2024-02-13 07:00 追加
日立Astemoリヴァーレ・野中瑠衣「チームにはまだ足りないところがある。根本から変えていくような改革が必要だと思っている」 Ⅴ1女子
日立Astemoリヴァーレ 野中瑠衣コメント
SV女子
2月10日、対JTマーヴェラス戦(0-3での敗戦)をもって日立Astemoリヴァーレの2023-24Vリーグレギュラーラウンドが終了した。
来季からはSVリーグを軸とする新リーグ構想がスタートする。
代表選手の一部が不在となるカップ戦、VCupを残すものの、事実上、日立Astemoリヴァーレにとって現行のVリーグは終了したといっても良い。
2020-21シーズン 8位
2021-22シーズン 7位
2022-23シーズン 7位
「毎年、同じような順位で終わってしまう。今年こそ一段階上に行きたい」
自分たちを変える、今までのリヴァーレを超えるというテーマに対して長内美和子主将、オクム大庭冬美ハウィ選手、齋藤加奈子選手など、各人が強い思いを持って臨んだシーズンだった。
2023-24シーズン 7位
突きつけられた現実は、酷なものであった。
選手は成長を続けている、チームは確実に強くなっている。
以前に比べて自分たちで崩れてしまうことも、「後半から猛追するが届かない」もどかしい展開も減った。
前監督の多治見麻子氏が育ててきたものを、中谷宏大監督が引き継ぎ、花開くシーズンになる。
今季はその姿を見るはずだった。
2月4日、埼玉県立武道館での埼玉上尾メディックスとの試合は矜持と意地のぶつかり合いになった。
埼玉上尾メディックスのエース、佐藤優花選手が得点を重ねると、日立Astemo長内美和子主将が魂のこもったスパイクをコートに突き返す。
観客の胸を打つ、激闘。
埼玉上尾 22-25、31-29、25-23、33-31 日立Astemo
結果は3-1で埼玉上尾メディックスが勝利したが、双方一歩も譲らない、バレーボールの魅力が詰まった試合だった。
日立Astemoリヴァーレは今年も優勝圏内から外れてシーズンを終えた。
今季、オポジットのポジションに定着し、攻守の柱として成長した野中瑠衣選手は埼玉上尾戦でもサーブで大きく貢献し、存在感を示した。
野中選手は2024年度の日本代表にも追加選出され、注目度も増した。彼女自身にはキャリアアップのシーズンになったが、チームが抱える悔しさを彼女もまた噛みしめていることだろう。
野中選手は常に「変わるための何か」を求め続けてきた選手でもある。
「リヴァーレが変わるために何が必要か?」
埼玉上尾戦後、野中瑠衣選手に聞いた。
「スパイクが決まったとか決まらないとか、トスを持っていけたかとかそういう試合の中での結果に目が行きますが、大事なのはチームの文化なのかなと思います。
練習への取り組み方だったり緊張感だったり。
正直…私はチームにはまだ足りないところがあると思っています。
リヴァーレの良さは残しつつ、そういう部分を根本から変えていく。チームの改革をしっかりやっていかないとずっとこうなってしまうのかな、と思います。
オフシーズンも含め、今季も自分たちがやれることはもちろんやってきました。選手個々にフォーカスしても本当に一人ひとりが昨シーズンとは全然違うと思っています。
でも、それでもやっぱり勝ちきれない。
リヴァーレはサイドに外国人選手がいません。自分たちはそういうチームです。それを勝てない言い訳にはしたくないんです。
良い時にできていることを常に継続していくための努力、そういうチームの文化が必要なのかなと思います」
「チームに来て、初めてわかったこともあった」
ある日の会見で、中谷宏大監督がそう呟いたのを記憶している。
具体的な話には触れなかったが、おそらく野中選手のコメントの中に、それは内包されていると感じている。
シーズンを総括する激闘の後、酷な質問になってしまったが、正面から答えてくれた野中選手、日立Astemoリヴァーレの各選手に改めて感謝したい。
文責・撮影 堀江丈
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