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インタビュー

2018-03-02 16:58 追加

ファイナル3のキーマンJT山本将平(前編)「サーブが入らないとメンタルにくる」

山本将平インタビュー

SV男子

JTサンダーズ山本将平

 

JTサンダーズは今シーズン、大きな課題を持ってリーグに臨んだ。チームのエースだったウィングスパイカー・越川優の穴をどうやって埋めるかである。ビーチバレーボールに転向した越川は、JTにおいて絶対的な選手だった。苦しい時にスパイクを決め、切れ味鋭いジャンプサーブでチームを何度も救った。その越川がチームを離れ、そのポジションを務めているのが、山本将平だ。FC東京からの移籍で、1年間の出場停止を乗り越え、昨年5月の黒鷲旗で大活躍。試合終盤の競った場面でも臆することなく、強いジャンプサーブを決めるなど、越川とともに優勝を勝ち取った。その後には、日本代表にも追加で呼ばれ、グラチャンでも途中出場が中心ながらも、サーブにレセプションにアタックにと活躍。強豪国相手に、苦戦続きだったチームの中では数少ない、世界相手に結果を出していた選手といえよう。満を持して臨んだ2017・18年シーズン、チームの中心選手として引っ張る山本。どんな心持ちなのか、聞いてみた。(取材は2017年11月23日)前後編の前編。

――17・18シーズンの1レグ、2レグの感想はいかがでしょうか。

山本将平(以下、山本):正直言うと、チーム的にも個人的にも力をまだまだ発揮できてないです。

 

――どういった点で?

山本:試合で、練習どおりできないことがあった。個人的にもたくさんあって、例えば、サーブだったり、1レグ振り返ってみると、あまり目立つことができなかったし、スパイクに関しては後半、自分なりのプレーができた部分もあったが、まだまだ課題がある。外国人選手のエドガーが、すごい頑張ってくれているので、それ以外の5人のメンバーがどれだけできるのかというのが大きい。そこで躓いてる部分が多少ある。自分も含めて5人が練習通りのプレーができるかというのかというのが今後の課題だし、試合を振り返っても勉強になるところ。

 

――昨シーズンと違うのが、越川選手がいるかいないか。黒鷲旗ともメンバーが違う。山本選手が監督から求められていることは、やろうとしてることは何でしょう?

山本:具体的にというか、ディテールの部分ですが、例えば、試合中にパイプが使えないとか、サイドの攻撃力、サイドアタッカーの攻撃力不足、ミドルの本数がないとか、ブロックとか。あげたらきりがないけど、自分の課題としては決定率の部分が大きい。決定率と効果率。序盤のころ、決定率が低くて、後半50%は上回るようになりますけど、そういうところでチームの足を引っ張った。

 

――これはぜひ聞いてみたかったのですが、日本代表に突然呼ばれて、過去のシーズンとは調整が違ったことが大きかったのでは?

山本:正直、うーん…いきなり代表に呼ばれたじゃないですか。それまではモルテンのボールでした。それでミカサになって、代表になれたころにグラチャンが終わってまたモルテンと。そこが多少難しいかなと。ただ、それは言い訳にしかならない。あと、5番(のポジション)に入っているんですけど初めてです。(5番は)初めてというか、あまりない。

 

――大学時代含めても?

山本:大学時代は変則的だったので。

 

――5番の位置に入るとスパイクの入りとかレセプションの位置とか、感覚とかやっぱり変わりますか?

山本:変わりますね。グラチャンの時でも2番に入っていました。昨シーズン、優さんがいた時も2番に入っていて。正直サーブレシーブさえ返しておけば仕事になるというか。そっちに重きを置いていた。5番となると、打数も必然的に多くなる。そういったところが、自分も攻撃に参加したいというよくもあったんで、5番でやってみたいというのはあったけど、いざやってみると、まだまだ自分の攻撃力不足が多々あります。

 

――もう一つ、気になったのが、今まで代表入ってなかったので、それに合わせた年間スケジュール、調整を組んでいたと思います。だから、体の調整がうまくいってなかったのかなとも思いましたが、どうだったんでしょうか。

山本:自分の中では満を持した感じがあって。振り返ってみると、グラチャン終わって、すぐイタリアに行って、練習試合をして帰ってとなって、今振り返ってみるとハードスケジュールだったのかなとも思いますが、それが良かったのか悪かったかといわれたら、難しい部分はありました。自分は昨シーズン出てなかったので、グラチャンで試合勘を取り戻せたってのはありましたし、デメリットばかりでもなかった。あまり言い訳にはできないかなと。

 

サーブが入らないとメンタルにくる

――今シーズン序盤の中盤で、山本選手のプレーで気になったのが、黒鷲旗、グラチャンで見せたような、思いっきりのあるサーブが見られなくなったこと。ミスが増えて、明らかに7、8割で抑えて打っていました。言い方が悪いですが、プレミアリーグの標準的なジャンプサーバーになってしまっているなと見えました。

山本:サーブが入らないというのが、自分の中でメンタルにくるところがあって、サーブが入って調子があがるというか、正直スパイクがブロックされたとかミスをしたというのがあっても、サーブでとりかえせばいいやというテンションだったんですが、今サーブすら入らなくなったので。

 

――何が原因なんでしょう?

山本:うーん…難しいですね。今模索している最中なので…。自分でも、全日本の舞台であそこまで上手くいったんで、今なんでサーブが入らないんやろというのはあります。何本かエースかとれたんですけど、まだまだ自分本来には程遠いなと。

 

――まだまだサーブを抑えて打っているなと感じました。

山本:ミスができない状況というのが続くので、今自信がないとどうしても入れに行ってしまう。自信がある状態になれば、どんどん打っていくんですけど。本当にミスができない状況でのサーブだと、どうしても練習でやってきて入るという自信があれば、そこで攻めるんですけど、今それがないんでフローターサーブで逃げたりしてますね。

 

――私はやっぱり、黒鷲旗の時のプレーが印象がどうしても強く残ってしまいます。20-20とか勝負所の場面で思い切りサーブを打ってサービスエースを取るという、すごい選手がでてきたなーと思っていました。その時に比べると今は枠に収まってるなとどうしても思ってしまいます。

山本:そうなんですよね~。勝負したいんですけどね。まあでも、それが自分の武器だと思っているんで。フローターサーブとか打つのは、この先通用しないと思っているので、練習で課題を見つけながらこれから持っていけたらなと思います。

 

――一方でスパイクは、後半から調子をあげてるなという印象を受けました。

山本:でも、まだ課題が多いです。

 

――あと、パイプですが、2番の位置の時は、すんなり助走に入っている印象があったのですが、5番になって、助走すらことすらあきらめている印象を受けたのですが、やはり助走に入りづらいのでしょうか。

山本:うーん…、そうっすね。レセプションの体型がまず初めてだったこともあり、慣れてないというのがあります。2番だとフローターサーブとかで、狙われることが多くなるので。

 

――比較して申し訳ないのですが、越川選手が入っていたポジションを引き継ぐという、そこの、なんというか、周囲が求めるというか、プレッシャーは感じるのでしょうか。

山本:序盤は、代表に入ってから多少は注目してもらえるようになって、その中で開幕して、プレッシャーというか、人から見られるだろうなという自覚をもってやろうと思って、ふさわしいプレーができるようにと考えてました。でも、そういうのを考えながらやるというのは結構難しいというか、あまり必要のない気持ちなのかなと最近思ってきている。自分がどういう風になろうが、まず楽しくできれば、自分が満足できるようなプレーができればいいだろうと最近は思っています。今はプレッシャーを感じていません。

後編に続く

取材:大塚淳史

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