2017-02-20 08:00 追加
荒木絵里香「多治見監督の現役時代、ベテランとしての在り方を学んだ。今度は私が若い選手に経験を伝えられたら」
SV女子
子育てしながら働くママの励みになれれば
――監督の多治見麻子さんは、過去に全日本でともにミドルブロッカーとしてプレーし、北京五輪にも一緒に出場していますね。
荒木:そう、選手の中で麻子さんの現役時代を知っているのは私だけなんです。今、自分も30を超えて、当時の麻子さんのベテランとしての在り方を思い出し、しっかりしなきゃという思いです。
――コーチの印東(玄弥)さん、内田(役子)さんもバレーを熟知した心強いメンバーだと思いますが、チームではどんなことに力を入れていますか?
荒木:印東さんは海外経験が長く、知識が豊富で広い視野を持った方なので、いろいろ勉強になっています。食事とかトレーニングの面を細かく管理してくれていますね。若い選手は体が絞り切れていないこともあるので、頼りになります。ユキさん(内田コーチ)はセッター出身で、麻子さん同様、長く現役を続けた方なので、セッターの選手に対する指導はもちろんですが、いろいろ勉強させていただいています。
――監督になる前の話ですが、多治見さんが荒木さんはちょうど一回り下で干支が同じだから、東京五輪の時に北京の時の自分の年齢になる。ぜひ挑戦してほしいとおっしゃっていたことがありました。東京については考えていますか?
荒木:私の場合、娘がいて、家族のサポートがあってやってこれている部分があるので、先のことよりも目の前の1年1年を精一杯やっていこうと考えています。今は、夫や母が関東と愛知を行ったり来たりしてくれているので、とても助かっています。
――リオ五輪出場時には、同じようにママさん選手としてロンドン五輪に出場した大友愛さんなどには相談したりしましたか?
荒木:はい、愛さんは「大変だけど、絶対にやってよかったと思うから、やり切って!」と励ましてくれました。あと、海外で出産後に選手を続けた経験のある方ともたまにSNSでやり取りしたりしています。ドミニカのデラクルスとか、セルビアのニコリッチとか…。彼女たちは「大丈夫だよ。日本では大ごとかもしれないけど、海外では子どもを産んでプレーを続けることも普通の選択肢のひとつだから」って言ってましたね。
――将来は、娘さんにもバレーをやってほしいという思いは?
荒木:バレーボールに限らず、何らかのスポーツはやってほしいと思っています。私自身も両親がスポーツ経験者という環境で育ちましたし、夫も元アスリート(ラグビー元日本代表の四宮洋平さん。現在はラグビー指導者)ですから。
――荒木さんご自身は、将来、指導者になりたいという希望はありますか? 多治見監督やJTの吉原(知子)監督のように、引退後に大学院で学ぶという道もあると思いますが…。
荒木:まだ目標が絞り切れていませんが、選択肢のひとつとして指導者もありかな?とは思います。まだ具体的にはわかりませんが、今の経験を活かせるような道に進みたいですね。
――最後にファンの方々へのメッセージをお願いします。
荒木:復帰以降、それまでのファンの方々に加え、ワーキングマザーの方など、いろいろな方に応援してもらえるようになり、とても嬉しいし、長く競技を続けることにより、誰かのエネルギーになれたらよいなと思っています。もちろん、東京五輪を前に、若い選手たちも盛り上がっていますが、私のような選手が子どもを産んで仕事を続けている女性の方たちの励みになれるなら、こんな嬉しいことはないですね。「一緒に頑張りましょう!」と言いたいです。
聞き手:高井みわ
写真提供:トヨタ車体クインシーズ
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