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2014-04-19 20:19 追加

世界のバレー会場から 第5回 ドイツバレー

海外バレー観戦コラム第5回

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ベルリンバレー会場ベルリンバレーが世界との壁を崩壊!? ドイツリーグの会場とドイツバレーの近況

ヨーロッパのクラブチームNo1を決める欧州チャンピオンズリーグ。2013/14シーズンは奇しくも準決勝でロシア同士が対決し、強豪ゼニト・カザンをベルゴロドが撃破。勢いに乗ったベルゴロドは決勝でトルコのハルクバンクを倒し、見事優勝を果たしました。今シーズンは4強にポーランドのチームが勝ち上がり、イタリア勢はプレーオフで敗退。同じくプレーオフへ進出したドイツ勢もファイナルには一歩届きませんでした。

しかしながらドイツの「ベルリン・リサイクリングバレー」は、イタリア勢に決して引けを取らない試合内容。同プール内トレンティーノと並ぶポイント数でプレーオフ進出を果たし、実力を示しています。ハイレベルな国のクラブチームに並ぶ力を持つドイツチーム、そんなチームはリーグの中でも圧倒的な強さを誇り、チームをサポートするホーム会場にも勢いが溢れていました。

これまでヨーロッパ各国リーグを見てきて、イベント性をあまり感じられなかったのですがベルリンバレーは一味違いました。

チケット売り場訪れたのは4強が集うプレーオフ第3ラウンド。ベルリンの壁跡地にほど近いホームの体育館には、開始時刻16時にまると青壮年男性を中心に計4000人が来場。会場内で販売されているTシャツやマフラーに身を包み、ビールやコーヒー、プレッツェルやサンドイッチを頬張りながらのんびり開始を待ちかまえていた観客達も、開始時刻を迎えると配られた蛍光赤色のサイリューム(化学発行による用命器具)を手に参戦体制を整えました。

照明が落とされた場内はもはやバレーコートではなくエンターテイメントショーのステージ。開始の音楽とともに何が始まるのかと思うと、観客はサイリュームの棒を一斉にコート内に投げ入れます。あっという間に一面レッドカーペットと化したコート、そこへ選手が一人ずつ呼ばれてゆくのです。名前がコールされる度にアーチからは炎と煙が上がり、どこかプロレス会場にも似た雰囲気を醸し出しています。強さが増すような派手な演出に、観客のテンションも自ずと高まっていくのでした。

そんな豪華なオープニングで幕を開けた試合は、ベルリンチームの思いのまま、第一セットは8-2と序盤から大差のリードで走り出しました。

ドレギュラーラウンドを1位で終えたこのチームは、各国の有名選手が名前を連ねています。2008年のオリンピック最終予選で日本の最大のライバルだったオーストラリアのオポジットキャロルに、2013年グラチャンで来日したアメリカの司令塔ショージ。ドイツナショナルチームでも活躍していたクロムに、ヨーロッパ選手権ベストブロッカー賞のセルビアのリシナツ。豪快なキャロルのアタックに冷静な判断下でのクロムの決定力。それを操るショージの絶妙なバランスに加え、攻撃を阻むのはリシナツの素早いブロック。それぞれ代表歴を持つ実力者達が、一つの力を確立させているのでした。

対するTVブールはレギュラーラウンド4位のチーム。こちらもドイツ代表選手に加えデンマークやエストニア、アメリカなど他国の選手が在籍しています。第1第2セットは太刀打ちできずあっさり奪われましたが、第3セットにはようやくベルリンを追いつめることに成功。しかしながらあと一歩及ばすストレートで敗北という結果に終わります。それでも各国代表レベルの選手に手応えを感じているように見えました。

ホーム、ベルリンチームの勝利により試合後も盛り上がりは続きます。MVPに選ばれたショージはメンバーに囲まれ、流れる「サーフィンUSA」の音楽に乗って一芸を披露。照れながらも両手を広げサーフィンに乗るジェスチャーで観客を湧かせ、最後は選手全員が一列でコートを一周し、観客とハイタッチをして一大イベントは幕を閉じました。

観客はそのまま出口へ進み選手への接触を求める観客はほとんどいません。かろうじて子供達数人がサインを求めるくらい。以前観戦したリーグ下位チームドレスデンでも選手との接触は知人が声を掛けるくらいで、観客は試合を堪能すると満足して帰路に就くのでした。

特別な演出のなかったドレスデンのホーム会場と比較しても力の入れ具合を伺えるベルリン。同欧州チャンピオンズリーグ出場チーム「フリードリヒスハーフェン」とともに、今後もドイツバレーを牽引してゆくようにみえます。加えて国内に留まらず、国外の強豪リーグへと挑戦するドイツ選手たちの存在も見逃せないのがドイツバレーの現状。先に述べたヨーロッパチャンピオンズリーグ優勝チーム、ロシアの「ベルゴロド」の主軸となっているグロゼルに、コッパイタリア優勝チーム「ピアチェンツァ」でスタメンを守るカリベルダ、どちらもチームに欠かせない存在となっています。

そんなドイツナショナルチームがこの6月、ワールドリーグのため来日。なかなか目にすることのないドイツバレーですが、この機会に触れてみてはいかがでしょうか。(*グロゼルは休養のため現段階では代表入りしていません)

 

文責・写真:宮﨑治美
長崎県生まれ。2007年ワールドカップをきっかけにバレー観戦を始め、2009年頃から徐々に海外へも観戦に行くように。海外観戦数はヨーロッパを中心に4年間で計50試合以上。競技経験はないながらも、コートの中で繰り広げられるドラマ、選手の人間性に魅了され観戦し続けている。

 

第一回 ロシアリーグ
http://vbw.jp/5161/

第二回 イタリアセリエA1
http://vbw.jp/5267/

第三回 韓国Vリーグ「オールスターゲーム」
http://vbw.jp/5414/

第四回 ヨーロッパ選手権
http://vbw.jp/5760/

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