2022-05-20 07:00 追加
姫路・荒谷栞「ファンの皆さんにはとにかく待っていてください、という一言です」
ヴィクトリーナ姫路・荒谷栞コメント
SV女子
「2021-22シーズンは飛躍の年になるだろう」
「活躍次第では代表に選出されるのではないか」
ヴィクトリーナ姫路のミドルブロッカー、移籍加入2年目、チームの副主将も務める荒谷栞には開幕前からファンの注目が集まっていた。
東京オリンピック後、代表チームは新たな編成に入る。
23歳。サイドもミドルもこなすマルチプレーヤー。ポジションにこだわらない活躍が期待できる荒谷を次代の代表中心メンバーに推すファンの声は以前よりあった。加えてチームのオーナーである眞鍋政義氏が日本代表監督に電撃就任。その背景も後押しして、開幕戦を迎える荒谷へファンの期待感はより一層高まっていた。
「ポジション6のところで点数が取れる選手が欲しかった」
中谷宏大前監督は、荒谷栞を獲得した理由についてそう説明した。攻撃力に定評がある荒谷は優し気な顔つきとは裏腹に強いハートを持つ選手でもある。
荒谷は前所属のNECレッドロケッツ時代から「チームの軸になりたい」と話していた。活躍の場を求めてヴィクトリーナ姫路に移籍して迎える2シーズン目、その真価を発揮する舞台は用意されていた…はずだった。
10月15日、Vリーグ開幕戦。対戦相手は東レアローズ。その第1セットでのことだった。
スコアは16-18で姫路のリード。姫路のセッター櫻井美樹が背面トスでライトサイドに配球する。スピードのある助走からブロードに荒谷が跳ぶが、スパイクがハードヒットしない。荒谷は不自然な着地体勢を取り、膝を抱えてコートに崩れ、苦悶の表情で天を仰いだ。
「やってしまった」
多くのファンが会場で、あるいは配信のモニター越しに悲鳴をあげた。
「よりによって、荒谷」
もちろん、怪我をして構わない選手がいるわけではない。しかし、今シーズン注目の選手が開幕戦、しかも第1セットで大きな負傷をするのを見て「よりによって」と言いたくなるのは…それもまた嘘偽らざる感情であろう。
診断結果は左膝前十字靭帯断裂および半月板損傷。満を持して臨んだシーズン、荒谷の出場は開幕戦のわずか1セットのみに終わった。
その後、欠場を余儀なくされた荒谷選手。どういう心境でシーズンを過ごしていたのか。5月1日、黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会の最中ではあったが、チーム及び本人のご厚意を受け、話を聞く機会を得た。
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