2017-04-17 08:17 追加
V・プレミアリーグ女子決勝ゲームレポート NECvs久光製薬
SV男子
久光製薬は1戦目はマッチポイントを何度も握り、2戦目は中盤から苦しくなりましたが、第4セットを取り返すなどどちらが勝っても不思議のない展開まで持ち込みました。が、あと1歩足りませんでした。レセプションが崩れず、普段はスピードを重視している古藤選手が高めのセットを上げることが多く、各選手がハードヒットのスパイクをできていました。パフォーマンスとしては決して悪くありませんでした。
ファイナル6で長岡選手、ファイナル1戦目の終盤で岩坂選手がアクシデントで、試合に出場できない状況でしたが野本選手、MB水田選手がカバーをしていました。ただ、ファイナルのレベルでさらに交代できる選手がおらず、2戦目の第5セットでNECのブロックにつかまり始め、劣勢になった際に次の策を打てなかった印象です。また、シーズン中安定した成績を上げていたMBトカルスカ選手ですが、ファイナルではなかなか調子が上がらず、特に2戦目では終盤の勝負所でスパイクミスや1枚ブロックに捕まるなど、久光製薬に流れを呼び込むことができませんでした。
NECは1戦目は古賀選手、近江選手のスパイクが決まらずニコロバ選手に頼らざるを得ない苦しい展開でしたが、ニコロバ選手が答えを出しました。特に第5セットの後半で追いかける中、バックライト、ライトからアタックを決め続け、逆転への布石を作りました。2戦目は1戦目に比べると思い切りの良いスパイクが増えたこともあるのか、各選手の成績が上がり、打数に偏りがない本来の攻撃のパターンになったと思います。
NECはファイナルを通じ、「ファーストタッチを高く」というチームのコンセプトが徹底されていました。これにより、トランジションで攻撃参加をするための準備をする「間」ができます。
男子に比べると女子はラリーが続くケースが多く、トランジションでの攻撃の回数が増えます。その中で攻撃参加の人数を確保し続け、ラリーを優位に進めるのは重要なポイントの一つです。ファイナルではラリー戦でNECが徐々に優位に立ち、ラリーを取り切るケースが見られました。特にMBの大野選手は「間」を、助走の準備が必要な場合は「下がる」時間、助走の準備ができている場合は他の選手とシンクロするための「待つ」時間として使い分けをし攻撃参加回数を増やしていました。
両チームは、国内シーズン最後の黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会に加え、日本で初開催となるFIVB世界クラブ女子選手権大会に出場します。久光製薬は、その後に2017アジアクラブ選手権に出場します。世界クラブ選手権では南米クラブ選手権、ヨーロッパチャンピオンズリーグを制したチームなど強豪が揃います。その中で2チームがどのような戦いを繰り広げるのか注目です。
文責:黒羽白
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