2016-08-07 00:55 追加
全日本女子、1-3で韓国に敗れる 痛い初戦黒星
リオ五輪韓国戦レポート
全日本代表 女子
全日本女子は6日、リオデジャネイロ・マラカナンジーニョ体育館で韓国と対戦し、セットカウント1-3で敗れた。
バレーボール競技・男女を通して最初の試合ということもあり、試合前の緊張感が地球の反対側からでもひしひしと伝わってきた。
日本は、注目の先発オポジットに長岡望悠を起用。5月の世界最終予選で右手小指を怪我し、出場が危ぶまれていたキャプテンの木村沙織も、スタメンに名を連ねた。
予選A組・初戦。両者にとって非常に重要なこの試合は、木村沙織がレフトからブロックアウトを取り、幕を開けた。第1セット、日本はサーブで前衛レフトを狙う。ヨンギョンの対角、パク・ジョンアも非常に不安定だったため、韓国は早々にイ・チェヨンに代えてきた。このセット、日本はサイドの選手が比較的楽に打てていたが、セッターの宮下がアンダーハンドで上げるシーンが増え始め、アタッカーは難しいトスを打たざるを得なくなっていった。
第2セット、次第に流れは韓国に。時間差を使ってきた韓国のミドルにコミット(アタッカーの動きに合わせて跳ぶ)してしまい、キム・ヒジンにスパイクを叩き込まれる。このあたりから大きく流れが傾き、サーブも乗ってくる韓国。日本は苦しくなればプッシュ(強打できずに押しこむ)が増えることを分かっている韓国は、それに対応してやや前倒しのシフトにしてきた。
その作戦通り、トスが乱れてプッシュが多くなる日本に対し、ことごとくボールを拾う韓国。強打を打ててもレシーバーが執念で上げていく。日本はセッターを宮下から田代に交代するも事態は変わらず15-25と大差でセットを落とし、セットカウント1-1のタイに。
第3セット、完全に流れに乗った韓国は、日本のブロックの後ろの空いたスペースに多くフェイントを落とし始める。
中盤までは僅差の攻防だったが、日本のトスは改善せずアタッカーも強打できない。プッシュを拾われ、逆に強打を浴びる悪循環。再びセッターを田代に代えるが、終盤でヤン・ヒョジンにサーブで攻めこまれ、17-25とこのセットも落とし、1-2と追い込まれる。
第4セット、韓国はヤン・ヒョジンのサーブが非常に効果的に決まっていたため、彼女のサーブから始まるローテーションにしてきた。序盤から走り、逃げ切りたいという考えだったのだろう。その思惑通り、いきなりブレイクし2点を連取する韓国。
一度は日本が追いつくも、相手の状況に対応し反撃する態勢を整えられる韓国との差は、徐々に広がっていく。島村に代わって入った山口の速攻を使おうとするが、トスが低くなり強打できない。ブロックも絞りやすく、韓国のブロックの本数が増えていった。19-23とリードされた場面から迫田のサービスエースで21-23と追いすがるも、最後はヤン・ヒョジンに決められ21-25。セットカウント1-3で、痛い敗戦を喫した。
重要視されていたサーブについて、第1セットは日本のサーブが良く、逆にサーブミスが目立った韓国。それでも弱気にならず、ミスが増えながらも逃げずに攻め続けてきたことが、第2セット以降の試合を決めたように感じた。
一方、日本はサーブで崩せても、トランジション・アタックに繋げるトスアップが安定しなかった。スパイクも決定打がなく、単発で終わってしまう。韓国との試合では、キム・ヨンギョンに決められることは想定内。5月の世界最終予選同様、韓国はミドルのヤン・ヒョジンへゆっくりと高めのトスを供給してきた。世界最終予選で効果的だったプレーを再びやってきたのだ。
韓国の攻撃の変化に対応できない日本を前に、レフトのイ・チェヨンらも調子を上げ始める。重要なボールはキム・ヨンギョンに多く託しながらも、他の選手を効果的に織り交ぜながら攻めてきた韓国に軍配が上がった。
試合を通じて日本はアンダーハンドのパスが非常に多かった。そのため相手のブロッカーが揃ったり、ボールが乱れたりして苦し紛れのプッシュを拾われ、逆に攻め込まれるという負の連鎖だったように感じた。このセットだけで7本ものブロックを浴びた日本。終わってみれば、この試合での韓国のブロックポイントは全て、第4セットに生まれた。
朝9時半という時間から始まった日韓戦。日本はこのような時間から試合をする機会があまりなかったが、韓国は日本開催の最終予選で連日、朝10時からの試合を経験していた。こういった「慣れ」が関係していた部分は、多少なりともあったかもしれない。さらに、韓国は最終予選でなぜ日本に勝てたのかを理解しており、しっかり実践してきた。両チームのコンセプト、準備といった面で大きく差がついた試合だった。早急な対応と修正が望まれる。
日本は8日、23時35分からアフリカ代表のカメルーンと第2戦を行う。
写真:FIVB
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