2017-12-30 10:00 追加
海外女子バレーのすゝめ 第8回 観客も主役。「火の国」が教えてくれた、スポーツの楽しみ方(欧州選手権・バクー)
海外バレーコラム
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アゼルバイジャンの首都バクー郊外にあるヘイダル・アリエフ国際空港からタクシーに乗車してしばらくすると、車内に石油の匂いが漂ってきた。カスピ海と黒海に囲まれたコーカサスと呼ばれる地域に位置するアゼルバイジャンは、1991年に旧ソ連から独立し潤沢な石油資源によって一挙に発展した国で、Land of fire(火の国)の異名を持つ。洗練されたヨーロッパ風の街並みに近代的なビルの力強いアクセントが加わって、この都市ならではのエキゾチックな雰囲気を醸し出している。
2015年にはヨーロッパ・オリンピック委員会が主催するヨーロッパ競技大会が首都バクーで開催されるなど、スポーツ振興に注力するアゼルバイジャン。国内ではバレーボールの人気が非常に高く、一時は世界トップクラスの選手が集ったプロリーグも存在する。日本からも佐野優子さんや井野亜季子さん、松浦寛子さんなどがこの国のリーグを経験した。昨シーズンまでトヨタ車体クインシーズでプレーしたポリーナ・ラヒモワさんもアゼルバイジャン代表として活躍している。その点でも日本のバレーボールファンにとって意外に近しい存在と言えるだろう。
2017年9月下旬にバクーで開幕した女子バレーボール・ヨーロッパ選手権は、記念すべき第30回大会を迎えた(予選は隣国ジョージアと共同開催)。
バクー中心部から車で15分ほどのところにある国立アリーナ前は、アゼルバイジャンの試合前になると大混雑。前売りチケットを購入するという考えはあまりないようで、インターネットでの事前販売を利用する人も少なく、観客の多くは当日の窓口でチケットを買い求めた。
決勝戦のチケットはなんと5マナト(日本円で300円ほど)。CEV(欧州バレーボール連盟)の広報担当者は「現地の物価などを勘案し価格を設定している」と話していたが、それでも破格と言わざるを得ない。
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