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2018-01-05 08:00 追加

新主将に聞く 奥村麻依(JT)「スタッフと選手の橋渡し。できることを探しながら自分らしいキャプテンに」(前編)

SV女子

──キャプテンと言われたときはどんな気持ちでしたか。

奥村:正直、嫌だって思いました(笑)チームを引っ張っていけるタイプじゃないし、チームをまとめるような発言ができないし。下にもっとしっかりした子がいるのでそちらにまかしてほしいなと思いました。

──吉原(知子)監督にその思いは伝えたのですか?

奥村:嫌ですとは言わなかったです。副キャプテン2人(芥川愛加、小幡真子)が「やります」って言ったので、これは「やらない」って言えない雰囲気だなって(笑)トモさん(吉原監督)的には、私がそういう(キャプテンの)性格じゃないっていうのを知っているから、しっかりした人を2人を副キャプテンにつけたのかなと思います。でも代理でキャプテンをやったとき、トモさんが「理想のキャプテン像はあるかもしれないけど、それにならなくてもいいから。マイらしいキャプテンでいいと思うよ」とフォローしてくれたので、それを思い出して、別に引っ張っていくだけがキャプテンじゃない、他にもできることがあるかもしれないからそれを探して、勉強しながらキャプテンになっていけばいいのかなと思っています。下の選手たちも、まだあまり(私が)キャプテンだとは思っていないと思うんです(笑)下の子たち、ほんとにしっかりしていてコトエ(井上)さんもけっこうまとめてくれるので、助けられてるなって思います。

──そんな新キャプテンについて、吉原監督は「タイプじゃないって言っていますが、『役割がその人を育てる』という感じでチームに対して言わないといけないことは言うようになった」とおっしゃっていました。

奥村:言われてました?(笑)はい、言おうとはしていますが、言葉が拙いことがあるので。でも気づいたときには発言しようとしています。それがそのときに必要な声掛けだったのか、あのときあれ言ってよかったのかなと思うことはありますし、今でも探り探りの中でやっているので何が正解とはわからないですが、とりあえず思ったことは言おうと思います。

──練習や試合を離れた所でも、メンバーと相談や話をしたりします?

奥村:ミドルの人と話すことが多いかな。セッターともたまに話しますね。こうしたほうがよかったかなとか。みんなもどんどん発言してくれますし、やってくれます。

──そんな中でキャプテンの存在って? キャプテンがいる理由は?

奥村:うーん、なんだろう……そうですね、前はスタッフに相談をあまりしなかったんですが、(キャプテンになって)相談することが増えました。練習の中で選手が思っていることをスタッフに伝えたり、そういう橋渡しはやるようになりました。あるとき、うまく練習がまわらなかったことがあって、選手たちにどうしてなのかと聞いたら「人数が足りなくて、プレーまで集中できなかった」と。スタッフはそれに気づかず「なんでリズム悪いの」と。それで練習後、「練習メニューはそのままでいいですが、人数増やしてほしいです、ここにスタッフに入ってほしいです」とスタッフに選手たちの思いを伝えました。そうするとスタッフも「ああそういうことだったんだ」とわかる。言わないままだと、選手は「何でスタッフわかってくれないの?」、スタッフは「何でやらないの?」と分裂してしまうので、そうならないように話しにいったりしています。

──いいですね! そういうことが結果につながっているのでは。全日本に行って学んだことや経験が活きていることもあるのでは?

奥村:全日本の代表選手は一人一人技術が高いし視野が広い。自分がバックにいるときにスパイカーが打つときに相手のコートのどのコースがあいていると伝えたり、なにげなしに自然にコミュニケーションしていて……。「コミュニケーション取ってよ」と言われないとできなかったり、自分のことでいっぱいいっぱいになることが多かったので、やっぱりすごいなって。プレーがすごいだけじゃなくて、そういう周りも見えていて気を遣えてっていう部分がプレーに活きているんだなと思いました。全日本に行ってからは周りも見るようにしていますが、自分がいっぱいいっぱいになったときにはまだ見られていないので、もう少し客観的に冷静になって見れるようになればいいと思います。

──井上(琴絵)選手が「マイが『ブロックこっち締めるから』みたいに言ってくれるのでやりやすい」と言っていました。

奥村:メンバーチェンジして入ったときに、何も情報を知らないとやりにくいので。「ブロックでこっちを締める」というのが元々のベースだったとしても、試合の中で変わったりしたときに噛み合わなくなるとチーム力が下がると思うので、なるべく伝えるようにしています。よかったです。そう言ってもらえてありがたいです。

後編に続く

写真:堀江丈

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