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コラム

2024-06-11 12:38 追加

ネーションズリーグ女子第3週 五輪切符は誰の手に

VNL女子福岡大会 コラム

全日本代表 女子

頼もしさが増した主将の古賀(写真:FIVB)

バレーボールネーションズリーグ(以下、VNL)、日本女子、第3週は男子に引き続き福岡県北九州市で行われる。予選ラウンドは1週間に4試合を3週行い、16カ国がそれぞれ12試合を戦って、上位8チームが決勝ラウンドへ進む。日本は2週を終え6勝2敗、4位で残り4試合に臨む。また、予選ラウンドが終了した時点の世界ランキングで、パリ五輪出場の残る5カ国が決定する。

■絶対に落とせない韓国戦

VNLの順位より気になるのは、五輪出場権をかけた世界ランキングだ。日本は6位で最終週に入るが、7位の中国とはわずか2.05ポイントしか差がない。今週の日本の対戦相手を見てみよう。

韓国のカンソフィ。チームの表情も昨年より明るい( 写真:FIVB)

まずは韓国戦。韓国は世界ランキングが38位のため、ここで負ければ大きくポイントが減点されるので、負けられない試合だ。第1週目では、タイが韓国に敗れ大きくポイントを落とした。韓国はこのタイ戦の勝利で30連敗を止めたが、その後勝ち星はない。今年からプエルトリコ人のモラレス監督に交代し、監督が目指すのは、どこからでもむらなく攻撃し、守れるチーム。OHカンソフィのスパイクとMBリダヒョンのブロックでチームを引っ張る。惜しくも負けたブルガリア戦でもいいブロックが出ていた。五輪出場はもう望めないので、日本戦には失うものはないと向かってくるだろう。

カナダのバンライク(左)とグレイ(写真:FIVB)

カナダは、五輪出場では常に北中米大陸予選でアメリカやキューバ、ドミニカ共和国などの後塵を拝してきた。東京五輪以降、最も成長した国として挙げられるだけに、なんとしてもパリ行きを果たしたい。カナダはチームに1、2人と特出した選手がいても後が続かず、やがてそのチームを引っ張る立場の選手がビーチバレーへ転向してしまうという様な事が繰り返されてきた。ここにきて、どのポジションもしっかりメンバーを揃えているのが、近年の強さだ。主将のグレイ、バンライクと強力なスパイカーに加え、彼女たちを操るのがセッターのキングだ。ここまでのVNLの総得点ランキングで2位古賀紗理那、3位バンライク、5位グレイときているので、彼女たちの打ち合いは見所の一つだ。また、チーム全体でサーブがいいので、要注意だ。カナダはメンバーが揃ったはいいが、ほぼ不動のスタメンで連戦しているので、ここにきて疲労はどうだろうか。中国戦では集中して存分に力を発揮できた面がある一方、出場権に向けてのプレッシャーもあったのか、アメリカ戦では、ミスの連発で自滅した。日本は自分たちのミスで相手に楽に点を与えないように集中したい。出場権がない国同士の大一番となるが、日本は観客の声援を背に、相手の気迫に飲まれないよう自信をもって、攻めていきたい。

ブロックトップをいくクルタギク(11番)と若手が力を出せるようにチームをまとめるビジェリカ(13番)[写真:FIVB]

セルビアは例年通りエースのボスコビッチを入れずに、週ごとにメンバーを上げていくやり方だ。主将のビジェリカやラゾビッチと共に、OHウゼラック、MBクルタギクと二人の19歳を起用している。特にクルタギクは1試合当たり4.12本のブロックと2位に差をつけブロックランキングのトップにいる。ネットの幅いっぱいに使ってくる攻撃に、日本のブロックも遅れずについていきたい。日本はブラジル戦で見せたエンドラインにハーフスピードで落とすような、イン? アウト? と迷わせる奥深い球やインナーに打ち込んだり、ストレート、クロスと攻撃をコート全面に散らしていきたい。同様にサーブも緩急、強弱織り交ぜて相手の守備を崩していきたい。

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