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インタビュー

2017-02-24 17:33 追加

世界に通じる選手を育てていくのが使命 ジェイテクト・増成一志監督

監督インタビュー

SV男子

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昨シーズン、プレミアリーグで4位と躍進したジェイテクト。今シーズンはベテランと若手の融合をはかるなかで、リーグで思ったように勝利を積み重ねられていないものの、リーグ5位でファイナル6には入り込んでいる。昨年以上の結果が期待される。昨シーズンからチームを指揮する、増成一志監督に話を伺った。また、話は日本のバレー界のいく先についても触れてくれた。(インタビュー自体は昨年)

 

——今シーズンはどういう風に取り組んでいるのでしょうか。

増成一志監督:今シーズンは、今までチームを支えているベテラン選手を大事にしながら、これからのジェイテクトを考えていく必要があったので、ベテランと若手をうまく融合させて戦っていかなければいけないと自分の中で設定していました。黒鷲旗の終了時点から、そういう考えで取り組んでいた。リーグ初戦は何の問題もなく戦え、その後の上位チーム、力が均衡している相手と戦う中で、若い選手にはまだ経験不足なところもありました。

ただ、若い選手を育てるといっても、やはり勝つのが我々の仕事。我慢できるところは我慢しないといけない。我慢しないでそのまま変えてしまうと、厳しい場面を通じた、若い選手の成長はないと思います。

今シーズンは昨シーズン以上に、各チームのレベルが上がり、均衡しているところもある。自分の頭の中で考えて、もう少しベテランと若手をうまく力をいれていきたいなと思いたいなと。

 

——ベテランと若手の融合は難しいんではないでしょうか。個人的には気になったのが、1stレグで、ベテランの高橋慎治選手がスタート6人に入ってなかったのには少し驚きました。高橋慎治選手は、安定感があり、30代中盤で、これからセッターとして味の出る年齢。外したのは意外でした。また、気のせいかもしれませんが、昨シーズンに比べてミドルブロックのブロックがあまくなっていると感じました。本来2枚いくべきところが、遅れていたり、間があいていたりと。ジェイテクトは昨シーズンの好結果を踏まえて、いよいよ今年はと思っていましたが、なかなか難しい状況なのかなと思いました。

 

増成監督:高橋慎治に関しては、足の怪我があり、9月まで練習できなかった。体力的なこと、技術的なこともありますが、ただ、黒鷲旗で準優勝をとったのは若い久保山なんですね。高橋は足が痛くて出れない状況で、ベンチでメンバーにも入ってなかった。トスの組み立ては断然高橋の方があるし、安定感もあるけど、ジャンプ力だったり瞬発系とかは久保山の方があるわけです。私としては、当然年齢がいってもセッターできるのは当然ですけど、9月まで別メニューしかやってなかった。開幕まで1、2ヶ月しかなかったので、練習やゲームの中で主力でやっていたのは久保山でした。高橋を出さないということではありません。当然リーグの中で、体力を回復していってもらわないといけないですし。やはり後半戦になればなるほど、彼の力が必要です。彼が途中から入って、頑張りによって逆転できた試合も多いです。周りに安心感を与えられるのが、ベテランの仕事。これからも今後彼の力を信じている。

 

——久保山選手は個人的な印象ですが、後衛からの攻撃が少ない印象があります。それに対して修正とかされているんでしょうか。

増成監督:それはありますね。修正は当然練習の時からしている。去年の高橋慎治も一緒だったと思う。前衛にカジースキがいるし、大事な時はカジースキにあげようとなります。また、オポジットの古田は昨シーズンがオポジット1年目でしたし、今シーズンがオポジット2年目になって、久保山も古田と合わなければ、安定したオーソドックスな攻撃になってしまうのではないかなと。

僕は若い時に高橋慎治と一緒にやったんですけど、全く同じなんですよね。彼が大学を出て旭化成で一緒にやっているんですけど、彼自身も言いますよね。久保山を見て「僕もあんな感じでしたよね」って。ようは組み立てだったり。オーソドックスなトス回しというか、慎治も僕も若い時は同じでしたね。黒鷲旗とリーグが違うというのはあります。リーグは同じ相手と4回やりますよね。久保山は今悩んでいるところだと思います。周りの選手から言われて。高橋慎治や僕の若い時と同じですねというわけですよ。高橋慎治も僕から言われましたし、周りの先輩からも、「なんだ!そのトス回しはー!」って。そういった経験というのは、僕も高橋に当時「負けたらセッターの責任だよ」って言いました。2つ目に必ず触って、チームの勢いをつけたりするポジションなので。

だから、一番大事なところであるセッターを、僕は高橋慎治ではなくて、久保山にしたのは大きな選択だった。ただ、高橋慎治が元気だったら、開幕戦から慎治を使っていました。今は体力的なところもあるし、2レグに入ったところなので、ファイナル6に向けて、当然、決断も僕が必要なところもある。久保山という存在をないがしろにするつもりもない。今シーズンから入った、(背の)大きな渡辺峻にしてもそうなんですけど、これから先を見据えて、選択していきたいなと思っている。

 

——ジェイテクトとしてはベテランと若手を融合していきつつ、ファイナル6に入ったらいいということですね。

増成監督:そうですね。ファイナル6でどう戦うか。昨シーズンはファイナル6に入ったんですけど、レギュラーラウンド3位入って満足してしまい、逆に失速してしまった。

高橋慎治に関しては、怪我が長引いた中で、開幕戦から無理させるよりは、後半戦頑張ってもらおうということです。じゃぁ、経験の少ない久保山を出すと勝てるかどうかというと、前半戦に厳しい思いをさせといておけば、巻き返しがきく時にだしておきたかった。負けも勝ちも経験して、中盤から後半にかけて高橋慎治が出たとしても、久保山は外から高橋のセッターを見ることによって、さらに考えて試合をみると思う。慎治は僕がいわなくても彼はベテランなので、言われなくても、仕事をわかってますので。

 

——絶大に信頼していますね。

増成監督:常に言っていることで、僕も経験したんですが、歳を重ねているからベテランじゃないよと。こちらが期待するプレーをしてくれるからベテラン選手といえるんだよ。年取ってもやってるからベテランだったら、皆そうだよと。試合に出す以上は、それなりの仕事をしてチームに貢献をしてもらえると頭にいれています。僕が何もいわなくても、高橋慎治選手はひとりでにトレーニングします。

いつも伝えているのは、年齢がいけばいくほど、若い時よりトレーニングをしないといけない。(力の)落ちるスピードがはやいんだから、それ以上に細かい筋肉だったり、量を増やしていかないと維持できないよと伝えている。だから、彼は誰よりも早く体育館に来るし、最後までトレーナーに治療するし、誰よりも体育館に長くいる。周りの人間が彼の背中を見ている。安心感以上のものがあると思う。

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