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コラム

2014-08-07 22:40 追加

二丁目のバレー夜話 第四回 新生全日本男子

カジュアルバレーエッセイ

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四半期に一度のペースが定着しつつあるバレー夜話。忘れられない程度に登場する、ちょうど良いペースなんじゃないかしらとアタシは勝手に思っているのよ。それはただ怠慢なだけなのではと言われていても、そんな声はアタシの耳には届かないわ。でもね、気まぐれなアタシのことだから、不定期に書いたりするかもしれないわ。見逃さないようにしっかりチェックしていてね。

さて、月日の経つのは早いもので、バレーボールの国内シーズンが全て終了し、今や国際大会が目白押しの季節になってきたわね。という事で、今回は新生全日本男子について書きたいと思うわ。

先月閉幕した男子国際大会、ワールドリーグ。今年、日本男子は世界バレーの出場権を逃しているから、貴重な大会だったとも言えるわね。

このコラムをはじめさせていただいた時、「世代交代」というテーマで全日本を取り上げて、男子はなかなか世代交代が進んでいないと嘆いたのだけれど、それから約三カ月、ゲーリー前監督解任と南部新監督就任という電撃発表。きっと世界バレーの出場権を逃したことが大きかったと察するのだけれど、ゲーリー前監督が2013年のシーズンを戦う時、自ら選んだ選手ではなく協会のセレクションだったことを考えると不憫にも思えるわ。そんなゲーリー前代表監督が、2014年のシーズンに代表に選びたい選手を具体的に9名の名前を挙げていたわね。そのうち7人は南部監督が選んだメンバーと被っていて、彼自身若返りが必要だったと感じていたことと、積極的に試合を視察していた事が伺えるわ。

越谷最終戦で勝利の後涙した越川

越谷最終戦で勝利の後涙した越川

そんな若返りをした新生全日本で挑んだワールドリーグ。予選ラウンドを0勝12敗で終えた2012年、3勝7敗で終えた2013年と比べ、単に勝ち星だけを見れば1勝11敗と同じく苦しい戦いだったと思えるけれど、それは最終戦で勝ちを収めた時に、新生全日本のキャプテンを務めている越川選手の涙からもわかるわ。あの涙を見ていて「アタシの胸で思う存分泣きなさい」とも思ったし、アタシも貰い泣きしたほどよ。ただ、過去二年の試合に比べ、勝ち星の数ではなくとても得るものが大きかったシーズンだったと思うの。北京五輪の当時、時の監督が声高に叫んだ“若手育成”が停滞していた約10年を一気に取り戻すことは難しいわ。苦戦を強いられた原因の一つとして10年前の若手選手が怪我で出場できなかった事もあると思うのだけれど、結果として若手中心で挑んで、1勝をもぎ取ることができたことは、これからの希望だと感じるわ。

2020年に東京で開催されることが決まった五輪に向けて、強化選手として10代の選手も選ばれた新生全日本男子。女子と比べ若手やいろんな戦術を試す事ができる大会、例えば女子のモントルーのような大会ね。男子にはそれはないけれど、来月インチョンで開催されるアジア大会でもある意味、勝ちだけに拘らない選手起用や戦術を存分に発揮して欲しいと期待するわ。

次回の夜話では、現在開催されているワールドグランプリなどを含め女子について語りたいと思っているわ。また首を長くして待っていてね。

 

文責:高井望
1969年東京生まれのフリーライター。子供の頃早川緑(鮎川こずえではない)に憧れたバレー好きな昭和のGay。中高とバレー部所属。

写真:FIVB

 

第一回 世代交代
http://vbw.jp/4929/

第二回 Gayと女子バレー
http://vbw.jp/5088/

第三回 高松卓矢
http://vbw.jp/5771/

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