――今、誰に感謝の言葉を届けたいと思いますか？

江畑：トレーナーにはいちばんお世話になったので…。いちばん長い時間を一緒に過ごしましたし、私の知らないところで「私はエバさんを試合に復帰させることを目標にしています」というようなことを言ってくれていたようです。 それを聞いた時は嬉しい気持ちもありましたが、自分の中では引退することを決めていたので、「申し訳ないな」という気持ちもあり、複雑な感じでした。

――先ほど思い出に残る試合を挙げていただきましたが、その中でも特に忘れられない試合は？

江畑： やっぱりオリンピックの中国戦は私も印象に残っていますし、多分、「その試合を見てましたよ」と声をかけていただくことがいちばん多かった試合です。その試合を見て私のファンになってくださったという方もたくさんいますし、 他の試合もたくさんありますが、いちばんと言われればその試合かなと思います。

――江畑選手にとって、競技生活の中でオリンピックに出場したこと、そしてメダルを獲得したことの意味は？

江畑： 私は小さい頃から家でバレーボールの試合をテレビで見ていて、「いつかこの中でプレーする選手になりたいな」と思っていました。その夢が叶って、オリンピックという舞台に立つことができて、みんなで力を合わせてメダルを獲得できたことはすごい経験をさせていただいたなと思っています。

――これまでのバレーボール人生を振り返って、一言で表すと？

江畑：周りの方に恵まれ、たくさんの方々に応援していただき、自分の名前（幸子）にもある通り、幸せなバレーボール人生だったと思います。

――引退するにあたって悩んだこと考えたこと、そして決め手になったことは？

江畑：本当は今年のリーグ中に開幕戦には間に合わなくても、途中のどこかで復帰できたらと思っていたのですが、リハビリがなかなか順調には進まなくて、昨年末くらいに、その時の自分の状況と残りの試合の日程を考えた時に、今シーズン中の復帰は難しいと思いました。また来年、もう一度頑張ろうというイメージがなかなか湧かなかったので、 今シーズンでの引退を決めました。

――バレーボールはご自身にとって、どのような存在でしたか？

江畑： 私はバレーボールを通して、たくさんの方々と関わることができました。バレーボールはボールをつなぐスポーツですが、人と人との心をつなぐこともできる素晴らしいスポーツだと思います。このスポーツができたことを本当に嬉しく思っています。

――地元・秋田の方々に向けて。

江畑：私は高3まで秋田で過ごし、地元の方々に応援していただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。今後たくさん応援していただいた秋田の方々にも恩返しができたらいいなと思っています。これからも時間がある時には秋田に帰って、子どもたちのバレーボール教室などに積極的に参加できればと思っています。ぜひ、秋田出身のVリーガーやオリンピックに出場する選手が増えてほしいなと思っています。

――子どもの頃にテレビでバレーを見ていて憧れていた選手、あるいは選手になってから影響を受けた先輩の選手などがいましたら教えていただけますでしょうか。

江畑：私が小学生、中学生の頃から全日本選手として活躍されていた竹下佳江さんは、まさか自分が一緒にプレーできるとは思っていませんでした。私が初めて日本代表に選ばれた時、テレビで見ていた方と一緒にプレーできたことはすごく嬉しかったです。

ここで、PFUの寺廻太強化部長から花束の贈呈があり、コメントもあった。コメントは以下の通り。

寺廻：エバ（江畑）は6年前にフランスのカンヌでプレーしていた時、私がカンヌまで行ってスカウトしました。できればエバがいるうちに日本一になりたかったのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。でも、努力を継続し、日本一を目指して、坂本将康監督のもと、力をつけて日本一を目指してやっていこうと思います。
エバは怪我が多くて苦労したと思いますが、治してコートに立ちたいという気持ちを前面に出して頑張っていました。6年間、石川で頑張ってくれたことを私は誇りに思います。本当にお疲れ様でした。ありがとう。

　最後に、江畑選手から以下のメッセージがあり、会見が締めくくられた。

江畑：会見中も話しましたが、本当に私のバレーボール人生は自分の名前にもある通り、幸せなものでした。たくさんの皆さんに支えていただき、応援していただいて感謝しています。 ありがとうございました。

写真提供：PFUブルーキャッツ

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