2014-03-27 20:00 追加
二丁目のバレー夜話 第三回 高松卓矢
カジュアルバレーエッセイ
Others
ご無沙汰いたしました二丁目のバレー夜話。「とっとと書きなさいよ!」と、辣腕編集者にケツを叩かれながら書かせていただく第三夜。そうよね。前回書いたのがVリーグのシーズンが始まる前のこと。既にそのレギュラーシーズンが終わってしまうんですものね。ずいぶんとサボってしまったわ。
前回のテーマ、「Gayと女子バレー」でGayは女子バレーが好きと語った割には、アタシはどちらかと言えば男子バレー好きなの。そりゃぁ「あらイケメン」なんて目線で観ることもなきにしもあらずなんだけれど、何と言ってもスピードと迫力は女子より男子の方があるもの。アタシの好みには合っているのよ。よく言うんだけれど、バレーを観る時、男子を観てから女子を観るとスピードが遅く感じられるから、同じタイミングで観る時は、女子を観てから男子を観ないとねって。
そんなアタシが今シーズンのVリーグの試合を観ていて一つの輝きを感じたの。豊田合成トレフェルサの高松卓矢選手よ。アスリートには休眠打破したかのように花開く瞬間ってあると思うのね。その輝きを観れた時の感激はひとしおなものがあるわ。近年では2011年の天皇杯でFC東京の手塚大選手にそれを感じたの。その年のサーブ賞と新人賞のダブル受賞という結果も物語るように、旬な感じがしたわね。当時そんな彼を祝福してアタシも握手をしていただいたのよ。それと同じ輝きね。学年は違うけれど奇しくも1988年生まれの二人がアタシの心を掻き乱しているの。今回は、そんな高松選手について書きたいと思うわ。
今シーズンの高松選手は、昨シーズンまでとは違って、波もなくなって安定して活躍しているわ。背中の筋力をつけたことで、レセプションの時やスパイクの時も踏ん張りがきくようになったと本人が言っているようね。試合を観ていても、安定感を感じるわ。サーブも良いしね。スパイクやサーブを、ここぞの時に決められる強さを持ち、それは決しても高松選手の力だけではなくて、監督の戦術、セッターのトスワークもあってこそ活きるものなんだけれど、きっちり決めきれるのはやはり彼の力だと思うの。そして、あの独特の甲高い声で、チームの勢いを盛り上げる彼のムードメイキングも素晴らしいわ。その全てがチーム内での信頼につながってもいるように感じるわね。
そして特筆すべきは、ユニフォームの袖を少しまくり上げて肩の露出を多くする、そんな彼のナルシズムを許してしまいたくなる程の、まるでダビデのような美しい筋肉。アタシは別にマッチョが好きな訳ではないけれど、惚れぼれする身体だわね。でも、それは大事な要素でもあると思うの。人の体はバランスが良ければ、能力を効率よく発揮できると思うもの。
彼は昨年から全日本にも召集されているの。残念ながらまだコートでの活躍は見れていないけれど(まぁ、それは上がつかえているせいが大きいと思うのよ)。身長的にも186cmとウイングスパイカーとしては少し低めなのは否めない事だけど、米山選手の例もあるように、身長だけではないプレーを魅せてほしいわね。年齢的にも26歳と正念場になっていると思うの。だからこそ、今年は是非世界を相手に活躍することを期待したいわ。新しく代表監督に就任した南部監督が、彼の力をさらに引き出してくれることを期待するわ。
蛇足だけれど、彼の今シーズンの背番号が、アタシが高校時代つけていた番号と一緒なのよ。何か運命を感じずにはいられない春アケボノよ。
写真:上井竜
文責:高井望
1969年東京生まれのフリーライター。子供の頃早川緑(鮎川こずえではない)に憧れたバレー好きな昭和のGay。中高とバレー部所属。
第一回 世代交代
http://vbw.jp/4929/
第二回 Gayと女子バレー
http://vbw.jp/5088/
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