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インタビュー

2017-11-15 18:01 追加

躍進ジェイテクトを支える早野GMの“マネジメント論”(前編)

V1リーグ 男子

企業経営視点で中期強化プラン

——選手が社員の方により身近な存在になっていきますね。2016・17シーズンの戦いぶりは社員にとってはすごい刺激になったかもしれません。GM職についてもう少し聞きたいのが、ジェイテクトは数シーズン前までチャレンジにいて、徐々に強化して、順位をあげてきまいた。そこに何かビジョンがあったのでしょうか。
早野GM:私も来てから、ずーっと、中期強化計画を作っています。今シーズンはこれができたよね、できなかったよね、これはなぜできなかったのかと徹底的に潰していって、次のシーズンではこうしようと練っています。

——何年プランで見ていたんですか?
早野GM:5年くらいを毎年毎年、変えていく感じですね。

——まるで会社の経営プランと似てますね。
早野GM:一緒ですよ。結局バレーのGMって会社の経営者と一緒ですから。チーム経営です。

——計画的にプレミアに昇格するタイミングはこの時期とか意識してたんですね。
早野GM:そうですね。当初の私のプランより1年遅れましたが。今後、頂点を目指すことについては、3位までは今のやり方でいいんだと思うのですけど、1位までいくとなると、これまでの階段と異なるんだろうなと思っています。

——昨シーズンのファイナル3の豊田合成戦とかも、言われた意味を感じました。
早野GM:そこがね、「次は優勝ですね」「やるからには優勝です」とは言うんですけど、ただ本当に腹落ちして、優勝って言ってるのかなと感じます。選手たちも口で優勝って言っても、「やぁでもねー本心では三位がいいとこかな」と皆本心では思ってたんではないかな。それが今の結果。本当に皆で優勝しようと思わないといけない。そして優勝するには、明確に目標をたてて、デジタルに全部やることを書いて、一つ一つつぶしていくしかない。「これだぞ、次はこれだぞ」とやっていかないと優勝できない。

——ここ数シーズンに関して、監督、コーチは今までどういった視点で獲得してきたのか。例えば増成総監督とか、アーマツ監督とか。
早野GM:増成さんを招聘したのは、監督経験があったのと、色んなチームでプレミアを渡り合っていた苦労人。彼と話してみればわかると思いますが、人柄が素晴らしい。やはり人ですよね。人間力がある人というのは選手がついてきます。

——ただ、やっぱり人間力があっても指導力とか戦術眼とか、プレミアリーグの日本人監督の大半が世界の潮流に沿って戦術・指導をしているとは言えないと思います。その中で増成総監督はそのビジョンを持った人だなと思いました。どういった、戦術的な部分も含めて、あるいは人間力だけで選んだのですか?
早野GM:まず、経験と人間力。われわれのチャレンジリーグ時代の気持ちが抜けきれないところを変えてくれた。
アーマツに関しては更にこれからワンランク、ツーランク上をいくには、世界と戦った人、実際、ナショナルチームでコーチ経験があるとか、そういう人間ということで、昨年12月頭にコーチにきてもらった。彼はイランで、アルゼンチンの名称ベラスコの下とか、イタリアのチームの監督の下でコーチをしてきた、いわゆるプロのコーチです。だから、いろんな指導法が明確だった。
全てに何か理由があるのと同様に、どうして今ブロックをこう出したんだとか。普通だったら抽象的なんです。彼は違う。ボールでも、ブロックのここにあてるここにあてるとチップさせる4つ5つあるじゃないですか。ブロックでもまず立ってやらせてみる。できるようになる。そしてちょっとジャンプさせてみる。そしてもっと高いところ高いところと、そしてチップまでできるようになる。

——指導の引き出しが多いんですね。選手としては指導を受けてて面白いでしょうね。
早野GM:面白い。だから、やっていてできたら、成功体験になる。選手は自信がつく。
(後編に続く)

取材・文:大塚淳史

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