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コラム

2021-04-16 12:02 追加

元ブラジル代表名物監督のベルナルド・レゼンデ 仏代表監督で国際舞台へ復帰

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■東京五輪に向けたブラジルチーム

度胸もあり、ブロックの高さも魅力。 撮影:Wander Roberto/Inovafoto/CBV

4月14日現在、ブラジルでは男子スーパーリーグ決勝が始まり、女子、男子とも徐々に代表チームの招集メンバーが集合し始めたところだ。注目が集まるのは、女子は、17歳になったばかりのアナ・クリスチーナ・ソウザ(OH/OP、192cm)だ。ジュニア時代から頭角を現し、1年レゼンデ監督のクラブチームでレギュラーを務めて、ついに代表入りを果たした。高さのある破壊力はチームに大きなプラスだ。また39歳MBカロリーナ・ガタッスの8年ぶりの代表復帰もいい刺激だ。五輪中に40歳になるベテランはスーパーリーグ2連覇に大きく貢献し、Sマクリス・カルネイロとのコンビもばっちりだ。

男子では熾烈なOP争いが予想される。2019年W杯最優秀選手のアラン・ソウザ、控えの選手だった大型サウスポー、フェリペ・ロッケの急成長、高さ、安定ぶりは目を見張るものがある。ベテラン、ワラセ・デ・ソウザも加わり、誰が東京行きに入るのか注目される。

■1日も早いプロトコルを
約6ヶ月間のスーパーリーグでは、男女選手、スタッフあわせて約140人のコロナウイルス感染者が出た。PCR検査の義務がはじめ2週間に1度だったことや、従来のホーム&アウェー形式で、集団移動やホテルの相部屋が多かったことが原因ではないかと言われている。グループに分け、いくつかの試合をまとめてやったバスケットボールでは96人だった。

バレーボールでは陽性反応が出た場合、その選手のみ10日間隔離で、他の選手は同居などの濃厚接触者に当てはまらなければ、そのまま試合に出場できる。陽性反応がチームで4人以上、もしくはセッターが2人感染の場合は試合が延期になった。スーパーリーグは準決勝以降、リオ郊外のバレーボール専用トレーニングセンターで、出場チームを隔離して試合をしている。東京五輪前もここで合宿、隔離の後に出発となるだろう。日本ではブラジル大統領の言動が大きく伝えられているが、感染対策は州ごとに異なり、サンパウロ州の様に日本よりはるかに厳しい所もある。誰もがマスク無しで出歩いているわけではない。選手も感染が増えてからは生活全般により一層の注意を払い、試合中にマスク着用の選手も増えた。

ブラジル五輪委員会は昨年から一貫して、「選手の安全が保障されなければ、派遣しない」という姿勢だ。今年2月に東京2020組織委員会から公表されたプレイブックについては、「禁止なのか、お願いなのか、罰則があるのかなどいくつか曖昧な点がある」という意見がでた。

東京五輪についてのニュース。中でも、海外からの観戦禁止には選手もチケットを買った人もがっかりした。   撮影:筆者

日本の報道で「東京五輪は安心、安全」という言葉を繰り返し聞くが、あまりにも漠然としている。体操やテニスなど実施された数少ない世界大会の中から成功例ばかり見ず、残念ながら感染者が多数出てしまったスーパーリーグの様な例もしっかり検討し、対策に役立てて頂きたい。先に述べた感染者隔離の期間や規定は、世界各国、競技によっても様々な違いがあるだろう。例えば、監督が感染した場合、選手は濃厚接触者でも陰性ならそのまま試合を続けていいのか、競技の違う相部屋の選手が陽性の場合どうなるのか、再検査を申し出ることはできるのかなど、1日も早く詳細なプロトコルを示す必要がある。そしてプロトコルを十分に周知させることが、何よりも大事だ。個人的意見を言えば、今の世界の感染状況で開催するのは無理があると思う。それでも開催するのであれば、誰もがわだかまりが残らない大会を願っている。

取材:ブラジル在住 唐木田 真里子

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