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インタビュー

2017-03-15 17:30 追加

越境バレーボーラー今村駿「今できることは必死にアピールすることだけ、毎日が就活ですよね」

海外に挑戦する選手のインタビュー

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s勝利後の笑顔元堺ブレイザーズで全日本でも活躍した、セッターの今村駿選手にお話をうかがいました。今村選手は現在、スウェーデンリーグのオルケルユンガでプレーしています。

 

今村駿(いまむらしゅん)
1987年7月20日生まれ 181cm セッター
順天堂大→堺ブレイザーズ→オルケルユンガ
2010年世界選手権 2013年グランドチャンピオンズカップ

 

――リーグが始まって5ヶ月が経ちましたが、今の率直なお気持ちを聞かせて下さい。

時間が経つのは早いですよ。もう、あっという間。今日も嫁と話してたんです、もう、こんな経ったと。あと2試合でレギュラーラウンドが終わってプレーオフが始まるので、早いですね。

――ここまではスムーズでしたか?

そうですね、僕も初めての海外だったのでどうなるかなと思ったんですけど、チームメイトに恵まれて、監督もそうですが、すごく気にかけてくれます。スウェーデンの人たちがそうなのか…。僕のチームがたまたまなのかもしれないですけど、本当にいい人たちばかりです。正直もっと練習中とか孤独になるのかなと思ったんですけど。

――スウェーデンリーグでは他の外国人は多いですか?

この国はコートに3人まで外国人選手が入れます。別に何人所属してもいいんですけどコートには3人しか立てないよ、というシステムになっています。僕のチームはスウェーデンとオーストラリアとリトアニアで、他のチームだったらブラジル、アメリカ、カナダ、本当にいろんな国の人たちがいますね。

――チーム内のコミュニケーションは英語ですか?

そうですね、英語です。

――監督も英語で指示を出すのですか?

そこがすごいところなんですよね。当たり前にスウェーデン語と英語、チームがだけじゃなくて、国の人が話せるんです。出かけた時とか最初スウェーデン語で話しかけられても、「スウェーデン語分かんないんだよね」って言ったら、すぐに英語に切り替えて話してくれたりとか。え、そんなすぐに切り替えられる?みたいな。監督はスウェーデンのメンバーに伝えたいときはスウェーデン語でバーっと言うし、僕とか全体の指示を出したいとき、タイムアウトの時は英語。そこの使い分けです。

タイムアウト中に一対一で監督と話す今村選手

タイムアウト中に一対一で監督と話す今村選手

――言葉で苦労はしてませんか?

してないのか…気付いてないのか(笑)。

――伝わってないな、理解できてないなと思うことはないですか?

それはやっぱりありますよ、最初の方は特に。僕自身今まで堺にいた時は、JPやペパには英語で話しかけられ、耳は多少なりとも慣れててこんな感じだろうな…と理解してました。でも、ここまで英語の環境になるとさすがに全然耳もついていかないし、何言ってるの?みたいな感じだったんです。だけど、生活するにつれて耳も慣れ、わからない言葉とかを自分なりに思い出して調べたりして、「こういうことを言ってたのかな?」と。そういう作業の繰り返しです。喋れなくてもバレーボールしているときだったら身振り手振りで「こういうこと?」「そうそう!」みたいな。喋れなくてもアクションすることで伝わるし、周りも理解力がある分、僕が喋れないのを分かってる上で「こうしたいんだよね」って言ったら、「じゃあ、オレ、こうやったらいい?」と。そういうコミュニケーションも来た当初よりは増えてきました。

――自分からチームメイトに色々伝えたりしますか?

僕はまだそこまではいってないっていうか…。もっとこうしたらいいんだろうな、こうしようかな、というのがあっても言葉にすると難しいというか、考え過ぎてしまいます。

試合中の方がぱっぱぱっぱ思いついて伝えられますね。

――言葉以外に苦労したことはありますか?

例えば試合の前日に練習がないとか。(インタビューをさせていただいた試合の前日、練習がありませんでした)

あー、そういうのは衝撃というか、大分違いますね。日本だったらサイクルが決まってるじゃないですか。土日試合で、リーグの日程がリーグ始まる前に出たり。それがこっちはあやふやです。連日の試合がないにしても、1日空いて試合だとか。逆に週一の試合もあれば、1週間に3試合、4試合とか。えー、週一でやっててなんでそこ、いきなり4試合みたいな。日本の方が土日連戦できついのはあるんですけど、でもサイクルが決まっている方が、計算立てられる。そこがかなり違うんじゃないですかね。

あと、アウェーゲームでも前日に移動というのが滅多にないんです。

――いつ移動するんですか?

当日です。初戦の時は朝5:00に出て、5時間くらい車で移動して、試合して帰って来ました。

――会場での練習はないんですか?

なしです。いきなり試合です。その日は前日に練習したか分からないですけど…、それが普通です。だからリーグ始まって片手に収まるくらいしか泊まってないです。

――それはきついですか?

きついですね。今までのサイクルの方が時間に余裕があったけど、そこはかなり違いますね。

――アウェーのチームもそうですか?

だと思いますね。直前に来ます。

――ホームの体育館ではなく、地域の体育館を使用しているからですか?

日本のプレミアのチームは大方企業がチームを持ってて体育館を持っているので、自分たちはそこで練習できる。だけどこっちだと、僕たちが練習している体育館はここの(市の)持ち物で学校の授業でも使うし、他の競技の人たちも使う。カテゴリーが別の人たちも使うから、枠が決まっている。そこしかボールが触れないんです。

――自分の時間を使って長めに練習したい気持ちはありませんか?

ありますね。でも逆に考えると、それしか練習できないというのは分かっていますからね。延長が効かないっていうのは分かっているから、そこでやりたいことができなかったらあとは何もできない。日本だったら、あぁ今日ここダメだったな、じゃあ、残って練習しようかなっていうのも、ひとつ練習としては必要なんですけど、そういう状況に追い込まれたらそこでやるしかない。その時にやらなかったら、あとは(ボールに)触りたくても触れないんです。

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