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コラム

2022-10-16 17:13 追加

女子バレー世界選手権 セルビアが連覇、ブラジル悲願の初優勝ならず

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■決勝ブラジル対セルビア

優勝トロフィーの横を通って入場する選手たち

 セルビアはOHにより攻撃的なロゾをいれ、要所でミレンコビッチで守備を固める布陣できた。
第1セット、セルビアのサーブやスパイクミスでブラジルが7‐3とリードする。しかし、セルビアはMBステバノビッチが1枚でブラジルのOHガビを止め、ブラジルのレセプションが向こうへ返ったチャンスボールをOPボスコビッチが決めて10-11と逆転する。ブラジルも離されずについていき、OPロレーニのバックアタックで17-16と逆転する。ブラジルのOHガビがブロックされ、セルビアがセットポイントを握るも、サーブのミスとスパイクアウトで24-24の同点になる。しかし、ブラジルのレセプションが乱れ、OHガビのスパイクがブロックタッチなしのアウトになり、セルビアが先制する。

 第2セットも序盤はブラジルがリードする。セルビアのOHロゾの強打をレシーブしたブラジルはOHガビが決め、9-5となる。セルビアのOHブサのサーブがアウトになり、OPボスコビッチのパイプも止められ16-13とブラジルがリードを保つ。ここからMBステバノビッチのサービスエース2本を含め、セルビアが7連続得点と16-20とブラジルを引き離す。ブラジルは途中で入ったOHタイナラの強烈なサービスエースで22-22と追いつくも、OPロレーニがセルビアのMBステバノビッチにブロックされ、2セット目も失う。

 第3セットは、セルビアがリードする。ブラジルがOPボスコビッチを拾い攻撃につなぐも、またしてもMBステバノビッチにブロックされる。ここでタイムをとったブラジルのギマラエス監督は、セルビアのブロックの腕が閉じているので、腕の間より二人の間を狙うように指示する。タイム開けにOHタイナラが指示の通り、ブロックの間を抜きスパイクを決め、4-6まで差を縮める。しかし、ブラジルはセルビアのMBポポビッチの速い攻撃を止められず、オーバーで取ろうとしたレセプションを後ろへはじくなど、セルビアに連続得点を許し、8-16と大きくリードを許す。さらにブラジルのフェイントを拾ったセルビアはOPボスコビッチがノーマークで打つ、ブロックが3枚跳べばその横を抜かれるなど、ボスコビッチに翻弄され14-21と終盤に入る。最後はOPボスコビッチのスパイクをブロックに当てるもボールはブラジルコートに落ち、0-3でセルビアが優勝した。

 セルビアのアグレッシブなサーブに、ブラジルは得意のMBが使えず、加えてOHガビのマークもきつかった。ブラジルはメンバーチェンジで流れを変えようと試みるが、セルビアのブロックとOPボスコビッチの前に為す術がなかった。
オランダに全24カ国が集合し開幕した世界選手権。セルビアはその後、ポーランドで準決勝まで戦い、またオランダに戻るという移動を強いられたが、12試合全勝で連覇を飾った。

■試合後のコメント(Volleyball Worldとブラジル協会のインタビューより)

今大会はキャプテンとしてもチームを引っ張ったOPボスコビッチ

●セルビアのキャプテン、OPティヤナ・ボスコビッチ:「言葉になりません。選手たち、チーム、エネルギー……。私たちは1つも負けずに優勝したんです。このチームの一員であることを本当に幸せで、誇りに思います。この3週間、私たちを支えてくれた全ての人たち、特に家族に感謝したいです」

ブロック部門トップのMBカロル。決勝では2本のみと本来の力が不発に終わった。若手MBの更なる成長もブラジルの課題

●ブラジル、MBカロリーナ(カロル)ダ・シルバ:「この大会の道のり、特に試合に向かう姿勢を幸せに思います。満足して終えたわけではありません。金メダル、そして初優勝のタイトルが欲しかったけれど、チームで勝ち取った銀メダルはとても価値があります。スタッフも選手も最大の結果を求めていました。私たちのチームは強いし、まだまだできると思います。チームのみんなにおめでとうと言いたいです」

■最優秀選手とドリームチーム(各ポジションの優秀選手)
S ボヤナ・ドルカ(セルビア)
OP ティヤナ・ボスコビッチ(セルビア)
OH ガブリエラ(ガビ)・ギマラエス(ブラジル)、ミリアン・シラ(イタリア)
MB アナ・カロリーナ(カロル)ダ・シルバ(ブラジル)、アンナ・ダネージ(イタリア)
L テオドラ・プシッチ(セルビア)
MVP大会最優秀選手 ティヤナ・ボスコビッチ(セルビア)

■大会最終順位
優勝セルビア、2位ブラジル、3位イタリア、4位アメリカ、5位日本、6位中国、7位ポーランド、8位トルコ
以下は2次ラウンドで敗退。
9位ベルギー、10位カナダ、11位ドミニカ、12位オランダ、13位タイ、14位ドイツ、15位プエルトリコ、16位アルゼンチン
以下は2次ラウンドに進めず、1次ラウンドの成績で決定。
17位ブルガリア、18位チェコ、19位ケニア、20位韓国、21位コロンビア、22位クロアチア、23位カザフスタン、24位カメルーン

取材:ブラジル在住 唐木田 真里子
写真:Volleyball World

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