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コラム

2013-05-17 22:02 追加

2012/2013 V・チャレンジリーグ女子総括 その2

下位チームについてのまとめ

V・チャレンジリーグ 女子

V・チャレンジリーグ女子の総括の第2回です。

○下位チームの課題

監督が交代した柏ですが、毎年恒例の卒業(※1)で抜けた穴は、新人と移籍選手で埋められたように思えました。事実、サマーリーグとはいえプレミアチームのパイオニア相手に勝利を収め、選手たちの自信につながったように見えました。最終順位は8位でしたが、KUROBE相手にフルセットで勝った試合もありました。惜しまれるのは最終日の上尾戦の第1セット。32-31とリードしながら、取れなかったセット。〝自分たちのバレー〟で何が通用し、何が通用しなかったのか。それを突き詰められたら、もっと面白いチームになるポテンシャルを感じました。

柏にとっての〝自分たちのバレー〟は、センター付近での時間差攻撃にあるようです。前衛MBと前衛OPが絡むだけでなく、前衛WSもスロット1に切れ込んで来たりします。それが有効な場合もあるし、そうでない場合もある。有効でない場合、バックアタックが使えるなど要するに、攻撃参加するアタッカーの選択肢の幅がもっとあれば、〝自分たちのバレー〟にこだわったとしても、まだまだ通用するのではないかと思えました。一見複雑に見えるこうした攻撃スタイルは、プレミアだと岡山が頭に浮かびます。それを比較対象として挙げるのは野暮ですが、江森選手や中原選手など、時間差攻撃を得意としながら、レフトからのハイセットも打ち切るプレイが出来る選手がいることは、岡山に福田選手や、佐々木姉妹などがいるのと同じで、魅力は充分あるチームだと思うのです。とは言え、時間差攻撃が決まるか決まらないかは、相手のブロッカーの対応次第です。相手コートを眺める視野が広がったら、もっともっと楽しいバレーを見せてくれるのかなという気がしました。

9位の熊本は、なぜ勝てないのか不思議に思えるほど、選手1人1人にはポテンシャルを感じました。今シーズン組み合わせの妙で、熊本の試合を観戦する機会が多くありましたが、実に面白いチームです。事実、セット序盤はリードするのに、終盤になるとひっくり返される。そんなシーンを多々目にしました。それがチーム戦略ゆえの結果なのか、それは相手あってのことですので言及しかねますが、実に惜しい負け試合をしています。

熊本は化ける可能性のあるチームだと思います。なぜそう思うか、はっきりとは断言できませんが、事実、リーグ最終2連戦で今シーズン台頭したJAぎふと仙台に勝利し、1legの雪辱を果たしています。その2戦は観戦できませんでしたが、シーズン最後にファンの期待に応える試合が出来たのではないでしょうか。

熊本には私設応援団の方がいて、自前で音響装置を持ち込み、応援歌を流しています。会場練習の時もその音が会場をもり立てていますが、黒部大会では、「鳴り物を使っての応援はまだNG」と注意を受けました。チャレンジリーグでは会場によって対応がさまざまなようです。団長さんは冷静に交渉されましたが、やはり駄目なようでした。しかし、この真摯な対応を見て、このチームは、下位に甘んじているだけではない「チーム力」を持っているのだと確信しました。「チーム力」というのは、単に選手のスペックだけでなく、支えるスタッフやサポーターも含めての「チーム力」なのだと思うからです。ですから、来季の熊本も、また楽しみです。

選手が電車で移動するといえばGSSの代名詞ですが、今リーグは1セットも取れずにシーズンを終えました。開幕戦でエースの須江選手を左膝の故障で欠き、最後までその穴を埋めることができずに終わったように思えました。サイドアタッカーを1人欠いたことで、MBの菊池選手をOPで起用して急場を凌ぎつつ、エースの穴を長岡選手が埋めていたのが、シーズン前半の見所でした。

セッターの控えもいないようなチーム構成であるがゆえに、内定選手が光を放ったチームでもありました。全カレ終了直後の年明けには、松蔭大学の小川選手がチーム合流早々WSで起用されました。WSには山口選手がいますが、内定の小川選手の合流により、山口選手をムードメーカーとして、チームにアクセントを加えるスーパーサブの役回りに据えることができました。

シーズン終盤には、日本女子体育大学のキャプテン三浦選手が、ひたちなか大会からWSで起用されていました。公称160cmですが、大学時代の公式パンフレットには158cmとあります。だからどうした、気にすることはない。224cmのネットに対してきちんと全力で跳べば、275cmの高さから叩き込めるんだ。その片鱗を最後の高崎大会で見せてくれていました。これにより小川選手が本来のOPに入り菊池選手はMBに戻りました。そして最終戦、須江選手がリリーフサーバー以外ではじめて、三浦選手と交代。開幕戦以来、GSSのエースが発動しました。

そうした見所を披露してくれたGSSですが、最終結果としては全敗・得セット0という記録が残りました。それは紛れもない事実ですから仕方ない。社業で練習時間がなかなか割けないという事情もあります。選手はほとんど皆、大学バレー界で有名どころのチーム出身で、それなりに実力はある選手たちです。それが、いま大学生と戦えば、おそらく勝てない。そう見られるでしょう。ですが、曲がりなりにも2008年に下部リーグから昇格して来たチーム。勝利を目標にしていることは間違いありません。

そんなGSSの今シーズン最終戦のホームゲーム。ヒロインインタヴューで相手KUROBEのキャプテン村上選手が語った言葉が忘れられません。「GSSさんのような、みんなに愛されるようなチームになれるよう頑張りたいと思います。」この言葉に正直、面食らいました。(GSSの)ホームゲームゆえのリップサービスだろうか? とも思いましたが、あながちそうとは言いきれないように思うのです。

確かにKUROBEは、地元協賛で行政も協力を惜しまないクラブチームとして、成熟しつつあります。ただしファンはどうか? 集客は仙台のそれと比べてどうだろうか? KUROBEのキャプテンからそんなテーマを聞かされた気がしました。

さて、ざっくりと振り返ってみました。いや、日立と上尾がまだですね。
(その3へ続く)


文責:益木 朋

(※1)基本的には介護業務との両立で、3年契約となっている

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