2026-01-22 13:04 追加
KUROBEアクアフェアリーズ富山・川北元(かわきた・げん)監督「バレーボールというのはプレーへの情熱と、自分が持っている良さをシェアしながら、みんなに繋げていくものなんです」 SV女子
KUROBEアクアフェアリーズ富山・川北元監督インタビュー
SV女子
「本当はちょっと休もうと思っていたんですよ」
バレーボールSVリーグ、KUROBEアクアフェアリーズ富山の指揮官、川北元氏はNEC川崎戦後の記者会見でそう教えてくれた。監督就任の経緯を聞かれてのことだ。

前年度である2024-25シーズンより、川北は北陸の中堅チーム、アクアフェアリーズの監督に就任した。
かつてデンソーエアリービーズで指揮を取り、その緻密なバレーでデンソーを「勝てるチーム」に磨き上げた。
指導者キャリアは豊富だ。日本代表の重要なスタッフを歴任したばかりでなく、国際経験もある。直近ではロンドン五輪のリーダーコーチを務めた。
語学にも堪能で、国際試合では通訳なしでインタビューに答える姿が映し出されたこともある。
「オリンピックも終わった後だったので休養しようかな、と。そんな時にアクアフェアリーズから”どうしてもこの街をバレーボールで盛り上げたい。そのために力を貸してほしい”というお話をいただいて」
川北は「少し長くなってしまいますが」と前置きをして言葉を続ける。

「バレーボールで街を盛り上げたいという、そういった考えがまず素晴らしいなと思いました。そして、バレーボールを生業にする私としてはバレーボール人としてその気持ちがとてもありがたいと思ったんです」
川北は対戦相手としてアクアのことを見てきた。率直に言えば”なかなか勝てずに苦しんでいるチーム”という印象だったという。
監督をするならば、エリート指導者である川北には海外も含め他の選択肢もあったであろう。無論、当初の思い通り何も選ばないこともできた。それでも川北はアクアフェアリーズを率いて戦うことを選んだ。
「孔明の出廬」ではないが、川北はチームの熱烈な求めに応じ、腰を上げて北陸富山の地を目指した。アクアの熱意がバレー界きっての知将に届いた形となった。
「みな少しでも上手くなりたいという気持ちのある選手たちです。本当に毎日ベストを尽くして努力をしてくれています。そんな姿を見て、私も微力ではありますけれども、黒部という街をバレーボールで盛り上げられるように努力したい、と思いました。選手が活躍することで、地域の人が盛り上がってくれたらとても嬉しいですね」
さまざまな苦労を経て入団した選手もいますし、まだまだ成長しなきゃいけないところはありますけれども、と川北は微笑する。
思えば伴侶である美雪さん(デフバレーボール女子日本代表監督/2025年デフリンピックで金メダルを獲得)も苦労人と言えるだろう。美雪さんは日本代表のスター選手であった狩野舞子さんの姉でもある。自身、キャリアの後半こそ常勝・久光製薬スプリングス(現SAGA久光スプリングス)に所属し、オリンピアンにもなったが、バレーボーラーとしては遅咲きのプレーヤーだった。Vリーガーとしてデビューし、長く所属した茂原アルカスでは廃部も経験している。
「私の力不足でチームの飛躍を信じて待ってくれている町や関係者の方々には申し訳ない気持ちです。ですが、自分も一緒に成長する場所としてこのチームを率いています」

就任後、KUROBEの改革に着手し、結果を出しつつある。本来なら川北が志向する緻密なバレーには時間がかかるはずであろう。
「何を変えたのですか?」との問いに川北は少しばかり視線を遠くに向けて答えた。
「バレーボールというのはプレーへの情熱と、自分が持っている良さをシェアしながら、みんなに繋げていくものなんですよね。それがバレーボールの良さだと思っています。選手たちのいいところをかき集めて、苦手な部分はみんなでカバーしながら取り組むことで、一点一点に繋がっていく。だから自信を持ってやってくれたらいいなと、そこだけを本当に注力してここまでやってきています」
強豪・NEC川崎を相手に川北はフロントオーダーとバックオーダーを駆使して対抗した。
それは意表を突いた奇策というわけでなく、今いる選手をもっとも活かすために選んだ戦術だった。
川北元のタクトは黒部峡谷に住みなす水の妖精たちをコートで自在に舞い踊らせる。
撮影 堀江丈
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