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コラム

2023-10-12 03:29 追加

バレーボール男子、パリ五輪予選で出場国6カ国が決まる。昨年の世界選手権優勝のイタリアは予選で出場権獲得ならず。ドイツ・グロゼル「夢か魔法のような気がします」

パリ五輪予選で出場国6カ国が決まる

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満員の観衆の前で五輪出場を決めた日本。チームを引っ張ったキャプテン・石川のサーブ

 バレーボール男子パリ五輪予選は、24カ国が3つのグループに分かれ、各々の上位2チーム、計6チームがパリ五輪の出場権を獲得した。日本のいるB組は、アメリカが先に2位以内確定で五輪出場を決め、残る1枠を日本とスロベニアが直接対決となった。日本は3-0(25-21、25-22、25-18)でスロベニアを振り切り、パリ五輪出場を決めた。

■快進撃のドイツ、カナダ
●各組の順位
【A組】
1位ドイツ、2位ブラジル、3位キューバ、4位イタリア、5位ウクライナ、6位チェコ、7位イラン、8位カタール

 ブラジル、イタリアを倒し4連勝としたドイツがそのままの勢いで全勝し、1位となった。代表に復帰したOPグロゼルの強打だけではなく、全員のブロック、守備から攻撃につないでいった。主将でセッターのカンパが負傷で4試合目からベンチを退いたが、控えのティリが奮闘した。残る1枠を最終日にブラジル、イタリア、キューバで争うことになったが、第一試合でブラジルがフルセットでイタリアを下し、パリ行きを決めた。昨年の世界選手権優勝のイタリアは、今回の予選で出場権獲得には届かなかった。ブラジルとイタリアの勝敗を分けるカギとなったのは前日の6試合目だった様に思う。イランを下したブラジルは久しぶりにサーブがさえ、ブロックも出て、「よし、明日(イタリア戦)も行けるぞ!」と手応えをつかんだ。対するイタリアはキューバに敗れ、OPロマノが不発に終わり、Sジャネッリもミスやネットから離れたトスなど不安定さを見せ、追い詰められた状態で最終日に臨んだ。試合は、イタリアが2、3セットはスピードのある攻撃やブロックで圧倒するが、4セット目に入りブラジルが息を吹き返した。最終セットは互いに1点を争う攻防になるが、最後はイタリアのトスが低く打ち切れないところをブラジルがブロックでマッチポイント、ブラジルのサービスエースで幕を閉じた。

予想を上回る結果を残し涙と笑顔のドイツチーム。五輪マスコットと三角帽子のポーズで記念撮影

【B組】
1位アメリカ、2位日本、3位スロベニア、4位トルコ、5位セルビア、6位フィンランド、7位エジプト、8位チュニジア

 アメリカが着実に白星を重ね全勝1位で出場権獲得。日本は序盤のエジプト戦で思わぬ黒星を喫したが、チーム一丸となり集中して、2位に入った。スロベニアは、昨年の世界選手権4位、先月のヨーロッパ選手権で3位となり、五輪の大舞台へ挑戦したが、出場は来年のランキング次第となった。

東京五輪では10位に沈んだアメリカ。さらにチームの充実を目指し、雪辱を期す

【C組】
1位ポーランド、2位カナダ、3位アルゼンチン、4位ベルギー、5位ブルガリア、6位オランダ、7位中国、8位メキシコ

 主将のOPクレクをケガで欠いたポーランドだったが、代わりに入ったカチュマレクの活躍や選手層の厚さ、経験を見せつけ全勝した。序盤からカナダがOHマアー、レプキーを中心に波に乗る。ベルギーもカナダとの直接対決を制し、2位に浮上する。しかし、ベルギーは最終日の対ブルガリア戦で、惜しくもフルセット負け。メキシコを破ったカナダが2位に逆転で上がり、出場権を獲得した。アルゼンチンはカナダと同じ5勝を挙げるもフルセットの試合が多く、ポイント数で遅れをとった。

 ドイツ、ブラジル、アメリカ、日本、ポーランド、カナダが出場権を獲得した。出場12カ国のうち開催国フランスを含め7カ国が決まり、残る5枠は、来年の6月ネーションズリーグ(以下、VNL)の予選ラウンドが終わった時点の世界ランキングで決まる。今回、出場権を獲得できなかったアフリカ大陸の最上位国に1枠割り当てられる。残る4枠をイタリア、アルゼンチン、スロベニア、セルビア、キューバ、オランダあたりが競うことになりそうだ。
長丁場で世界を転戦するVNLでは、各国とも若手を試したり、遠方の開催地にはベテランを温存するなどして戦っているが、ランキングを上げるためには、第1週から全力でいかなくてはいけない。欧州のリーグで準決勝や決勝に残るチームの選手は、休む間もなく国際シーズンに突入することになり、選手のコンディション作りが課題となる。

欠場したクレクに代わり活躍したカチュマレク(5番)

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