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ゲームレポート

2015-06-26 19:18 追加

帰ってきた女たち&全日本女子ブラジル遠征練習ゲームレポート

Others / 全日本代表 女子

■やるからには誇りを持って 日本戦に選ばれた新しいメンバーたちは誰もが同じ思いを持っていた。「ベテランがいないから弱くなったと言われたくない。ブラジル代表と名乗るからには勝たなくてはいけない」と。 【第1戦リオデジャネイロ州サクァレマ市】 日本3(25-23、28-26、25-10、21-25、11-15)2ブラジル(※日本が3セット連取したが、そのまま続けて5セット形式で行われた)。 ブラジル代表のトレーニングセンター内にて無観客で行われ、日本が3-2で勝利した。この日が今年初めての試合となるブラジルは、試合感覚やリズムがつかめず苦戦する。 【第2、3戦サンパウロ州カンピーナス市】

「アジアのチームのスピードあるバレーはいつも僕の理想です」優しい笑顔のアンドレ・エレー。古藤選手、藤田選手と練習日に記念撮影。撮影:Brasil Kirin/Divulgacao

「アジアのチームのスピードあるバレーはいつも僕の理想です」優しい笑顔のアンドレ・エレー。古藤選手、藤田選手と練習日に記念撮影。撮影:Brasil Kirin/Divulgacao

カンピーナス市は日系人も多く、ブラジルのスーパーリーグ男子ブラジル・キリンの本拠地である。今回の親善試合は日本ブラジル外交関係樹立120周年記念行事のひとつとなっており、カンピーナス市がブラジル・キリンと協力して誘致を行った。元代表Sマウリシオ・リマやMBのアンドレ・エレーはブラジル・キリンと共に市のスポーツプロジェクトに参加しており、今回の試合の実現に一役買った。二人とも、「日本には何度も試合で行ってお世話になりました。昨年の男子チームに続き、女子チームも来て下さって、今度は自分たちが皆さんのお手伝いができて嬉しいです」とニッコリ。 ●第2戦 日本2(18-25、22-25、25-14、28-26、12-15)3ブラジル

「もっとバックアタックの本数を増やしたい」と迫田選手。撮影:Alexandre Arruda/CBV

「もっとバックアタックの本数を増やしたい」と迫田選手。撮影:Alexandre Arruda/CBV

声を出して盛り上げる座安選手。撮影:Alexandre Arruda/CBV

声を出して盛り上げる座安選手。撮影:Alexandre Arruda/CBV

堂々のデビュー戦の左からWSオリベイラ(陰になっているのがLシルバ)、WSコスタ、MBブルッシュ。新人を支えたSリンスと復活のOPシルバ。撮影:Alexandre Arruda/CBV

堂々のデビュー戦の左からWSオリベイラ(陰になっているのがLシルバ)、WSコスタ、MBブルッシュ。新人を支えたSリンスと復活のOPシルバ。撮影:Alexandre Arruda/CBV

第1セットは序盤石井の好サーブで5-1と日本がリード。ブラジルのブロックが決まりだし、日本は攻撃が単調になる。WSコスタがビーチバレー仕込みのフェイントのうまさを見せる。OPシルバやMBブルッシュの強打やブロックで日本は18-25で落とす。 第2セットも日本は決め手を欠き、長岡を投入するも波に乗れない。中番はブラジルのスパイクミスにも助けられ得点を重ねるが、OPシルバを止められず22-25と連取される。第3セットに入り、この日大当たりのOPシルバを島村がブロック。続いてワンタッチもとり、流れを日本に引き寄せる。ブラジルは長岡を止めることができず、逆に自分たちのミスが増え25-14と日本が1セット取る。 第4セットは石井の好サーブに加え、大竹もブロック、スパイクとリズムを作る。ここでブラジルはMBアデニージア・シルバを投入し、ブロック、サーブで追い上げる。一進一退の攻防を28-26で日本が取る。第5セットはOPシルバにキレが戻りだし、両チームサイドから長岡とコスタ、オリベイラの打ち合いとなるが、高さとパワーでブラジルが押し切り15-12で勝利した。 ●第3戦 日本2(18-25、25-22、25-20、19-25、11-15)3ブラジル

ブラジルの攻撃を1枚で抑えるのは難しい。撮影:Alexandre Arruda/CBV

ブラジルの攻撃を1枚で抑えるのは難しい。撮影:Alexandre Arruda/CBV

ブラジル銀行のスポンサーの継続が決まり、再び体育館は黄色い応援団で一杯になった。撮影:唐木田真里子

ブラジル銀行のスポンサーの継続が決まり、再び体育館は黄色い応援団で一杯になった。撮影:唐木田真里子

第1セット、日本はサーブミスやパッシングザセンターライン、ドリブルとミスが続き安定しない所へ、ブラジルの新セッター、カルネイロがうまくツーアタックを落とし、日本は5-10と出だしが悪い。木村のサービスエースで8-11と盛り返すが、それ以上、点差を詰められない。20点以降にブラジルは、MBアデニージア・シルバとWSコスタがそれぞれ日本を1枚ブロックで止め18-25で落とす。 第2セットはスパイク、ブロックと日本が2-0とリードするが、3-3と追いつかれる。強打に構えてしまうのか、フェイントに対応できない。その後、古藤のサービスエースで流れをひきよせ、25-22で日本が取り返す。第3セット、山口のライトにまわる攻撃や木村の強打で8-7とリードする。客席から「ニッポン、ニッポン」のコールが起こるとブラジルのブーイングにかき消される。ブラジルはSダニエラ・リンスを投入するも、迫田の強打が両サイドから決まり、25-20で連取する。 第4セットは、ブラジルが勢いを取り戻し、リードを奪う。サーブ&ブロックの得意の形で日本を寄せ付けず19-25でブラジルが奪い返す。第5セットは、攻撃のさえるブラジルに流れはそのまま傾いたままで6-11とリードされる。ベンチ裏の日本応援団の声援を受け、迫田のサーブで10-13と追いすがるが、最後は11-15でブラジルが勝利した。

小旗を振る日本応援団。日本サッカー代表のユニフォームを着た人もたくさんいた。撮影:唐木田真里子

小旗を振る日本応援団。日本サッカー代表のユニフォームを着た人もたくさんいた。撮影:唐木田真里子

12応援ペイント-s 真鍋監督が「ミスが多かった。出だしが悪く、ブロックにつかまってしまった」と言うように、木村選手も「つながるボールだったのに、落としてしまうミスが多かった。ブラジルのリベロの守備範囲が広く崩すのが難しかった」と反省する。会場側の配慮でチームのベンチのすぐ後ろが日本応援団用に区切って用意されており、留学生や駐在員、日系人など大勢が応援に駆け付けた。「旗を振ってくれる方がたくさんいたのに、皆さんの前で勝てなかったのが悔しいです」と木村選手の表情は硬かった。監督は、「グランプリに向けて選手を試している中で、アウェーの会場を全員が経験できて良かった。反省点をしっかり修正して次につなげたい」と語った。 カンピーナス市の体育館は小さめで、ベンチと観客の距離がとても近い。「エース、エース」などとマイクであおる応援や音楽のスピーカーがベンチ裏にあり大音響で響き渡る。しかし、今回の様な収容人数3千人弱という体育館の大きさでは、普段の国際試合での“ブラジルのうなるような、隣りの人と話もできないすごい応援”とまではいかない。五輪会場は収容1万2千人近くになるので、ボリュームももっと増すだろう。ブラジル選手のように「ブーイングを受けるのは自分たちが強いから」と言い切る位の度胸がほしい。

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