全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>ハイキュー!! 古舘春一先生インタビュー

インタビュー

2014-04-03 13:25 追加

ハイキュー!! 古舘春一先生インタビュー

少年ジャンプで大人気連載中のハイキュー!!作者インタビュー

Others / 高校バレー 男子

少年漫画誌の雄、少年ジャンプで高校バレーを題材にした「ハイキュー!!」を大人気連載中の古舘春一先生に、インタビューをさせていただいた。男子バレーを取り上げたわけや、制作中に気をつけていること、好きな選手など。

主人公の日向翔陽。小柄ながら身体能力に優れたミドルブロッカー (C)古舘春一/集英社

主人公の日向翔陽。小柄ながら身体能力に優れたミドルブロッカー
(C)古舘春一/集英社

-なぜ男子バレーボールを取り上げようとしたのでしょうか。
中学、高校時代にバレーボール部に所属していて、その時の未練がずっと強く残っていたので、バレーボールを描くことは、漫画家を目指すと同時にあった目標でした。高校当時はとにかくバレーが好きで、部活だけやりに学校へ行っていましたが、良い成績を残したわけでもないですし、色々と、フツフツモヤモヤした感情が未だ燻っていたので、漫画という形でもう一度バレーをやりたくて、描き始めました。

-少年漫画でよくある必殺技は用いずに、実際に行われているプレイで組み立てている理由は?
実際のプレイを”メインに”してはいますが、主人公コンビに限っては、使う技がけっこう無茶なので、「こんなのリアルじゃない!」と言われたら、反論できません(笑)。ただ、主人公コンビが武器にする速攻は、ハイキュー!!の原点なので、唯一の「自分の考えた必殺技」としてこれからも使っていきます。

それ以外は、誇張はしても、現実の試合で使われているプレイで描く様にしています。
前々から実際の試合を見ている時に「このプレイは漫画で描く時にこういう演出をしたらかっこいいだろな!!!」と一人テンションを上げていたので、その感覚をそのまま試合シーンに落とし込むようにしています。自分で独自に新しい技を考えても、元から有るプレイよりかっこいいものを考えられると思えなかったので、今の形になっています。

ただ、『独創的でかっこいい所謂”少年漫画的必殺技”』に対して、常に憧れと劣等感は有ります。大人や、経験者の方が「こんなのあるわけ無い!」と思っても、「よくわかんないけど、かっけー!!」と少年読者に思ってもらえる方が、少年漫画としては理想的だと思うからです。ハイキュー!!は、少年漫画としては、どうしてもまだ”地味”だと思うので。

「ハイキュー!!」では、例えば、バレーを知らない読者からは「シンクロ攻撃?よくわかんないけどかっけー!!」、知っている読者からは「シンクロ攻撃って漫画にするとこうなのか、なかなか良いではないか」という風に思ってもらえるのが理想です。

もう一人の主人公、影山飛雄。中学時代は「王様」とあだ名された天才セッター (C)古舘春一/集英社

もう一人の主人公、影山飛雄。中学時代は「王様」とあだ名された天才セッター
(C)古舘春一/集英社

-主人公をエースポジションのウィングスパイカーでなくミドルブロッカーとセッターの二人にした理由は。
ハイキュー!!を始めるスタート地点が、「超凄いセッターが、スパイカーに完璧にトスを合わせる話を描こう!」だったことと、自分自身、学生時代にミドルブロッカーで、クイックが上手く行った時の『ボール来た!!』の感じを表現したかった事、それでクイックを主な武器にしたかったこと、が理由です。

-舞台に宮城を選んだのはなぜだったのでしょうか。
土地勘のある場所を舞台にしたい、というのが始めにあって、最初は、出身地である岩手か、高校卒業後8~9年過ごした宮城かで迷いました。岩手の地元の町は、電車も通っていない様な田舎で、住んでいた頃町の外に出る事もあまり無く、思ったより岩手を知らない事に気付いて、舞台を宮城に決めました。ただ、主な舞台である”烏野高校”近辺を描く時にイメージしているのは、実際に学生時代を過ごした岩手の方です。

-連載する前に1年間もの準備期間があったとうかがっていますが、準備する上で心がけたこと、苦労したことは。
1年間の構想期間を設けたわけではなく、連載作品を決める連載会議に落ち続けてて、ちょうど1年目頃に、やっと会議を通った、が正確です。自分としては、すぐにでも連載してやる!と意気込んで描いていましたが、結果が付いて来なかった感じです(笑)。でも、会議で落とされる事で、何度も話を改良できて、心底良かったと思っています。落とされた時の内容で連載を初めていたら、数ヶ月で打ち切られていたかもしれません。1年間話を改良していく中で、一番苦労したのは、恐らく主人公である日向のキャラクターです。日向の行動に、描いている自分が納得でき、読者にも感情移入してもらえるキャラクターにするため、とにかく日向という人物の掘り下げに苦心しました。

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック