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インタビュー

2017-02-24 17:33 追加

世界に通じる選手を育てていくのが使命 ジェイテクト・増成一志監督

SV男子

masunari2——それとミドルブロッカーについて、2年ほど前に高橋慎治選手や浅野選手を取材した時に話していたのが、増成さんが(ジェイテクトに)コーチに来てから、ブロック練習を徹底してる、と言っていました。その話の印象が強く、昨シーズンとかのジェイテクトの印象もあったので、今シーズンはブロックが甘く見えて、意外でした。広瀬選手はムードメーカーでアタックの決定力もあるが、守備が弱いのでは?

増成監督:ただ、彼はブロックの本数自体は多いのでは。チームとしてもブロックの効果率や本数は高いんですよね。また、ベテランの金丸選手や辰巳選手のブロックの動きも早い。カジースキ、古田、高橋和人選手とビッグサーバーがいるなかで、サーブの効果率も高い。崩した時にどれだけ高いブロックで止められるか。当然相手が良い状態で攻撃をしてきたら、広瀬選手はまだ動きが遅いので、ついていけないのはあるけど、広瀬はサーブもいい。ビッグサーバーが三人いる中で、崩しながら後ろのビッグサーバーにつなげるところではいいですし、クイックの決定力もいい。

当然指摘された部分もあるけど、横の動きは、金丸、辰巳選手よりは遅い部分はある。ただ、もともと能力を持っている。広瀬は197センチあるんですね。大きな選手を、セッターと一緒で、育てながら、将来的には195センチ以上の選手を全員揃えて、日本の大会で勝つのもそうなんですけど、世界に羽ばたく選手を育てていなければいけないと思っています。

 

——そこまで見据えてたとは。

増成監督:育てないといけないと思っている。広瀬はまだまだ体型がぽっちゃりしている部分もある。それでも昨シーズンより10キロ減っている。年々こういう形で、シャープすることによってもっと動きがシャープになっていくだろうし、彼の持っている、負けん気、そういうのってスポーツ選手には必要。

 

——広瀬選手は試合中に感情を出していますもんね。

増成監督:僕はジェイテクトに来た時、皆サラリーマンやなーと、いい青年だなーと。ネットを挟んでの勝負事。勝つか負けるかで、全員そうではないけど、ひとりふたりくらいはそういう選手が、チームのリズムをよくすることもある。当然逆もある。いずれにしろ、魅力あるチームにしたい。

広瀬はしっかり技術をつけてほしいし、彼に日々厳しい練習を課している。よくついてきてくれている。今シーズンに関しては、どこのチームも高さのある外国人がいる。ブロックについていっても上から打たれたら、ブロックのシステムが意味をなさない。ブロックについては指摘されたところもあるし、ただそれ以上に、ブロックの効果率もポイントも増えている。

高橋慎治といっしょで、金丸選手がでてますから。最初は福山選手と広瀬選手(の若手二人)。福山に替えて金丸を出したりしながら、戦っています。

 

——ベテランの融合はなかなか難しいですね。ちなみに、浅野選手については?

増成監督:これはもう……。全日本で怪我したので……。黒鷲旗の前だったと思うんですけど、「怪我をした」ということで最初は、昨シーズンもした捻挫と思っていたら、前十字靭帯だった。彼は本当にサーブレシーブでもリベロに混じってランクに入るくらいの力があり、全日本でも安定したつなぎができるということで、招集されていた。ただ、起きてしまったことは仕方ない。ベテランの高橋和人選手がいます。(その後、浅野選手は年明けに復帰。途中交代で出場している)

 

——ファイナル6に向けて。

増成監督:一戦一戦この厳しい戦いを勝ち抜いて、チーム力をあげていきたい。ファイナル6で勝てるチームにしたい。優勝というよりは、ファイナル6勝っても次のファイナル3もありますし。そこに入るために取り組みたい。

後編に続く
聞き手:大塚淳史

増成一志(ますなり・かずし)

1962年9月22日、兵庫県姫路市出身。大阪の強豪校・清風高校を卒業後、象印タフボーイズ(1998年に廃部)に入団。セッターとして活躍する。その後、廃部に伴った移籍など、様々なチームを渡り歩く。大分三好では、40歳を超えていたがコーチや監督兼任で現役選手としても活躍した。大分三好で現役選手を引退し、豊田合成でセッターコーチを務めたあと、2014年にジェイテクトへコーチとして加入。2015/16シーズンより監督。54歳。

歴代所属チーム:清風高校→象印→豊田合成→住友金属→象印→NCI→堺→旭化成→大分三好→豊田合成→ジェイテクト

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