2021-07-29 12:19 追加
河野裕輔のエール!第4稿 サーブで鍵をこじあけろ!! イタリア戦振り返り
全日本代表 男子
◆日本に見えた光明
日本が強豪国と試合をする場合、今まではとにかく「高さとパワーにやられた」との表現をよく目にしていたが、今回については高さ負けでもパワー負けでもない。「システムの崩しあい」において相手が勝ったのだ。サーブの殴り合いに負けたからトータルディフェンスにおいてイタリアがより優位だったし、4枚攻撃を仕掛けられる回数で負けたからレセプションアタックの決定率もイタリアが勝った。
最も重要な「サーブ」という要素において、日本はまだまだ進化の余地があると考える。ボールコントロールや、A/Bパスが供給されたときの攻撃は決して引けを取るものではなかったし十分ブロックもできていた(石川や高梨がザイツェフをブロックした時は本当に震えた)。さらにディグにおいても、ディフェンスシステムが機能した時は十分対応できていたし、システムにはまらなかった時でもL山本を中心にディグで対応できているシーンは沢山あった。これは高さ負けでもパワー負けでも何でもない。正々堂々システム勝負を挑んだ結果であるとの証明になるであろう。
◆もう一段階日本が「超進化」するために
今日の敗戦は、冒頭にも述べさせてもらったがワンチャンスあるかな?と思っただけに個人的にものすごく悔しい。ものすごく悔しいが、この先日本が進むべき道を見せてもらったような気がしている。日本は4枚攻撃やトータルディフェンスに取り組んでまだ数年。強豪国は10年以上前から取り組んでいる。ここの「慣れ」という要素においては現時点ではどうすることもできないが、精度を上げるための微調整については可能であると考える。例えばリードブロックで2枚来るのであれば、Bickを打つコースをもう10センチ厳しくする、というように。
◆総括して
結果は悔しい1‐3負けではあるが、日本にとっての収穫が全くない試合ということではない。一番うまくいかなかった要因は「サーブで殴られたこと」であるが、これは現代バレーにおける「システムの崩しあい」においてどのチームも同じである。だからこそサーブ戦略の重要性は増す一方であるし、レセプションアタックにおける攻撃枚数確保は標準装備していないと勝つことは難しいといえる。今日の試合において、日本がやりたかったことのほとんどをイタリアがやって見せてくれた。それは戦術遂行だけではなく遂行時の精度も含めて。いつか絶対にやり返そう。今の日本ならそれができる。まだまだ進化の途中なのだから。
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