですか。でも、最近僕それ違うと思うんです。まず、世界でやってることを現状では日本はやれてないですよね。だから、まずは世界がやっていることをできるようにしなくちゃいけない。それができていないのに、日本オリジナルとかいっていてもダメだと思うんです。その「世界でやっていること」を持ち込んでくれているのがゲーリーだと思います。だから、今までの常識が通用しなくて「え?」と思うことも多いですけど、それが今の世界の標準なんだったら、全力でついていくしかない。その先に、日本オリジナルでも何でもあると思います。
横田
――世界バレー予選のとき、チーム全体が沈み込む中で、一人だけ声を出して頑張っていらっしゃいましたね。
よく言われました。お前、声出し過ぎて浮いてたって。
――え、浮いてたというか…よく頑張ってらっしゃるなと思いましたよ。超劣勢な場面でも一人で声を出されていましたし。
僕はね、たとえ周囲から浮いて見えても構わないです。ああいう場面で自分が入るとしたら、できることは全部やらなくちゃいけない。プレイはもちろんのことですけど、ムードってすごく大切なことじゃないですか。だから笑われても、滑稽に見えてもいいから、声を出し続けよう、そう思っていましたし、今後もそうすると思います。
――今大会も厳しいカードが続き、厳しい場面での投入が予想されるわけですが…。
それ、僕がスタメンとれない前提で言ってますよね。
――え? いえ、あの、そういうわけでは…。
いいですよ。見ていてください。どんな場面でどういう役割でも、きっちりこなしてみますから。確かに言われるようにすごく厳しい戦いが続くと思います。でも、気持ちを切らさず、自分のいいプレイをアピールして、チームの勝利につなげたい。そう思っています。
聞き手:中西美雁
写真:FIVB 中西美雁
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